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近況【2020.10】

こんにちは。noteではお久しぶりです。
この前noteの記事を書いたのが九月の上旬で、一カ月以上間が空いてしまいました。
その間に、新刊『自転しながら公転する』(新潮社)が無事発売になりました。
素早く買って下さった方も沢山いらして、とても嬉しいです。ありがとうございました!


というわけで、この一カ月、私は新刊の宣伝活動に明け暮れておりました。
新刊のパブリシティというと、通常の状態でしたら版元の会議室に通い、各媒体から取材して頂いたり大量のサイン本を作ったりするところなのですが、時はコロナ禍、そのほとんどの作業を自宅に居ながらしてこなしておりました。


取材のほとんどがリモート。ラジオ出演さえもリモート(羽田圭介さんパーソナリティのラジオ生番組だけ赤坂のTBSへ行きました)。
この『自転しながら公転する』は7年ぶりの新刊、しかも自分史上一番ボリュームのある長編ということで私としては非常に力を入れていて、本来なら書店さんまわりやサイン会やイベントなどを行いたいと思っていたのですが、それはやはりこの時世では無理目……。

それならばと書店さん向けの色紙やお手紙などを沢山書かせて頂き、サイン本が足りないと言われれば「へい!喜んで!」と威勢のいい居酒屋店員のように瞬時に書いて送りました。
そして編集の方との膨大なメールのやりとり、SNSに張り付いて新刊についての情報をわーわー言っては、ご感想をいいねしたりリツリートしたり(SNSやりすぎじゃないのと身内に注意されてしゅんとしてみたり)の日々。

そんなこんなんで、あっという間に一カ月がたってしまいました。

今回、個人のアカウントとは別に公式SNSを自分で作って動かすということをやってみて、思ったこと、学んだことがいっぱいありました。その話はまた後日にでも。


それにしても、自著が出るって本当に嬉しいことです。

もう本当に突き上げるような喜びです。たまにしか出ないので、これほどの喜び、充実感、達成感は、自分の人生において他のことでは味わえないとしみじみ思いました。

私は小説を書く仕事をしていて心から嬉しく楽しい、と思うのはふたつの瞬間のみで、ひとつはプロットを思いついたとき、もうひとつはそれが本になって世の中に出たときです。

それ以外の時間はだいたいつらいというか、(作家がこんなこと言ってはいけないのは百も承知ですが)正直億劫です。

小説を書くのが楽しいという作家さんもいて、心から尊敬してしまいます。私は小説を書くこと自体はそんなに心踊ることではないです。好きじゃないとまでは思いませんが、集中力も要るし手間がかかって気が滅入る。でも出来上がったときの達成感が半端なく、とても喜んでもらえることもあるのでそれを励みに続けております。


というように、大変充実した一カ月でしたが、慌ただしさも日に日に薄れ、新刊出たよ祭りも終盤に入ってきたような今日この頃です。
もちろん本が動くのはこれからですし、まだ取材も展開もあると思われます。
が、私自身が能動的にできることはもうだいたいやったような気がします。

このあとはちょっと旅行へ行ったりして気持ちを切り替え、次の本作りのことなどぼんやり考えていきたいと思います。




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