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読書の秋、なに読む?読書家スタッフに「おすすめの一冊」を聞いてみた

こんにちは!ファングリースタッフの八木です。

暦の上ではとっくに秋ですが、長かった夏の暑さもようやく落ち着き、秋と呼ぶにふさわしい季節が到来しました。四季のなかで秋が一番好きな私からすると、「やっとかよ!♡」という感じです。暑すぎず、寒すぎない。秋ほど過ごしやすい季節なんてありませんよね(異論は認めます)。

というわけで、今回はそんな秋にまつわるテーマをお届け。『読書の秋』なんて言われたりしますが、本好きの方にとっては読書がはかどる季節でもありますよね。そして、ファングリーにも読書に夢中なメンバーがちらほら……。今回は、4名におすすめの「愛読書」を聞いてみました。

\この記事を執筆しているのは私!/


前田さん(ライター)

私と同期入社の前田さんはファングリーで一二を争うオタク(褒め言葉)として知られ、オフの日も好きなアニメや漫画に囲まれて過ごすのが「癒し」であり「至幸」なのだとか。一緒に入社した日、「おすすめの漫画って何ですか?」と聞いた私に、「おすすめの漫画って言ってもジャンルによって違うから難しい!」とオタクらしい熱い返しをしてくれたのを今でも鮮明に覚えています(笑)。

そんな本気(ガチ)オタクの前田さんが、思わず夢中になってしまう「漫画」とは?

――ひとくちに漫画と言ってもさまざまな種類がありますが、まずはおすすめの漫画家やテーマを教えてください。

私は、鬼頭莫宏(きとう もひろ)先生のダークな世界観とリアルな心情が描かれている作品が好きです。大学時代に生や死について学ぶ機会が多く、今でも自然とそういう作品に手を伸ばしてしまいます。

――では、ずばり前田さんの「愛読書」は?

鬼頭莫宏先生のぼくらのです!

――その漫画を読むきっかけは何でしたか?

ネットサーフィンをしているときにたまたま見つけた、鬼頭莫宏先生の作品を紹介しているブログを読んで興味を持ちました。独特な絵のタッチや間の作り方、物語の世界観にグッと心が惹かれたのを憶えています。

――その漫画から学んだことを教えてください。

人間の生と死をリアルに描いた作品ながらも、メインの登場人物は全員小学生なんです。私自身が当時中学生だったこともあり、作品を読みながら「自分だったらどうするだろう……」なんて考えたり、作者の投げかける問いに向き合ったりしていました。ただ受け身で楽しむだけでなく、自分なりの考えや意見を持つことの大切さを教えてくれた作品です。

――その漫画の「一押しポイント」は?

「SFの枠を超えた繊細な人間ドラマであること」ですかね。巨大ロボットに乗り地球を守るという、一見するとSFバトル漫画的な設定ですが、実は命や地球の存続を賭けた残酷な戦いであった……というおも~~い展開がこの作品の魅力です。登場人物が限られた時間の中で成長していく様子がリアルかつ緻密に描かれていて、生と死、正義の意味を問いかけるストーリーが心に残ります。

ところどころで社会問題についても描かれているのですが、大人になって読み返すと新しい発見があり、何度読んでも読みごたえのある作品だと思いました。「新世紀エヴァンゲリオン」や「進撃の巨人」のような作品が好きな人は、ぜひ読んでみてください!

――最後に、その漫画は自分にとってどんな存在ですか?

どんな存在……難しいですね(笑)。

初めて読んだのが中学生の時で、その後は電子書籍を購入して何十回も読み返しています。テーマがテーマなので、腰を据えて真剣に読める日や、物思いにふけりたいときに読んでいますね。読後は頭がスッキリするので、「自分を労わりたいときに読む作品」というのがしっくりくるかもしれません!

後藤さん(コンテンツディレクター)

大学時代に英米文学を専攻していたという後藤さん。よくアメリカ文学やイギリス文学を読むことが多いそうで、「ロビンソン・クルーソー」や「地底旅行」などの冒険小説、「フランケンシュタインの怪物」といったSF作品、「若草物語」をはじめとした成長物語など、今まで数々の小説を読み倒してきたそう。そんな後藤さんが愛読書に選んだ一冊とは?

