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ふみのわ

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文芸部「ふみのわ」の文芸集です。 顧問のわたし、文(ふみ)先生が定期的に課題 "ぶんげぇむ" を出しますので、部員の皆さんはしっかりと課題に取り組んでくださいね! もちろん部員で…
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2021年2月の記事一覧

第4回文芸課題"ぶんげぇむ"発表します

みなさんこんにちは。文(ふみ)先生です。 前回第3回ぶんげぇむでは、ちょっぴり趣向の違うテーマの課題にも関わらず素晴らしい作品が集まりました……!今回のぶんげぇむもこれまでとは趣向の違うテーマを設定させていただきましたよ! これまでご参加いただいた方も、初めての方もお気軽に参加していただけますので、ぜひ挑戦してみてください! さてお待たせいたしました!文芸部『ふみのわ』第4回目の課題を発表します! ◆お題:出せなかった手紙 ◆執筆ルール:  ・お題に沿った作品を作って

第3回文芸課題"ぶんげぇむ"まとめ

みなさんこんにちは。文(ふみ)先生です。 文芸部『ふみのわ』による文芸課題、"ぶんげぇむ"。第3回目の今回も、前回にも増してとっても素敵な作品が集まりました! ▼前回、第2回のまとめはこちらから 第3回文学課題を提出いただいた部員・仮入部員のみなさん、ありがとうございました! 今回は、ふみ先生と章子先生が考えた、やや難易度の高い(!?)テーマで募集させていただきました♪ それではさっそく、第3回文芸課題"ぶんげぇむ"についてまとめていきましょう! 第3回文芸課題"

マーブル

しいて言うならエメラルド 本当はいつも泣いてんだ 明るい闇で一緒に踊ろう 見えるとこだけ取り繕うなよ どうせ中身は傷だらけだろう 君と行くならどこへでも そうさ道には花のあと 絵具を溶かした重たい水に沈んでよ 君の心はレンガのよう ノートはいつも真っ黒だ 光の中へ引き込み落とそう 消えるとこまでノンフィクションだよ だって中身は空っぽだろう 書いた分だけ忘れてくんだよ どうせ最後はただの雑魚 羽根ほど軽いレンガの壁を砕いてよ

テセウスと魔法の羽根

異様な雰囲気をたたえた、レンガ造りの巨大な迷宮。 その入口に、武器を持ったテセウスが立っている。 テセウスは、妻のアリアドネと話をしている。 テセウスは言った。 「なんで糸持ってきてないの?ミノタウロスのときみたいにしようって言ったじゃん。あれよかったじゃん。迷宮の門に糸をくくりつけておいて、糸をたらしながらミノタウロス探してさ。それでミノタウロスを倒したら、糸をたどって戻ってこれたんだよ?完璧だったじゃん。」 「しつこいなあ。」 「しつこいって……。あのさあ、ア

第3回文芸課題"ぶんげぇむ"発表します

みなさんこんにちは。文(ふみ)先生です。 前回の第2回ぶんげぇむでは、仮入部のメンバーもジョインし、さらに活発になってきているこの文芸部『ふみのわ』。同じキーワードでも、こんなにも彩り豊かな作品ができるなんて、と、文芸初心者のふみ先生は本当にびっくりしています^^ 今回のぶんげぇむでも、初めての方の作品もどんどんお待ちしておりますので、みなさまお気軽にご参加ください! さてさて、お待たせいたしました!文芸部『ふみのわ』第3回目の課題を発表します! ◆お題:「羽根」「エ

第2回文学課題"ぶんげぇむ"まとめ

みなさんこんにちは。文(ふみ)先生です。 文芸部『ふみのわ』による文芸課題、"ぶんげぇむ"。第2回目の今回は、仮入部のみなさんの作品も追加され、前回よりさらにパワーアップしました! ▼第1回目のまとめはこちらから 第2回文学課題を提出いただいた部員・仮入部員のみなさん、お疲れ様でした! 今回は、ちょっぴりさみしい、とっても素敵な物語が集まりました。 それではさっそく、第2回文芸課題"ぶんげぇむ"についてまとめていきましょう! 第2回文芸課題"ぶんげぇむ"お題につい

いってらっしゃい

私は知っている 君のそのカバンに たくさん入っている本のことを たくさん入っているおやつのことを たくさん入っている夢のことを 君のそのカバンが役目を終えた時 君がここから いなくなってしまうことを

【短編小説】 夜の敵

時計の針が1秒ずつ進むたび、私の寂しさも募る。 「チッチッチッチッ」という、昼間なら何も感じない音が夜だとなぜこんなにも大きく聞こえるのだろう。ソファに投げっぱなしにしていた鞄の中からスマホを取り出してLINEを開く。友だち一覧をざざっとスクロールしながら、今日、この気持ちをなかったことにしてくれる誰かを探す。 * 「夜にかけちゃう電話って、大抵後悔するよねえ」 白ワインをぐいっと飲みながら亜希は言う。 「かけるときはなんとも思わないの。でもかけたあと必ず後悔しちゃ

サニーサイドアップ

 由美ちゃんは、目玉焼きが食べられない。黄身だけで食べることができないから、茹で卵も嫌い。どろっとした食感が苦手だから、生卵も食べられないし、半熟卵ですら口にできない。唯一、黄身と白身がしっかり混ざった甘い卵焼きは大好き。だけれど、朝食に卵焼きばかり出すわけにはいかないから、目玉焼きを作るときは手順がある。はじめに卵をボウルに割り入れる。次に、油を引いたフライパンの上に卵をそうっとのせたら、お箸で黄身を2、3回潰すのだ。フライパンを傾け、卵を薄く広げて数分焼いたら、フライ返し