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077 秋色あつめ

仕事の休憩時間。
あまりお腹がすいていなかったので、クッキーをひとつつまんで会社から出ました。
私はわりと休憩時間に歩くのが好きです。
家が会社の近くではないこともあって、ちょっとした探検なのです。
見たことのないお店があったり、会社の近くに小さな公園を発見したり。
お昼下がりの空を見たり、本屋に寄ったり。

その日はいろいろなお店が入っている駅ビルに行きました。
お洋服屋さんのショウウィンドウには、こっくりとした秋らしい色合いのファッションが並べてあります。雑貨屋さんにはあたたかそうなストールやルームシューズがドライフラワーと一緒に置いてあります。喫茶店にはかぼちゃスイーツ、お茶屋さんには栗やかぼちゃの香りがするお茶たちが仲良く座っていました。

見るだけで楽しく、うきうきします。
そこで気がついたのが、秋はやっぱり暖色系の、すこし渋い色が多いということ。暖かく、こっくりとした落ち着いた色が枯葉や木枯らしにぴったりです。

そこで、今回はそんな秋に似合うような伝統色を集めてイラストと言葉にしてみました。
伝統色は、色の名前が素敵。同じ黄色ででもわずかな濃淡やニュアンスで違う名前になります。

色から自然を感じること。名前から色を感じること。
色を生み出していた人々の感性にきっとときめくことと思います。

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いかがでしたか。
次に散歩をするときは、見た景色の色に名前をつけるのも楽しいかもしれません。

今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


参考文献
『日本の色辞典』吉岡幸雄・著
『伝統色で楽しむ日本のくらし』石田結実・監修


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おまけー楽しく絵を描くということ

今回はイラストメインの記事にしました。
実はnoteをスタートして、初めて絵を描きたくない日がありました。
これは本当に驚くべきことです。私はこれまでの人生で絵を描きたくないと思ったことがないからです。note用のイラストも毎日楽しく描いていましたし、街を歩いていて、素敵なものや景色、配色などがあれば次のイラストの参考にしようと目を凝らして頭に記録しました。

それなのに、一体どうしたことでしょう。
ペンを持ってもわくわくしないのです。
もちろん、ふるいたたせれば描けましたし、描き始めたらなんだかんだで楽しくはなることはわかっていました。

でも、その日はあえて絵を描きませんでした。
私が描きたいと思って描き始めたものではないイラストを投稿しても仕方がないと思ったからです。

手を休めている間に色の本(上記の参考文献です)を眺めていると、とても元気が出てきました。色の名前は、身近でかわいらしく、どこまでも美しいものでした。
色に名前をつけた人々のみずみずしい感性は今もいきています。
その人たちは、楽しんで色に合う言葉を選んだでしょう。
だから、私はその中から季節に合う色を楽しく選ぼう、と思いました。

色と色のイメージを楽しんでイラストの構図を決めました。
気がついたら描きたいものができていました。

投稿頻度をいったん落として、下絵から慎重に、ミリ単位で調整しました。
noteでは初めての動物も登場してもらうことにして、ペンでさらさらと描いていきました。丁寧に、でも線はのびやかに。

とても楽しく描けた、久しぶりのイラストです。
その私の楽しい気持ちが少しでも伝われば、この上ない喜びです。


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