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ホウレンソウ(報連相)の組立

ホウレンソウシリーズ第4弾。
前回は「ホウレンソウの中身」についてまとめてみた。
「ホウレンソウの中身」は「事実」「解釈」「対応」の3つの情報に分けられるということを書いた。

じゃあ、その3つの情報を、どう扱ったら良いホウレンソウになるのかということで、今回はその「ホウレンソウの組立」についてまとめてみる。
ここからようやく実際にどうやってホウレンソウをしたらいいかということに触れられるはず。​

事実→解釈→対応で認識合わせ

それを明らかにするために(って言うと大げさだけど)、まずは前回の内容を簡単におさらいしてみたい。
まず、ホウレンソウは「事実」「解釈」「対応」でできていて、チームワークを働かせるためには、すべてについてしっかり共有されている必要があるということだった。
その理由として、それぞれのメンバーが実際にどう動くかという「対応」の認識が揃っていないとチーム全体の動きもばらばらになってチームワークが働かず、また、今の状況をどのように捉えて考えるのかという「解釈」の認識が揃っていないと「対応」が決まらず、さらに、そもそも今がどんな状態なのかという「事実」の認識が揃っていないと「解釈」も合っていかないからということだった。
すごく回りくどくなってしまったけど、逆に整理すると、最終的にチームワークが働く対応ができるように、「事実→解釈→対応」といった順番でしっかり認識が揃っていく必要があるということになる。

「ソラ・アメ・カサ」のフレームワーク

つまり、ホウレンソウは「事実→解釈→対応」で組み立てるようにして伝えるといいということが言えると思う。
そして、この「事実→解釈→対応」の組み立てをするために、すごく分かりやすくて使いやすいフレームワークがすでにある。
それは、「ソラ・アメ・カサ」というもので、「ソラ」が事実、「アメ」が解釈、「カサ」が対応にあたる
ソラ(空)の状況を見て濃い雲が色がっているなあという事実を確認して、アメ(雨)がしばらくして降ってきそうだなあという解釈が生まれて、カサ(傘)を持って行くようにしようという対応が決められるというもの。
なので、情報共有が必要でホウレンソウをするという場合には、このソラ・アメ・カサに沿って情報を分けて、順に伝えていくと認識が揃えやすい
もしうまく認識が揃わなかったとしても、どこの部分で認識が合っていないのかについて話し合えるので、最終的にまとまりやすくもなる。
逆に、ホウレンソウの中身がすべて揃っていないのはもちろん、その順番がちぐはぐだったり、うまく整理できていなかったりすることによって、認識が合わずにチームワークが働かなくなってしまう。

ホウレンソウのエラーあるある

そして、職場はもちろん家庭なんかでこの「ソラ・アメ・カサ」を意識してみると、これができていないことでエラーが起こることがけっこうたくさんあることが分かると思う。
たとえば、子どもが親に「牛乳がないから買ってきて」と言われて、子どもは1ℓ牛乳を買って帰って来たんだけど、親から「なんでこんなに買って来るの!ちょっとでいいのに!ふつう分かるでしょ!」となぜか怒られる、みたいなことが起こったりする。
実は、親はシチューを作ろうとしてたんだけど牛乳が冷蔵庫になかった(ソラ)ので、牛乳は腐りやすいし無駄にならないよう最低限で買えたらいいな(アメ)と思っていた、という背景があって、親がそれを伝えられてなかった(子どもも訊いてなかった)からこうなってしまった、という構造になってる。

つまり、カサだけをさっと伝えて、ソラ・アメをすっ飛ばしてしまったことによって起こったエラーで、大なり小なりホウレンソウのすれ違いは案外このパターンがダントツに多いんじゃないかと思う。
もちろん、ソラ・アメなんて伝えなくても、カサだけを「牛乳を200㎖買ってきて」と細かく伝えていれば起こらなかったことだとも言えるかもしれないけど、それだけだとたとえ分量は合ってても料理に適してない牛乳を買って来てしまうといった別のエラーの可能性だってあるので、やっぱり「シチュー作りたいんだけど牛乳が冷蔵庫になくて(ソラ)、たくさんあっても腐らせちゃうから(アメ)、200㎖買ってきて(カサ)」と言えるといい。
また、ちょっと余談だけど、親が最後に「ふつう分かるでしょ!」と言っちゃってるように、自分だけが知ってる背景(ソラ・アメ)を、相手も分かってる(もしくは察している)かのように錯覚しちゃいがちで、外から見たら嘘みたいだけど、しっかり意識していないと本当にかなり起こりやすいのも気を付けておかないといけない。

他にも、「そうそう、シチュー作ろうと思ったら冷蔵庫に牛乳がなくて、ちゃんと買ってたと思ってたんだけど、昨日誰か飲んだのかな?牛乳って腐りやすいから、いつもたくさんは買わないようにしてるんだけど、こういう時に困るのね。今日は別のメニューにしようかなとも思ったんだけど、食材もう切っちゃったからやっぱり牛乳だけ買って来てくれない?」みたいな「ソラ・アメ・カサ(事実→解釈→対応)」の順序がごちゃごちゃしてたり、不要な情報が混じってることによって何をどうしたらいいのかが分からない、というのもホウレンソウの組み立てミスとしてよく起こりやすい。
しっかり、エラーなく適切な対応をしてもらって、チームワークを機能させる(この場合は、調理と買い物の分業)ためにも、「ソラ・アメ・カサ」のフレームワークを使って「事実→解釈→対応」の認識を合わせることが大切になる。

まとめ(ホウレンソウの組立)

というわけで、今回は「ホウレンソウの組立」についてまとめてみた。
「ホウレンソウの組立」は「事実→解釈→対応」という順に整理して伝えること、そして、「ソラ・アメ・カサ」というフレームワークを使うと認識を合わせやすいということだった。
実際にこれを使ってみると、状況や場面によっていつどれをどのぐらい伝えるか使い分ける必要が出てくるので、次回は「ホウレンソウの種類(仮)」についてまとめてみる。

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