――ずばり後藤さんの「愛読書」は?

お気に入りの一冊はポール・オースター著のブルックリン・フォリーズです。人生の幕引きのため、ブルックリンに帰郷してきた主人公と彼の甥・トムを中心に、家族の再生が描かれています。一つの家族の人間関係が描かれるミクロな物語ですが、ヒューマンドラマが好きな人にはぜひおすすめしたい小説です。

――その小説を読むきっかけは何でしたか?

ポール・オースターの「リヴァイアサン」を読み終わってから、同じ作者のつながりで「ブルックリン・フォリーズ」と出会いました。裏表紙のあらすじを読んで、「人間の悲喜劇を描いた家族再生の物語」という部分に興味を惹かれたのが読み始めた理由です。直感で購入しましたが、あの時手に取って正解でした(笑)。

――その小説から学んだことを教えてください。

新しい物事に挑戦すれば良い方向に人生の流れを変えられる、そして挑戦に大事なのは勇気とガッツだということに気付きました。この小説の主人公たちの姿勢はファングリーのコアバリューである「ファングリー精神」にも通ずるところがあると思います。物語では、ある少女を助けたことで、その後の人生が大きく変わる結末を迎えているので、自分も人生を生きる上でチャレンジ精神は忘れないようにしたいですね。

――その小説の「好きなフレーズ」は?

文学研究者でもある甥のトムが「フランツ・カフカ」のエピソードを挙げる場面が印象深いです。この話では、カフカが人形を失くした女の子を慰めるために、「人形が旅に出る」物語を作り上げます。その中で出てくる「美しい、説得力ある嘘を思いつければ、女の子の喪失を、違う現実にすり替えることができるのだから。」というフレーズがお気に入りです。カフカの書き手としての姿勢と文章の力に感嘆しましたし、文章に携わる人間として、読み手にどんな影響を与えるのかは常に考えていきたいですね。

――最後に、その小説は自分にとってどんな存在ですか?

家族再生物語として温かくやさしい気持ちになれる小説ですが、最終章で9.11の事件が主人公たちに影を落とすため、読み終わりにどこか切なさを感じます。この読後感が好きで、ときどき思い返しては手に取る、お気に入りの一冊です。

北桝さん(編集者)

多方面にわたる学識に通じ、深い思考力を兼ね備えている北桝さん。業務日報でよく「書店に行ったら……」とお話されているのを目にし、鮮度の高い情報の収集力や思考力は本の存在によるところも大きいのでは?と密かに思っていました。管理職としても働く北桝さんに、ビジネスパーソンにおすすめの愛読書を教えてもらいました。

――まずはおすすめの著者やよく読むジャンルを教えてください。

最近は読むことが減っているのですが、20代の頃はビジネスパーソンとしてベーシックなスキルを学べる書籍を手に取ることが多かったです。とくにロジカルシンキング系のビジネス書に偏っていたかもしれません。

――では、ずばり北桝さんの「愛読書」は?

バーバラ・ミントの考える技術・書く技術 ―問題解決力を伸ばすピラミッド原則です。

――その書籍を読むきっかけは何でしたか?

SNSでコンサル業界の人がこの本を薦めているのを目にし、編集職という自分の職業柄、勉強になりそうと思ったからです。

――その書籍から学んだことを教えてください。

文章を書いたりプレゼンしたりする際に役立つ、「情報の構造化」と「表現」を体系的に学べました。ここでいう文章とは、私たちが制作しているコンテンツのようなものだけでなく、日常的なメールやチャットなどのビジネスコミュニケーションも含まれます。コンテンツの構成や文章を組み立てるときはもちろん、クライアントと交渉や相談などのやり取りをするときにも活かせているように感じます。

――その書籍の「一押しポイント」は?

ロジカルシンキングに役立つツールとしてはフレームワークが一般的ですが、考え方の本質を良く理解しないまま、なんとなくフレームワークに当てはめて満足してしまうケースはあるあるだと思います。この本はもっと根本的に「正しい思考のプロセスとは何ぞや」を学べる点で、すべてのビジネスパーソンに有用です。私は20代の頃に読みましたが、若手だけでなくあらためて自分の基礎力を点検したいミドル層にもおすすめします。

――最後に、その書籍は自分にとってどんな存在ですか?

