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「新株予約権ってなに?企業、投資家のメリットは?」という質問に全部答えます!

2019年に、新しい資金調達の方法としてFUNDINNO型新株予約権(以下、新株予約権)が誕生しました。

こちらは2019年の記者会見時のプレスリリースです。

発表会概要
イベント名称
:日本クラウドキャピタル 日本初の金融商品‟FUNDINNO(ファンディーノ)型新株予約権“募集開始 発表会見
日時:2019年9月11日(水)11:00~12:00
登壇者:日本クラウドファンディング協会理事 / 森・濱田松本法律事務所 増島雅和氏
日本クラウドキャピタル 代表取締役CEO・柴原 祐喜
日本クラウドキャピタル 代表取締役COO・大浦 学
イベント内容
・「日本初の金融商品である“FUNDINNO(ファンディーノ)型新株予約権”」について
・ゲストスピーカー増島雅和氏ご講演「日本におけるConvertible Equityの展開」

プレスリリースより引用

すでに多くの資金調達を実現している新株予約権ですが…
新たに、投資家登録していただいた皆様より、以下の新株予約権に関する質問をいただくことがあります。

・なぜベンチャー企業が新株予約権で投資を募るの?
・投資家が新株予約権に投資するメリットはあるの?

質問の例

ということで!

今回は、
・FUNDINNOで資金調達を考えているベンチャー企業の方
・新株予約権のことを理解されたい投資家の方
に向けて…新株予約権にまつわるアレコレに、株式会社FUNDINNO発行者審査部の高津鉄矢がご説明します。

「新株予約権」って、結局なんなの?

この記事を読み終わったときにその疑問が解消されているはずです!

■新株予約権は投資のグローバルスタンダード⁉

ーー2019年に新しい金融商品として誕生したFUNDINNO型新株予約権ですが、まだまだ知らない人も多いと思います。まず、新株予約権の新しさはどこにあるのでしょうか。

 投資の選択肢を増やせるという点が第一にあげられます。

 現在、国内で売買されている株式の大半は普通株と呼ばれるものです。普通株は日本国内においては全体の90%以上を占めますが、実はこれはグローバルな視点で見ると相当に高いんです。

ーー海外では、普通株以外の取引の割合が日本よりも高い!?

 その通りです。グローバル視点で見たときには新株予約権をはじめ種類株など普通株以外の手法は広く浸透しています。

ーー新株予約権は投資のグローバルスタンダードであると。改めてとなりますが新株予約権とは、どういった金融商品なのでしょうか。

 普通株と比較しつつ新株予約権を見ていくとわかりやすいです。

 普通株は企業が株式を発行して、その発行された株式を投資家が購入して株主になるというのが大枠の流れです。一方、新株予約権の場合は株式を購入することはありません。

 新株予約権の場合は投資家は”株式を取得する権利”が得られるということになります。

ーーこの”株式を取得する権利”という点が普通株との大きな違いということですね。

 そうですね。

 新株予約権を取得しても株主にはならないので株主総会への参画ができません。一見すると、普通株でよいのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、新株予約権の誕生には理由があります。

 そしてその誕生理由を知ると新株予約権の存在意義がより見えてきます。

■なるほど!新株予約権が誕生した理由

ーーそもそもの話となりますが、FUNDINNO型新株予約権はなぜ誕生したのでしょうか。

 いくつかの理由がありますが、ひとつとしてはベンチャー企業側のニーズがあります。

 ベンチャー企業の場合、事業成長に合わせて継続的に資金調達する必要があります。そのため、こういった場合に新株予約権の需要が生まれることになります。

ーーもう少し詳しくお聞きしたいです。

 企業のフェーズによっては、株主を増やさない形によって資金調達を望んでいるケースがあります。

 そうなると、ベンチャー企業がもっと出資が必要となっても普通株しか選択肢がないとすると資金調達は難しくなります。

 出資は募りたいけれど、株主は増やしたくない…。ではどうすればよいのか。

 そこで出てくる解決策が、新株予約権なのです。

 さらに、新株予約権は、種類株と比べた場合、煩雑な手続きを避けられるのも特徴です。

 ベンチャー企業の資金調達でよく利用されている種類株の場合、株主間契約の締結が必要となります。株主が多い場合、その手続きが煩雑になりますが新株予約権ではそれがありません。

