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海軍軍属 菅谷 寛一

昭和19年9月24日
マーシャル諸島マロエラップ島にて戦死
東京都港区飯倉出身 45歳

暫く御無沙汰して居るが、皆変わった事もなく達者で居られるが、今後とも丈夫で居てくれる様祈る。
御身一人で大変であるが多嬉子の一身上は何から何まで一切取きってやってくれる様頼む。
多忙の為どぢらへも御無沙汰して居るが田舎の兄の方へも宜しく伝言してくれる様に、何程の事もなかろうが兄と相談の上何事もやれ。

多嬉子、御前様も体を丈夫にする様心がけ、何時も明朗に、母上に従い孝養してくれ。
母は絶対の物と知れ。
少し不満がましき行いすべからず。
堅く禁ず。女らしくあれ。

次に貯金通帳の番号を知らせる。
軍事郵便貯金通帳艦いか二五一二八号で六百三十五円ある。

中野区鷺宮一丁目四十四番地早野幽香子様より慰問袋を頂いた。
礼状は出してあるが、届かないだろうと思う。
その時の人形は何時も胸に付けて居る。
私は非常に嬉しかった。
その事を御身から御礼の手紙を差し上げてくれ。

この際何事も書きたいと思うが、何も書けない。
長い間有難う、これで御免。

さようなら、さようなら

戦時の手紙を追い、歴史に光を当て、新たな発見を。 過去と現在を繋ぎ、皆さんと共に学び成長できたら幸いです。 ご支援は活動費に使わさせて頂きます。