常に立ち返るべき基礎ですね。結局、ビジネスはコミュニケーションの重要度が大半を占める世界なので、この本の内容を実践できればハイパフォームできるでしょうというレベルの信頼があります。ただ、ハリーポッター並みに分厚いので気軽に読み返せるわけじゃないですが……。

新森さん(コンテンツディレクター)

政治経済や社会問題などに興味・関心が高く、普段それらに関連したジャンルの書籍を手に取ることが多いと話す新森さん。世情に関する著者の見解を通して、「このような考え方があるんだ」「じゃあ自分はこの問題に対してどう考えよう」と、あらゆる事象に対する自分の視点を培うのに役立てているのだそうです。今回、そんな新森さんのお気に入りの一冊を聞いてみました。

――ずばりあなたの「愛読書」を教えてください。

経済アナリスト・森永卓郎さんの投資依存症という書籍です。

――その書籍を読むきっかけは何でしたか?

以前から聴いているラジオ番組に森永卓郎さんが出演しているのですが、そこで語られる政治経済や社会問題に対する考え方を聞き、「これまで自分が出会ったことのない、独特な視点で物を見る方だな」と思い注目していました。森永さんはこれまで何冊も書籍を出されていますが、今回の「投資依存症」は自分がとくに興味のある「投資」をテーマにしていたので、真っ先に手に取りました。

――その書籍から得た一番の学びを教えてください。

まずは「うまい話には裏がある」。そして「自分の生きる道は自分で決める」ということですね。

昨今、著名人の名前を使ったSNS投資詐欺が多発していますが、著者の森永さんも何度か名前を使われたことがあったそうです。私もここまで話題になる前に、SNSで著名人の名前を使った広告を見たことがあるのですが、最初は信じそうになりました。でも、よく見るとそういううまい話には矛盾があるんですよね。一見良さそうに感じることに対して「まずは疑う」ということを学びました。

また、「自分の生きる道は自分で決める」という学びは、少し前に話題になった「老後2000万円問題」に関することで、森永さんが本書で提唱している「老後の生活のために年金制度を作った国が、国民に対して貯蓄より投資を進めている傾向にあり、投資を始める人も増えているが果たしてこれが正解なのか?」という点から来ています。何事も「周りがやっているから自分もやる」が正解とは限らないし、周りに流される生き方には結果として自分を追い込むリスクがあるんですよね。

コンテンツを作る際は、まず情報の信ぴょう性や権威性などを確認する(疑う)ことにしています。また、すでに世間に出回っていることと同じことをしてもつまらないので、コンテンツを作る際は「どうしたらオリジナリティを出せるか?」を常に考えています。

――その書籍の「好きなフレーズ」は?

「投資の本質はギャンブル以外の何ものでもない」です。

貯蓄とは異なり、どんな投資にも元本割れのリスクがあることを忘れてはならないと思わせてくれるフレーズです。資産形成における投資はもちろんですが、例えば健康のために新しいサプリを試そうとすることなんかも当てはまると思います。人生においてあらゆる選択がギャンブルなのだと考えると面白いですよね。一方で、何を選ぶにも自己責任が伴い、最終的には自分の意思が重要になるということも意識させられます。

――最後に、その書籍は自分にとってどんな存在ですか?

森永さんは現在闘病中ながら毎日仕事に励んでおり、その中で本書も執筆されたと聞きました。昭和から平成、そして令和と激動の時代を生き抜いてきた方なので、私がまだ生まれていない時代のことはもちろん、現代のあらゆる情勢に対する森永さんの思考や言葉に触れられるため非常に貴重です。


皆さん、ありがとうございました!

こういう機会がないとなかなか聞けない、仕事仲間の愛読書。何を読んでいるかを知ることは、その人の興味や思考の根源を知ることにもつながりますよね。「あの人の発想、どこから来るの?」「その知識、どこで学んだの?」など、自分が仕事に行き詰まった時こそ、見倣いたい人に愛読書を聞いてみるのもいいかもしれません。

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