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MILK HALLでおあいしましょう

明治、大正の時代、日本にはミルクホールという憩いの場が存在した。

おなかを空かせた庶民へ、手頃な値段で栄養たっぷりの牛乳を提供する場。そこは老若男女でにぎわっていた。

昭和、平成と時が移ろい、ミルクホールは役割を終えた。でも、飲み物や軽食を手に人が人それぞれの会話に花を咲かせる場は街のあちこちで生き永らえた。舶来のコーヒーショップにファストフード店。少数派だけど、古き良きカフェも唯一無二の光を放ち続けてきた。

そこでバイトするお兄さんやお姉さんに憧れ、一言、二言のやりとりに胸が高鳴る。何のためらいもなく悩み事を打ち明けられるマスターがいる。誰にも、必ず、そんな思い出の場所があった。

いま、人と人のリアルなコミュニケーションが歓迎されない時代を迎えている。

このままじゃ、人が人ではなくなってしまう。思い出という人生の宝物が失われてゆく。

令和のミルクホールの灯を消してはならない。

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