介護であなたが本当にやるべきこととは?
介護であなたが本当にやるべきことは、親のために食事やお風呂の世話をすることではありません。
実際に手を動かして介護をするのではなく、あなたがやるべきことは他にあります。
あなたがやるべきことは、無理のない介護の体制を構築することです。
1. 「介護」であなたがやるべきこと
「親の介護をする」と聞くと、どのようなことが思い浮かびますか?
これまで育ててもらった親への恩返しとして、できるだけ親の近くにいて介護をしよう。
実家に同居して掃除・洗濯・料理をしたり、お風呂やトイレのお世話をしよう。
長男である自分が手を動かして介護をやろう。他人の世話になんてなれない。
こういうイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
NPO法人「となりのかいご」の調査によると、
「介護を自分の手で行うことは親孝行になる」
「親・義理・配偶者が認知症になったら自分や家族がそばにいるべきだ」と答えた方は、いずれも60%以上という結果でした。
でも考えてみてください。
あなたには仕事がありますよね。
親の世話をしている間、仕事はどうするのでしょうか。
たしかに、介護休業という制度はあります。
でも、介護休業が取得できるのは、対象家族1人につき通算93日までです。
93日で介護が終わるのでしょうか。
終わりませんよね。
自分だけで介護をやるのは不可能なのです。
経済的にも、時間的にも、精神的にも、自分だけで介護をするのは無理なのです。
ではどうするか?
簡単です。
介護のプロの力を借りましょう。
あなたがやるべきなのは、自分の手を動かして、ご両親のお世話をすることではありません。
あなたがやるべきなのは、介護のプロの力を借りて、無理のない介護の体制を構築することなのです。
そして、介護休業とは、本来介護体制の構築をするために使うべきものなのです。
介護は長期戦です。
何年続くのか、いつ終わるのか、だれにもわかりません。
だから無理のない介護の体制と計画が重要なのです。
ご両親も、あなたの家族も、あなた自身も、「介護」と上手に付き合いながら幸せな人生を送るために何をすればいいかを考え、それを具体的にしていくこと。
それがあなたが本当にやるべきことです。
あなた一人で悩む必要なんて、これっぽっちもないのです。
介護のプロの手を借りましょう。
「こんなことで相談していいのかな」
「身内のことは身内でなんとかしなきゃ」
なんて思い悩む必要はありません。
介護のプロに早め早めに相談することが、何よりも大切なのです。
2. 自分だけで介護をしてはいけない理由
自分だけで介護をしてはいけない理由をいくつか述べます。
(1) 仕事を辞めざるを得なくなり、経済的安定を失う
はじめのうちは介護と仕事をなんとか両立できていたとしても、ご両親の状態は日々変わっていきます。
かかる手間も増えて、いずれは仕事をしながら介護を続けることは難しくなります。
施設に入所したいと思っても、いい施設を見つけるのにはかなりの時間がかかるため、仕事を辞めざるを得なくなってしまいます。
仕事を辞めれば収入がなくなり、経済的安定を失うことになります。
落ち着いたら再就職すればいいと考えるかもしれませんが、40代・50代になってから再就職するのはめちゃくちゃ難しいです。
仮に就職先が見つかったとしても、収入は激減するパターンが大半です。
(2) 要介護の両親を常に見ていることによる精神的ストレスが大きい
自分の親が年老いて弱っていく姿を毎日毎日目にするのは、想像以上にきついものです。
たとえば、認知症の親が手づかみでご飯を食べる姿を見ながら、あなたはずっと寄り添い続けられますか?
介護サービスを利用しないと家族以外の人間関係がなくなり、介護が必要な家族と向き合う時間が増えます。
どうしてもストレスがたまります。
こんなことは本当にあってほしくはないですが、介護によるストレスが蓄積して虐待につながってしまうこともあります。
おわりに
今日のまとめです。
自分だけ・身内だけで介護をしてはいけない。介護のプロの力を借りることが大事
あなたがやるべきことは、介護の体制を構築すること
自分だけで介護をすることは悲惨な結果を招く
自分の大切な親なので、自分の手で介護したいと思う気持ちは分かります。
でも、それではだめなのです。
ご両親も、あなたの家族も、あなた自身も、不幸になってしまいます。
介護のプロの力をうまく借りて、あなたとあなたの周りのみんなが幸せになれるような介護を実現できることをお祈りしています。
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