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コンサル1年目が学ぶこと

各界で活躍するコンサル出身者のインタビューから見えてきた、どの業界でも通用する30個のスキルが記されている。
以下4つの章から構成されており、特に重要だと感じた項目をまとめた。

第1章 コンサル流話す技術

結論から話す
会話やメール、会議の進行など全てにおいて結論から話す。
日本語は結論が後に来る語順になっているため、意識して話すことが必要である。難しければPREPなどの型を使って話す。
もし話がまとまっていないなら頭を整理する時間をもらう。思いついたことから話してその場を取り繕うのは厳禁である。
結論ファーストは会議の場でも同じで、最後に何が決まっていればOKなのかをアジェンダとして進める。

ファクトとロジックで語る
ファクトとは動かし用のない事実のこと。その最たるものが数字である。
コンサルは新卒でも経営者にアドバイスをすることがある。経験のない若者の話をなぜ聞くかというと、数字でものを語るからである。
売上/コスト/利益率などの事実を収集し、感覚的に認識している問題を数字に落とし込んで「証拠」にすることで人を納得させられる。集める数字は簡単に見つからない、独自に見つけたデータが有効になる。

集めた数字はロジカルに話すことが重要で、今後は日本でも異なるバックグラウンドを持つ人と接する機会が増える。1対1の場合は相手の理解に努めても良いが、理解すべき相手が複数人いる場合は難しい。その際に大事なのは文化のように差が生じやすい高度なコミュニケーションをあえてせずに、全員が納得する最低限の基準(数字とロジック)を設けて話すことである。

相手の期待値を超える
仕事で最も重要なものは「相手の期待値を超え続けること」である。相手とは顧客や消費者は勿論、上司も含まれる。
相手の求めていることを理解して100%のクオリティにするのが最低限で、それができずにおまけで補っても全体の評価は良くならない。求められていないことをやっても時間の無駄になる。また、期待値を満たせないと分かった時は期待値を下げてもらうマネジメントも必要になる。相手の要求と自分の能力にギャップがある状態で安請け合いするのはよく無い。
期待値を理解するために確認すべきポイントは次の4点
・その仕事の背景や目的
・具体的な成果やイメージ・具体的な成果やイメージ
・クオリティ
・優先順位・緊急度
指示が曖昧であれば自分なりの仮説を立てて曖昧性を補うためのコミュニケーションを取ったり、どの程度のものをいつまでに欲しいかを明確にすることが必要である。

第2章 コンサル流思考術

考え方を考える
いきなり作業に入るのではなく、答えまでの手順を考えるということ。また、新人のうちはこの時点で上司の合意を取るのが良い。これによって、作業の全体像が見えて完了までの道筋が見えて安心感が生まれる。また、作業の手戻りや作業指示の後出しもされにくくなる。
大事なのは頭の中でなんとなくイメージするのではなく、紙に書き出したり、他人に説明できるレベルにすること。順番としては大きな設計図を示して合意を得る、その後に細部の作業を進めていく。

ロジックツリーと仮説思考
ロジックツリーには以下3点のメリットがある
・全体の俯瞰ができる
・捨てる能力が身に付く
・意思決定のスピードが上がる
問題を構造化して捉えることができれば、思いつきでバラバラと話すことがなくなり、それぞれの要素が全体でどういう位置付けなのかが視覚化される。これにより不要な部分を捨てて重要な部分にフォーカスできるようになる(フォーカス&ディープ)。
多くの人が捨てることができないのは、捨てる勇気がないからではなく、何を捨てていいか分かっていないからである。
ロジックツリーによって幹と枝葉を区別できるようになる。これは大きくて複雑な問題こそ力を発揮する。それぞれを小さな要素に分解・分析することで重要な要素に時間をかけられる。良いロジックツリーを作るには慣れと熟練者からのフィードバックが重要なため日頃から訓練する必要がある。

そして、重要度の高い問題が分かって実際に着手するときに必要になるのが自分なりの仮説を持つことである。漠然と進めていても大量の情報があって時間だけかかってしまう。
自分の予想できる範囲でよいのであらかじめ得られる結果を考え、その実際の作業としてリサーチをすることで検証を行うのである。これによってポイントをおさえて効率的に進めることができる。
仮説→検証→フィードバックのサイクルを高速で行うことで問題の本質に素早くアプローチできる。

