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コンフォートゾーンに居続けるには人生は短すぎる!

コンフォートゾーンというのは本当に居心地が良くてcomfortableなところだ。私がコンフォートゾーンを初めて抜け出したのは、大学二年生の時、台湾に中国語留学した時だと思う。

初めての海外生活で刺激的なことが数え切れないほどあったが、一番のハイライトは後に親友となる1歳年下のジャックというアメリカ人に出会ったことだと思う。

新しい学期が始まる初日、ジャックは授業に遅れてやってきた。クラスのレベルが合わなかったから変えてもらったとかなんとか、遅れた理由を言っていて、よくしゃべるアメリカ人だな〜と思いながら見ていた。

その日の授業の後、夕方からクラスのみんなと飲みに行った。(ヘッダーの写真は2011年のその日の写真。ジャックと出会った初日。)なぜかそこで私とジャックは仲良くなり、その後もう一人のクラスメイトと3人でカフェに行った。そこでジャックは自分はゲイだと、伝えてきた。その時の私はまだ18歳で、それまでずっと日本で暮らしてきたし、まだまだダイバーシティな問題に関しては無知だった。それでも別に嫌悪感があったとかでは全くなく、むしろ好奇心の方が強かった。今思い出すと無神経な質問をズバズバとジャックに浴びせていたと思うが、彼は快くその全てに答えてくれた。

今でこそ、友達がLGBTQのどれに当てはまろうがストレートだろうがどうでもいいと思う私だが、当時は普通にゲイだよと言うジャックに興味が沸いた。それに、ジャックは政治や世の中のことに関してしっかり意見を持っていて、堂々とそれを主張する。日本だとなかなかそういう人に出会わなかったので、そんなところにも惹かれた。

家がものすごく近かったこともあり、私たちは一気に仲良くなった。毎朝私が彼のアパートに迎えに行き、一緒に学校に行き授業を受け、授業が終わればいつものカフェに行き宿題を一緒にやった。学校の近くの夜市から奥に入った隠れ家的なカフェで、びっしり本の詰まった本棚がいっぱい並んだ狭い図書館みたいなカフェだった。そのカフェにいない時はだいたいマサラハウスというインドカレー屋で夕飯を一緒に食べてた。ここのカレーが本当においしくて、ジャックは何かといえばマサラハウスに行こう、と大好きだった。今はヴィーガンだが、当時はベジタリアンだった彼が行けるレストランは限られていた、というのもある。アメリカにもあるチェーンのヴィーガンレストランにひたすら歩いて一緒に行ったこともある。

ベジタリアンやヴィーガンなどはここ数年、日本でも話題になっているが、当時何も知らない私にベジタリアンである理由を力説してきて、年齢は関係ないが、自分よりも年下でそんな風に環境問題や政治に関してバンバン自分の意見や主張をする、バンバンと主張をするのは政治などに対する意見だけではなかった。私より中国語がかなりうまいジャックだが、学校のテストでは漢字のわかる日本人の私の方が点数が良くて、いつもクラスでは私が一位でジャックは二位だったのだが、それに対してものすごくストレートに悔しがって本気で対抗してきた。そういった感情を隠すこともしないし、逆に私に対しての深い友情も隠さず伝えてくる、そんなところも私にとっては新鮮だった。

そしてジャックは日本の政治や日本人の思考について色々と聞いてきた。その質問の全てが今まで考えたこともないような内容で、私は当時うまく答えられないことが多かった。彼にとってみればきっと不思議なことだっただろう。なんだか自分がただ漠然と生きていたことに気付かされた。

そんな風に、何も知らなかった18歳の私が、ジャックから受けた影響は本当に大きかった。私は台湾での生活で大きく性格が変わったと思う。自分は自分だし、女だからこうでないといけない、若いからこうでないといけない、とかそういった概念にとらわれることもなくなったし、相手が誰であろうと自分の意見はちゃんと主張するようになった。もっと日本の外に目を向けるようになったし、日本だけが世界じゃないということもわかった。

逆にこれが日本社会で生きにくいと感じる原因なのかもしれないが、それはそれでいい。日本に閉じこもってたら出会えなかった人たちに出会えたり、知らなかった世界を知ることができた初めての海外生活での出来事やジャックとの出会いは私の人生を大きく変えてくれた。
たしかに日本はルールに沿って暮らしていれば安全だし勝手がわかってて暮らしやすい。でも、もっともっと知らない世界を見て、もっともっといろんな人に出会いたいと思う。世界は広い。安全で居心地のいい場所にいるのもいいけど、そこから出れば想像もしていなかった素晴らしい出会いや出来事が待っているのだから!
Life is too short to stay in the comfort zone!

P.S. ジャックとは台湾を離れてからも、彼が日本に来てくれたり、私が彼のサンフランシスコの家を訪れたり、しょっちゅうFacetimeでやりとりをしてるのだが、台湾で出会ってから6年後のある日、こんなメッセージをくれた。かわいすぎて溶けた。人に自分の気持ちや考えてることを伝えることは大事だということも彼に教わった。

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