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「暦・カレンダー生活に関するエトセトラ」(第4回)「9月上旬~10月上旬についての小話」)


「重陽の節句」(ちょうようのせっく)

重陽の節句(ちょうようのせっく)は、日本の伝統的な節句(季節の行事)の一つで、毎年9月9日に祝われる行事です。この日は、旧暦9月9日に相当し、夏から秋への季節の変わり目にあたります。以下に、重陽の節句についての詳細を説明します。

  1. 起源: 重陽の節句は、中国から日本に伝わった中国の伝統であり、元々は「重陽の日」と呼ばれ、邪気払いや病気を避けるために山や高い場所に登る習慣があったと言われています。また、この日に特別な装飾をすることも行われました。

  2. 菊の節句: 重陽の節句は、菊の花(きくのはな)が象徴的な花とされ、多くの人が菊を楽しむ行事でもあります。菊は長寿や健康、吉祥の象徴とされ、重陽の節句の際には菊の花を飾り、茶会や菊花展などが催されます。また、特に「菊の節句」とも呼ばれることがあります。

  3. 登山: 重陽の節句には、山や高い場所に登ることが伝統的な習慣とされています。これは、邪気払いや災厄を避け、健康と長寿を願うための行動とされています。特に寺院や神社がある山への登山が盛んで、多くの人々が山に登って自然と調和し、秋の景色を楽しむことが一般的です。

  4. 重陽の食事: 重陽の節句には、特別な料理や飲み物も楽しまれます。菊花を使った料理や、ちりめん山芋、栗、柿などの秋の食材が用いられ、季節の味覚を楽しむことが一般的です。また、酒や茶を飲みながら、家族や友人との団欒を楽しむこともあります。

重陽の節句は、秋の訪れを祝い、健康や長寿を願う日本の伝統的な行事であり、日本全国で多くの人々が楽しんでいます。また、この日には季節の変わり目に注意を払う意識があり、自然と調和する大切さが表れています。


「中秋の名月」(ちゅうしゅうのめいげつ)

 太陽暦では2022年の「中秋の名月」は9月10日にあたりました。旧暦と太陽暦では1年の長さが違いますから、太陽暦に換算した日付は毎年その分だけ変動します。中秋の名月を観賞する風習は9世紀ごろ中国より伝来しました。

 月見の宴では、たくさんの歌が詠まれ、名月をより楽しむため設計に工夫を凝らした庭園や池も多く残されています。後に、収穫祭的な意味合いも加わり、団子や芋などをいただきながら月を観賞する行事として普及しました。「中秋の名月」は、中国や韓国でも一大イベントとなっています。


「お彼岸」(おひがん)

 2022年(令和4年)の「秋のお彼岸」は9月20日(火)~9月26日(月で、「秋分の日」は9月23日(金)になりました。

 太陽が赤道線上に入る「春分の日」および「秋分の日」を中心とした前後3日間、すなわち計7日間にわたる「お彼岸」は、彼岸(あの世)と此岸(この世)が最も近くなる日として、お墓参りが行われます。

 「春分の日」および「秋分の日」においては、昼間の長さと夜の長さが同じになります。

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