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〔米国〕FOMC 事前考察&ドル見通し

FOMCによって、金融政策やドル相場のトレンドが整理されるでしょう。大きな値動きもありえます。



❏ 背景と予想

今回、利下げの可能性はまったくない

6/12FOMCは、政策金利の他にFRB経済予測と金利ドットプロットが発表される、特に注目がたかいFOMCです。経済予測やドットプロットの結果は、将来の金融政策をFRB自身が予測したものとなるため、マーケットの注目度は極めて高く、ドル相場や株式市場に大きな影響をあたえます。

▶今回、最大の論点 

  • 2024年の利下げが3回のまま据え置きの可能性

  • 2024年の利下げが2回のへ引き下げられるの可能性

  • 2024年の利下げが1回のへ引き下げられるの可能性

  • 2024年の利下げが0回のへ引き下げられるの可能性

この中から、FRBがどういった見解を持っているのか?論点になるでしょう。マーケット予測は「年内2回の利下げ」が主流のようです。ゆえに1回や0回になればドル高になりやすいでしょう。

利下げを決める背景は経済予測にあり、さらにパウエルFRB議長発言も含めてFOMCは構成されます。ドルや長期金利、株価が大きく変動する可能性もあります。


❏ フェデラルファンド金利とは?

フェデラルファンド金利(Federal Funds Rate)は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、通称FRB)が設定する短期金利のことです。※つまり政策金利
具体的には、銀行が互いに一晩(オーバーナイト)で貸し借りする際の金利のことを指します。この金利は、米国の金融政策の主要なツールの一つであり、経済の安定と成長を目指して調整されます。


❏ ファンダメンタル分析

粘り強い雇用情勢だった
弱いインフレ率になった

2024年5月以降、アメリカの重要な経済指標は良悪混在となっています。6月上旬も次のようでした。

▶6月上旬の主な米指標の強弱

  1. ISM製造業景況指数(悪い結果)

  2. JOLTS(悪い結果)

  3. ISM非製造業景況指数(強い結果)

  4. ADP雇用者数(悪い結果)

  5. 雇用統計(強い結果)

  6. CPI(弱い結果)

2023年までとは、明らかに様相がかわっています。雇用や消費で悪いデータが普通に見られるようになりました。とくに消費は、景気の出発点となる経済要素ですから、消費が止まると、生産が止まり、雇用が止まり、インフレが止まる
つまり、FOMCが利下げへ近づくという結論が得られるでしょう。米CPI発表後にドル急落した理由でもあります。

▶FRBの胸の内を考察してみよう

FRB要人達が何を考えているか、少し紐解いていきましょう。
ファンダメンタル(=景気)が徐々に減速していることはFRBも把握しています。そしてインフレも減速していると把握していますが、とはいえ未だにインフレ率は高過ぎるとも考えています。

このケースでFRB要人は何を優先するでしょうか?
間違いなく『高すぎるインフレ率を最優先』に考えます。6/12CPIは確かに弱いデータでした。しかし絶対を見るとなお強いデータです。言い回しを変えると「インフレ率はなお高いが、景気やインフレは弱まっている」これをどう解釈するか?

今夜のFOMCでも見どころでしょう。
FOMC後には要人発言が解禁されます。それぞれFRB要人が何を示唆するかも重要ですし、金利ドットプロットからもうかがい知ることがでいるでしょう。


❏ 発表後、ドル相場の見通し

この話には、Fundaliaの推察も入っていますが、おおよそ次のように考えると分かりやすいと思います。

FRBの年内利下げ予測が2回以上になるか、2回未満まで減るか?

完全に確証はありませんし、他の要因も影響を与えるでしょうが、1つの目安として上記条件が挙げられると思います。
2回以上という示唆があったなら、FOMCはハト派と受け止められるでしょう。2回未満(1回以下)であるならタカ派としてドル高になりやすくなるでしょう。

本日、CPI発表後にドル円急落となっていますが、この急落は年内に2回以上の利下げを織り込んだ動きです。その証拠に長期金利も、同じように急落しました。CME金利予測も、年末までに2回以上の利下げが妥当という結論になっています。

もちろん、FRBが別の結論を出す可能性もあることは御承知ください。

あとは、パウエルFRB議長会見が論点になるでしょう。
彼の発言から金融政策の方向性、インフレへの見解が分かれば、それに沿って値動きする事となります。


記事は以上です
ご参考になさってください。
Fundalia financial philosophy(FFP)



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