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Turning Up

ハロウィンで魔女になり、クリスマスならサンタクロース、年が明ければ獅子舞だ。

僕たちは、そんな仲間だった。

人を驚かせるのが好きで、それから明るく笑ってくれる顔を見るのはもっと好きだった。

いま、みんなで集まってワイワイという風には、なかなかいかない。僕たちも、バラバラで孤独に過ごす時間が増えてゆく。

だから、どうしても、自分のために自分のためにって、ベクトルが内へ内へと向かってゆく。

自分じゃない、誰かのために。そこまで気が回らない。そんな心のゆとりがない。

こんな時こそ、発想の転換だ。

こんな時こそ、誰かのために。

ゆとりがなければ、無理やり、つくるんだ。心の隅っこを、力業でこじ開けるんだ。

そのわずかな隙間から光が差す。

鍵が開き、僕たちはまた、つながれる。

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