同じものを見てると思うなよ
本当に見たいものは見えない。四六時中鏡を見ている人はいないだろう。一番確認したいのに一番見えていないんだ。自分自身が。
鏡を眺めたところで、せいぜい歯に青のりがついているかどうかくらいしか確かめることはできない。
どんなに髪型をいじっても、どんなに小洒落たファッションを取り入れても、キムタクにはなれなくて、そんな飾り立てて、理想に近づいたはずのその姿にも、自分の姿を見ることができなくて。
それどころか「なんか痛い人」認定されてしまって、理想に近寄りすぎて、自分からもキムタクからもどんどん離れていくんだ。盛ってるなずなのに、人としてどんどん薄っぺらになってしまう。
カケスとクジャクの話をご存じだろうか。カケスはクジャクの羽で自身を飾り立てるが、どんなに飾り立ててもクジャクにはなれない。嘲笑され、挙句の果てには仲間外れにされてしまう。
みんなが見ていて、僕には見えない景色。でも自分だけが見える景色もあって。
綺麗なお城が見られない無力感はあるけれど、天守閣からは相当良い景色が見えるんだ。
それに身近にある美しいものは、意外とその価値に気づけていないもんなんだ。たぶんあなたの奥さんだって綾瀬はるかを超えている。ちょっと遠くに離れてみたら。もう少し後ろ、もうちょっと後ろ…あと3mちょっと。
あと数歩後ろに下がると海に転落の危険ラインにたどり着ければ。
恐怖を味わうくらいの位置にたどり着ければ。
(227日)
#エッセイ #コント部 #僕なりの幸福論 #毎日note #見えるもの #見えないもの
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