第3章 コンサル流デスクワーク技術

資料作成の基本、議事録編
議事録とは以下の目的で作成される
・決定 / 確認事項を書き、関係者に確認するため。
・決定事項を後日の証拠に残すため。
書くものはその会議で決まった/決まらなかったことや次回までにやることが記されるべきである。誰が何を言ったかや途中経過は必要ない。
もし、残しておくべき付属意見というものもあり、キーパーソンの発言や、簡単な経緯をまとめるのはOK。

パワポ編
「シンプルイズベスト、ワンスライドワンメッセージ」
一枚のスライドで自分の主張や解釈を一つのみ伝える。一つを伝えるのに何枚にも跨ったスライドは作らない。
また、実際の作成では最終成果物をイメージして、その骨組み(タイトルを全て書いた中身のない資料)を作る→詳細を埋めるという順番で作る。

第4章 プロフェッショナル・ビジネスマインド

バリューを出す
バリューとは付加価値、つまり相手への貢献である。注意したいのはバリューを評価するのは相手ということ。もしクライアントが「価値がある」と思わなければどれだけ努力しても単なる自己満足になってしまう。

喋らないなら会議に出るな、時間とお金のトレード
「会議で発言しない人の価値はゼロ」がコンサル会社の価値観である。
会議に出て発言しないのは、テレビで何も話さないゲストと同じ。
会議とは物事を前に進めるために行われるチームワークであり、そこに価値を提供しない人は「チームに貢献する意思が無い&無能」と捉えられる。

また、どんな会議でも人件費は平等に発生する。これは社外の人との会議は勿論、社内でも同じである。お金を払う側は常にそのお金が何に使われているかを見ているため、どんな時も自分の時間単価に合った価値を提供しているか?を考える必要がある。

コミットメント力を学ぶ
コミットメントとは、「約束したことを必ずやり遂げること」である。
コミットする対象は常にクライアント、彼らの求めるものを手段を選ばずに実現する。時間が足りなければ徹夜をしたり、自分のスキルが足りなければ他人の手を借りても良い。
とにかく貢献する相手にコミットすること、それを繰り返すことで信頼を得られる。ここで間違ってはいけないは、頑張る姿勢を見せることにコミットすること。
コミットメント力を高めるためには次の2個がある
・仕事内容に納得していること。
・コミットメント力が高い組織にいること。
自分が望んで納得してやりたいと思った仕事を選んでいる、その結果仕事が楽しくて主体的にコミットできる。やらされ仕事では難しい。
また、コミットメントは伝染する。周りの人のコミットメントが高ければ、その組織のコミットメントは醸成されて高まる。
多くの会社ではコミットメントの高い人と低い人が混在している。この時、低い人の影響を長時間受けると、その思考が染み付いて修正が難しくなる。そのため、なるべく接触を避ける必要がある。

フォロワーシップを発揮する
部下が発揮できるリーダーシップのこと。言い換えれば上司のリーダーシップを部下の立場からサポートすること。
例えば上司がある提案をしたとする、その提案を理解して必要なことを考え、自主的に動いて周りにも賛同を促す。
リーダーをフォローする姿勢を見せることで周囲に影響を与えることがフォロワーシップである。

プロフェッショナルのチームワーク
ここでいうチームワークとは、チームのためにメンバーのサポートをすることではない。それぞれにしかできない役割をそれぞれが担い、チームの勝利に向かうこと。
上司には上司の、新人には新人の役割がある。各自の担当分野でなんらかの価値を発揮することがチームワークである。
同じ役割を果たす人は2人も必要ない。仮に他人の得意分野を羨んで、自分の弱点を埋めるために同じことをできるように努力するのは、本人にとってもチームにも不幸になる。
まずは今の自分にできることを起点に考えてチームに貢献できる分野を探してみる。

最後に

本書で紹介されているのは、コンサル会社でなくても役立つ普遍的なスキルである。また、これらは仕事以外の場面でも活きてくる。それぞれのスキルは日々磨いていく必要があり、そのために常に意識して自分の頭で考えることが重要であると感じた。

本書で紹介されている書籍
・問題解決プロフェッショナル
・得点力を鍛える
・まだ「会社」にいるの?
・99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ
・仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則

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