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日常生活でよく使う「これだけは覚えておきたい『ことわざ』『言い伝え』『故事成語』」(第19回)- - -「一難去ってまた一難」


「一難去ってまた一難」(いちなんさってまたいちなん)


Ⅰ「一難去ってまた一難」ということわざの成立過程・意味・用法について


「一難去ってまた一難」は、日本のことわざであり、困難や苦難が絶えず訪れるという意味を表しています。このことわざの成立過程は具体的には明らかではありませんが、多くのことわざと同様に歴史や人々の生活経験から生まれたと考えられています。

意味としては、一つの困難や問題が解決されても、次に新たな難題が現れるという現実を指しています。生活においては絶え間ない試練や困難が待ち受けていることを示唆しており、人々に忍耐強さや適応力を促す役割を果たしています。

用法としては、困難な状況に直面している時に「一難去ってまた一難」という表現を用いることで、次なる課題に備え、冷静に対処することが求められるといったニュアンスを含んでいます。

Ⅱ「一難去ってまた一難」ということわざを使用した例文について

・試験が終わって一安心したと思ったら、今度はプロジェクトの締め切りが迫ってきた。「一難去ってまた一難だなぁ」。

・ついに長い病気が治ったと思ったら、今度は急に仕事が忙しくなってしまった。「一難去ってまた一難、なんてこった」。

・経済的な問題が解決したと思ったら、今度は家庭のトラブルが発生してしまった。「一難去ってまた一難、どうすればいいんだろう」。

・旅行中に天気に恵まれて楽しい時間を過ごしたが、帰りのフライトがキャンセルになった。「一難去ってまた一難、帰るのが難しそうだ」。

・会社の業績が向上したと思ったら、今度は競合他社が新製品を発表してきた。「一難去ってまた一難、市場は厳しいな」。

Ⅲ「一難去ってまた一難」と意味が類似している日本のことわざについて

「七転び八起き」は、「一難去ってまた一難」と意味が類似した日本のことわざの一つです。このことわざは、困難や失敗があっても、何度でも立ち上がり、前向きに挑戦し続ける精神を表現しています。

意味としては、何か困難や挫折があっても、くじけずに転んでも立ち上がり、何度でも挑戦し続けることが成功への道であると教えています。人生には様々な困難があるが、それに屈せずに立ち向かうことで成長し、目標を達成することができるという前向きなメッセージを含んでいます。

Ⅳ「一難去ってまた一難」と反対の意味の日本のことわざについて

反対の意味を持つ日本のことわざとして、「一刻千金(いっこくせんきん)」が挙げられます。このことわざは、「一刻(いっこく)」は瞬間のことを指し、「千金(せんきん)」は非常に多くの価値があるという意味です。

「一刻千金」の意味は、時間が非常に貴重であるというもので、一瞬のうちに得られるものは非常に重要であるという教訓が込められています。このことわざは、状況や機会を逃さずに、瞬間の価値を理解し大切にすることの重要性を表しています。

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