川で溺れかかった敵兵を救う
楠正行は、南北朝時代の武将です。
父・正成とともに、智将として南朝の後醍醐天皇をよく扶けましたが、その正行が、北朝側の足利尊氏と安倍川沿いで戦った時のことです。
足利軍一万は、安倍川沿いに楠軍を求めて連日、行軍を続けていました。
その日は、 朝から霙が降り、そのうえ強い風もあって、足利軍の足並みは乱れがちとなっていました。
楠軍はどこから襲って来るかわからない・・・
先を行く兵士たちはぬかるむ川沿いを用心深く進みますが、後続は多少の気楽さもあって「早く行け、早く行け」とばか