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許すことを覚えていく。僕の安らかな時間のために。

何か起こりそうなときというのは、間違いなくスタート地点からその因子を多分に含んでいる。

マンションの設備改修工事の日程についての連絡だった。
今日の笑点がいつも以上に面白かっただけに、スバラシイ休日の終わりがもう台無しだ。

―去る事1週間前、工事が各戸に入るので、希望日時をファックスか電話で知らせて欲しいという内容のポスティング。電話番号はフリーダイヤル、嫌な予感がする。FAXにしよう。おやFAX番号の記載が無いじゃないか。しかたない電話にするか。嫌な予感は当たる。長いガイダンスが流れる。
「オペレーターをご希望の方は…」
ここまでの所要時間5分。
「お待たせしました」
「あ、えっと○○に住んでる者ですが、今回の設備工事の希望日程ですが」
「…?」
「あ、こちらの電話番号じゃないんですか?」
「申し訳ございません。失礼ですが、担当者はおわかりになりますでしょうか?」
「手元の資料には書かれていません。こちらの電話番号が記載されていまして。」
「そうでしたか、おそらく支店からのご案内になりますので、大変申し訳ございませんが、今から申し上げる電話番号におかけ直しくださいますか?」
「ああ、わかりました。メモしますんで」
またしてもフリーダイヤル&ガーイダーンス
オペレーターからはデジャブのように同じ質問が繰り返されて以下同文。
「申し訳ございません。一旦確認いたしまして折り返しのご連絡でよろしいでしょうか?」
結局、担当者がわからないという連絡が入り、判明次第折り返しの電話をするというのだ。グダグダなやり取りは永遠に続きそうな予感がしたので、FAX番号を聞き、希望日時を手元の書類に記入したのち、送信するという処理をした。

―そして先ほどの電話。
「業者の都合で設置のスタートが1週間ほど後ろになってまして~こちらからの直接の電話のやりとりで日程が決まることになってるんで~お客さんと連絡がとれていたらご希望の時間もおさえられたんですけどね~早くて2週間後ですね~いつがいいですか~。」
ご希望に添えず残念ですではないのかオペレーターのお姉さんたちは全力で対応してくれたぞ平日の就業中に掛かってきていた電話に出られなかった僕が悪いのかそれともスケジュール管理のできていない施工業者が悪いのかそもそもはオマエのミスから色々発生していることに1ミリも気づかないのかオマエなんか僕が上司だったらイタリアのガイオラ島出張所とかに飛ばしてくれてる呪われてしまえええええええ~~~。

という罵詈雑言をすべて嚥下した。

怒りというのは人間の喜怒哀楽の中で一番熱量が大きい。文章にするのも簡単だが、できれば怒らないほうがいい。そういった無慈悲なビーストモードに突入すると、疲労感が全身にいきわたり、完全回復までに時間がかかるからだ。いにしえの機械文明の島で、少年少女が破壊の言葉を唱える騒動になる前のように、幾重にもロックはかけていたほうがいい。
皆様におかれましては、時節柄お身体お厭いくださいませ。

電話を切った後、Spotifyのサーチで「イライラした時」と検索してみた。
サカナクションの”モス”が再生される。
東京タワーに張りついて繭を作る巨大怪獣の自分を想像した。

ちょっと気持ちが和らいだよ、ぽよよよよ~ん。


(135日)

#コント部 #エッセイ #僕なりの幸福論 #毎日更新 #イライラした時 #モス

読んでくださってありがとうございます。スキとかシェアとかしてくださると、きっと明日も頑張れます!