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実感すること

私がやっている武道でのこと。

私は、子供の時から父の影響でこの武道をやっていたので壁倒立とか側転とか前転後転は当たり前でしたが、走るのが苦手で50m走も遅く、ずっと自分は運動神経わるいからな~と思っていましたし、今も運動神経は全然良い方だと思っていないけど50を前にしても側転くらいは日常の動きです。今は知っています、普通ではないという事は。

20代後半から、選手をしながら指導者をはじめ、初めて責任者となった子供が中心の道場をやっている時、親御さんから学校の保険だよりの様なものを興奮して見せられました。何かと思ったら、側転についてで、文章は覚えていないのですが、

側転っていう運動は、見た感じ格好良くて、そこまで難しくないのに、初めてやったらすぐ出来るわけでもなく、でも少し練習すると出来るようになるので、子供にとっては自分で試練を乗り越えた。という実感が湧いて、達成感と自信を持つことが出来る。という様な感じのことが書いてあって、

『うちの息子はまさにコレです!ありがとうございます!』と言われた。

正直に言えば、私にとって側転をやらせるという事は通過点に過ぎない。子供はみんな好きなだし、倒立よりハードルが高くなく、怪我もしにくく、全身にバランスよく筋肉もつくので、全員にやらせていたし、今もやらせている。前転やジャンプと側転を左右やっていれば、割といい感じで筋肉がついて、他のことも出来るようになる体の土台がつくられるので、楽しく体づくりをするのには良い運動だとは思っていた。でも、そのお母さんの興奮を見て、少し考えが変わった。

子供も大人も、上手くなったかどうかっていうのはやってて分かる人は少ないけれど、出来ないところから出来たという0からプラスになったことを実感できると達成感に繋がる。今までも褒めてのばすというのをよく聞くので、出来たことを皆の前でやらせてみて認められた感じを味合わせようというような意識はあったけど自分で感じられる達成感を味合わせるように意識するようになった。

たとえば、体操の選手でも側転は普通左右やらないでやりやすい方向だけをやるのですが、私たちの場合は側転が手段なので、どちらも出来た方が良いという考えから両方やります。それによって偏った筋肉のつき方になりません。更に、やりやすい方とやりにくい方っていうのは必ずあって、小さい子は特に出来ないことを自分で乗り越える精神的パワーが弱くて、「できない~」とか「やりたくない」とか言うのですが、それは負けて悔しい負け惜しみで言ってるだけで、そういっている子ほど実はやりたい場合が多いので、出来る方のことを凄く褒めて、次に、今までと違う練習の仕方で反対をやらせてみる。言っていることは実は一緒だけど道具を使ったり。そうすると、スタートが気分的にはマイナスなのに、割とすぐ出来てしまうので、自分って凄い!という気持ちにもなるし、出来ないことを練習して出来た実感が持てて次のことにもチャレンジする勇気が湧きます。この、勇気を持てたという事実を実感してもらう事の積み重ねは、自分から色々やりたいことを見つけて練習するようになる勇気の切っ掛けだと思うので、出来ないことを褒めたりはせず、努力をしている、努力が実ったということを褒めて、頑張る勇気を持てるようにやろうと思っている。

褒めて伸ばすとか、お互いが勉強。とか、教えていると教えられることが多いとよく聞くには聞くけど、やればやるほどこちらも、そういう言葉を実感するのでした。


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