027 ティーカップ・ストーリー
もくもくと広がる雲の下で、火曜日が始まりました。
今日は予定のないお休みです。うれしくて早起きをしました。
こういう日はいつものマグカップではなくて、ティーカップに紅茶をいれましょ。
「007 お茶の時間」という記事でも書きましたが、私は紅茶をはじめとするあたたかい飲みものが好きです。そのため、ティーカップもいくつか持っていて、そのどれにも思い入れがあります。今回はそのうちの二客をご紹介します。
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⑴ Afternoon Tea のティーカップ
こちらは、私が学生のころにアルバイトをして初めてもらったお給料で購入しました。
Afternoon Tea は、そのお店ができた時からよく足を運んでいた、お気に入りのお店です。
文具やハンカチを購入したり、プレゼントでポーチをもらうことはありましたが、食器はいつもながめるだけでした。並んでいる食器たちは、フェミニンなデザインがかわいくて、アルバイトをしたら絶対にここでティーカップを買おう!と決めていました。
実際に購入するときは、念のため、あちこちのお店に見に行きました。
勇敢に一人でデパートに行ってみたりもしました。
とても華やかで優雅なデザインのものが多く、素敵なものもたくさんありました。
しかし、やはり価格的な問題で購入にはいたりませんでした。
無理のない価格で、今の自分に合うものはなんだろう?と考えた時に、やっぱりAfternoon Tea かなと思い、どきどきしながら購入しました。
やさしいタッチで描かれた赤いお花がかわいらしくて、紅茶がとても映えるデザインです。
ゴールドのラインは少しはがれてしまっているけれど、今でも大切に使っています。
あのころのきらきらした気持ちを思い出しながら、これからも使っていきたいティーカップです。
初めてのお給料。
あなたは何に使いましたか。
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⑵ ノリタケのティーカップ
こちらはよく晴れた初夏の日にもらったのを覚えています。
「これはあなたが使いなさい」
おばあちゃんのいないおばあちゃんの家で、母から手渡されました。
おばあちゃんが亡くなってから何週間か経った、さわやかな午前中。
窓からきれいな青空が見えていました。
こちらは、厳密にはコーヒーカップなので、私は使うのをためらいました。
コーヒーが飲めるようになるまでは、しまっておこうかしら、とも考えました。
でも、おばあちゃんはしまいこんでおくより使ってほしいと思っているような気がします。
レースのように繊細なお花もよう。
アンティークな雰囲気で、やさしい色合い。
きっと、コーヒー以外の飲みものも受け入れてくれるでしょう。
使うたびにおばあちゃんのことを思い出します。
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二客とも、それぞれに思い出があります。
いつか子どもができて、その子が大人になったら、きっと譲り渡す時がくると思います。
そのときまで大切に、大切に使いましょう。
そして、渡すときには、このティーカップ・ストーリーを添えましょう。
今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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