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ベルリン・クリスマスの銃撃事件

親しい友人に聞いた話。
2021年のクリスマスのことである。

友人とそのパートナーが住むのはベルリン、クロイツベルク地区。
アーティストが多く住み、トルコ系のお店が連なる活気のある地区だ。

クリスマス第二祝日(ドイツでは、イブ、第一祝日、第二祝日が祝われる。)の早朝4:00頃、爆竹のような音が聞こえた。
ドイツの新年は盛大な花火が上がる。
気の早い人間は花火の売られる頃から、そこここで爆竹を破裂させて道ゆく人を驚かせる。(これは禁止されている。教会や病院、老人施設のそばでは花火類はNG、時間も大晦日の24:00からと決められている。)

それで、友人たちも、
「気が早いなー。クリスマスなのに、もうやってる。」
と思って寝てしまったそうだ。

翌朝、アパートの窓から中庭をのぞくと、雪の上に点々と血の跡が!

と、ここまでが友人の話。

友人宅の通りを挟んだお向かいは、SPD(ドイツ社会民主党)の本部である。
政治的犯行か?

友人たちは気づいても居なかったらしいが、隣の建物の中庭にはカジノがあったのだ。犯行は全て中庭の赤外線カメラに収められていた。

そこに映った10人ほどの男たちの中には、警察にも知られているアラブ系犯罪組織の大物も居た。
手にはリヴォルバーや山刀が認められる。

カジノから最後に出て来たのは、1人のイタリア人。中庭から出ていこうとする態でタバコを吸いながら歩いて来たかと思うと、突然ズボンのウェストバンドから銃を抜くと発砲した。
そして撃ち合いになったというわけだ。

犯行の動機は、賭け事と麻薬のトラブル。

ドイツには、様々な国の犯罪組織が跋扈している。
イタリア系、ロシア系、アラブ系…

最近も『ドイツは資金洗浄王国』という新聞記事を見た。
イタリア系のアイスクリーム屋やレストランは、現金払いのところも多く、資金洗浄に適している、という内容だった。

友人は、
「お隣であんな事件が起こるなんて怖い!」
と言っていた。
それが直接の原因ではないが、その後、友人とパートナーは、広くて美しい素晴らしいアパートメントを引き払って引っ越してしまった。

#創作大賞2024 #エッセイ部

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