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漫画家・三田紀房さんの口からじかに語られた『ドラゴン桜』ヒットの方程式

今から十数年も前の話。当時、講談社(漫画誌『モーニング』)の編集者であった佐渡島庸平さん(現・コルク代表取締役)より、漫画家の三田紀房さんを紹介頂きました。
 


その頃は『ドラゴン桜』全盛の時期でしたが、三田さんはそれ以降も『エンゼルバンク』『インベスターZ』『アルキメデスの大戦』などのヒット作を放ち続けていらっしゃいます。
 
昨日の話でいうならば、まさに「勝てる(=再現性高く、結果を出せるフォーマットづくり」の極意を会得なされた方といえるでしょう。


何度か食事をご一緒したのですが、その際、三田さんがおっしゃられた言葉が印象に残っているので以下にご紹介いたします。私と同じく、あなたにも、きっと大きな示唆がもたらされるに違いありません。


その話とは、(私の意訳?あるいは超訳が入っているかもしれませんが)大意としては

物語(ストーリー)というフォーマットを用いることで、メッセージの伝達が容易になり、広がりが生まれる

というものでした。


もう少し詳しく説明すると

『ドラゴン桜』で紹介されている、さまざまな学習ノウハウは実のところ、(教育系の)書籍等を通して、すでに公知のものではあったけれども、その形のままでは、とっつきにくい。なので主人公はじめ、さまざまな登場人物の織りなす、面白おかしく興味を惹く「物語」の体裁をとり、かつ、誰にとっても手に取りやすく、親しみやすい漫画の形で届けることにしたら、普段、本を読まない層にまで届き、大ヒットした(というか、もちろんそれは狙ってのことだけどねw)

という話でありました。「なるほど」と頷かずにはおれなかったことを覚えています。

考えてみれば、ストーリーに情報を乗せることによって、伝えたいことが自然な形で浸透する、ということはよくあるわけで、最も分かりやすい例としては、イソップ物語をはじめとする「寓話」という形式で物語に触れることで教訓や学びが(話に引き込まれながら、知らぬ間に)インストールされている、といったことが挙げられます。

文化や伝統の伝承も同じように「神話」という名の物語の形式をとって、極めて自然な形で行われてきたわけですし、物語の持つ力は社会にとって、あるいは個々人の人生にとっても大きな影響を及ぼします。


当時から日刊のメルマガ(平成進化論)を配信していた私(鮒谷)は、そんなこともあって自分自身の人生を丸ごと一個の物語と捉え、(毎日の情報発信を)「NHKの朝の連続テレビ小説」的なものとイメージして継続的な発信を行う、と決めました。


創刊当初より、死ぬまで配信し続ける、と決めていたので、配信するメルマガのコンセプトを私(鮒谷)自身の、ときに失敗や挫折も含む、一大長編としての成長譚、と再定義し、その文脈の中で発信をしていこうと意思決定をしたのです。

以来、この定義に基づき、毎日を過ごす中で自ずから生起する、私的な物語を語りつつも、物語展開の中に読者さんへの価値提供に資すると思われる情報(コンテンツ)をひたすら載せていく、そんな体裁を意識することとなりました。

今なお、形式を崩すことなく、その延長線上でメルマガ配信を続けております。


こうした経緯によって

「日々の営みから生まれる物語(感情面からの訴求)」という縦糸に「提供コンテンツを通じての価値提供(理論面からの訴求)」という横糸を絡ませ合うことで【タペストリーを編むがごとくに、読者さんに「感情×理論」双方からのアプローチを行う】

というスタイルが確立されることとなりました。


以来十数年、その経験から、これはもう間違いないと断言しますが

【物語 × 伝えたいコンテンツ】という形式は、非常に強力な発信の構造であり、(誤解を恐れずに言えば)【受け手側の無意識領域】にコンテンツをお渡しすることすら、可能になってしまう

くらいの力があります。


講談社のモットーは「おもしろくて、ためになる」出版だそうですが、「おもしろくて、ためになる」というのは【楽しく物語を読み進めているうちに、いたって自然に、気づいたら、ためになっていた(役に立っていた)】という含意があると、私(鮒谷)などは勝手に解釈しており、「物語という体裁をとって語られるコンテンツ」というのは、その、まさに典型的な一つの例であろうかと思うのです。

そうした意味において私が目指す世界も「おもしろくて、ためになる」メルマガ配信です。


さらにいうと、発信においては、ただ知識や情報を垂れ流せば良いという話ではなくそこに【発信者自身の物語】を絡ませると、人を惹きつける強烈な引力、磁力が生まれてくるものです。

その状態を作り出せてこそ、発信者と受信者の間で、化学反応が生じ、新たな物語&コンテンツが立ち現れることとなるでしょう。


この反応を螺旋階段を上るように無限に連鎖させることによって、発信者と受信者の間に「感情交流と共通認識の共有」がなされ、両者往還の中で永続的な価値の創造がもたらされることとなるはずです。

まさにそれこそが、私が『平成進化論』というメディア(メールマガジン)を立ち上げた狙いであり、目的でありました。※令和に入っても平成進化論w


朝から晩まで【物語を編んでは、他者に提示する】と唱え続け、その前提で行動を重ねることによって、何が起こるのか、今は分からなくとも、事後にきっと、ああ、そういうことだったのか、と理解できるようになるはずです。

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頂戴したサポートは新たな体験のための投資に充てさせて頂き、体験を経験化させた上で(=教訓化→言語化させた上で)、アウトプットするための費用とさせて頂きます。いつもありがとうございます。