ーー企業側としては株主を増やさずに出資を募れたり、手続き面に違いがあるということですね。では投資家目線で見た時にはどういったメリットがあるのでしょうか。

 新株予約権では、EXIT時の優先分配やvaluationキャップ(評価上限額)により、普通株式に転換される際に投資家が得られる持ち分の下限が設定されているのがポイントです。

 たとえば、新株予約権は、出資した時点では転換価格が決まっておらず、その後の資金調達によって交付される株式数が減少することを防ぎます。

 もちろん出資した会社の価値が上がり、EXITにより株式が発行された場合は新株予約権もその分だけ価値があがります。

 しかし、将来受け取る株式数の低下にはストップがかかります。

ーー投資家から見た場合、新株予約権であれば相対的に普通株式とは違ったリスクで投資できるということですね。

 そうですね、その上で注意すべき点もあります。

 それは普通株とのEXITの違いです。投資資本の回収のタイミングのひとつとして、投資した企業のIPOがありますよね。

ーーはい。投資先が上場した場合に回収できるケースですよね。

 はい。新株予約権でも、投資した企業が上場することが決定した場合は株式が交付され、上場以降は売却が可能となります。

 この他のEXITのタイミングとしてM&Aもありますが、新株予約権のまま普通株と同じ条件で売却することが可能な同時売却請求権が付与されています。

 ほかにも投資した企業が清算される場合の優先残余財産分配権が付与されているのも特徴です。

 気を付けなければならないのは、IPOまで到達せずに、またM&Aもしないままに一定期間が過ぎたケースです。

ーー企業は存続しているものの、大きな変化がない場合に新株予約権では注意が必要だと。

 そうです。

 新株予約権では権利行使期間が7年とFUNDINNOでは定めています。

 何事もなく7年が経過した場合は株式の交付を受けるかどうかの判断をすることとなります。

 株式の交付の手続きを進めれば株主となることができます。しかし、株主にならないと判断した場合は権利が失効となり投資額が損失となります。

■新株予約権がもたらす未来。もっとフェアな資金調達を目指して

ーーこの他の新株予約権を検討する場合に事前に知っておいた方がよいことはありますか。

 投資家の視点としてはエンジェル税制の対象にならないということも知っておくポイントです。

 ベンチャー企業への投資は、条件をクリアすればエンジェル税制という優遇措置を受けることができます。

 一方、新株予約権の場合はどのような投資内容でもエンジェル税制の対象になることはありません。しかし、新株予約権もエンジェル税制の対象にしたいですよね、この点は、今後エンジェル税制が適用されるように働きかけをしていきたいと考えています。

ーーこれまでに新株予約権の取引はどの程度実施されているのでしょうか。

 2022年12月末まででのFUNDINNOの取引実績で見ますと、普通株の募集実施が306件に対して新株予約権は135件です。まだ認知度が高くないこともあり、新株予約権は普通株の3分の1程度ということになります。

ーー現状においては新株予約権の認知度は低いですが、認知度が高まっていった場合には普通株・新株予約権のどちらが主流となっていくのでしょうか。

 各企業様ごとのニーズによりますのでどちらが主流になるということではありません。

 資金調達のための選択肢が増えたということが正しい認識になると思います。

 ここまででお話したように、ベンチャー企業として見た時には株主を増やさずに資金調達したい場合の選択肢、投資家としてはリスクを抑えて投資をしたい場合の選択肢が増えたということになります。

最後に

ーー新株予約権の誕生により今後期待したいことなどはありますか。

 実は、FUNDINNO型新株予約権は開発までに1年以上を要しました。

 時間がかかった理由のひとつに「フェアに挑戦できる、未来を創る。」というFUNDINNOの理念の追求があります。1年をかけてでも、我々はベンチャー企業の方にも、投資家の方にもこの選択肢を用意したかったのです。

 「調達したくても、できない」「投資したくても、できない」という問題を解消するためです。

 今よりも多様な選択肢を持ち、より多くの資金調達を成功させるために新株予約権はあります。

 そして、その仕組みの土台にあるのは徹底した”フェア”の精神です。

 新株予約権がひとりでも多くの企業様、投資家様の役に立つことを願っています。


今回は、社内インタビュー企画として、発行者審査部の高津に新株予約権に関する解説をしてもらいました!

ぜひ新株予約権について理解を深めることにつながっていましたら幸いです。

なお、FUNDINNO型新株予約権について詳しくは下記でご確認ください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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