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【第30講】新判例情報(457頁)
“新判例”というにはかなり時間が経ってしまいましたが、合併等の組織再編の際の株式買取請求手続に関する新たな最高裁の判例が令和5年10月に出ていますので、その情報をお知らせします。
合併等の組織再編に反対の株主が株式買取請求権を行使するためには、基本的には、まず、組織再編議案を審議する「株主総会に先立って」「会社・・・に対して」「合併等に反対する旨」を通知し、そのうえで株主総会で実際に組織
【第19講】新判例情報(284頁)
株券発行会社の株式の譲渡は、株券の引渡しが効力要件とされています(128条 1 項)が、この点に関して、最判令和6年4月19日裁判所Webは、この規定(会社法128条1項)は、株券の発行後にした譲渡に適用される規定であるとしたうえで、
と判示しました。
もっとも、株券の発行前の株式の譲受けが当事者間で有効だといっても、株券発行会社については、株式の譲受人は当該株式に係る株券の交付を受けない限
訂正情報【第20講】311頁
SNSであるX経由で、編集部に誤記の指摘がありました。ご指摘いただいた方に御礼申し上げますとともに、読者の皆様には謹んでお詫び申し上げます。
311頁第2段落
(誤)
「もっとも、株式分割の場合には(追加的な)株式の交付という、会社から株主に対する何らかのアクションを観念できるという点で株式分割とは異なるという法形式的な違い」
(正)
「もっとも、株式無償割当ての場合には(追加的な)株式の
改正情報【第1講・第0講】
令和6年(2024年)10月1日から、商業登記において代表取締役等住所非表示措置の制度が導入され、一定の要件を満たす場合には、株式会社の代表取締役、代表執行役または代表清算人(以下「代表取締役等」という)の住所の一部が登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービス(以下、単に「登記情報」という)に表示されないことになりました。これまでは、登記情報を見ればすべての会社の代表取締役等の住所の番地
もっとみる【第30講】新判例情報(456頁)
(応用的な話題であり、本書で説明していない話が多く含まれますので、初学者は無視していただいて結構です)
本書456頁注9に引用している最決平成27年3月26日民集69巻2号365頁(判例百選88事件。以下「平成27年最決」といいます)は、吸収合併における株式買取請求権(785条1項)が行使された際の「公正な価格」を決定する場合において、インカムアプローチと呼ばれる株価算定手法の一種である収益還元
このnoteについて
このnoteは、日本評論社刊『やさしい会社法講義』の読者のために、同書の記述の訂正やその後の引用書誌・判例のアップデート情報を提供するためのフォローアップサイトとして(当面は)運用していく予定です。
まだnoteの使い方に慣れておらず、突如記事を消してしまったり、中途半端な状況で更新をしてしまったりと、ご迷惑をおかけすることも多々あろうかと思いますが、温かく見守っていただけると幸いです。