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お財布、育てました

久しぶりに写真を整理していたら、今使っている財布を購入したときの記念写真?が出てきた。(そもそも財布の記念写真ってなんなの?って話ですが)

これが噂の記念写真

5年間使いつづけ、すっかり馴染んだお財布。
シンプルな作りゆえに壊れそうにないな、と買ったときから思っていたけど、頑丈すぎて壊れる気配がまったくない。


この財布を買った時期は、人生のどん底期だった。

前使っていた財布は元夫からのプレゼントだった。別れたときに「使い続けたくない…気持ち悪い….早急に変えたい!」とネガティブな気持ちになってしまい、と駆け込んだのが鎌倉のベルーリア。

いつも店員さんたちは丁寧かつ気さくな対応で、鎌倉でつい寄ってしまうお店のひとつである。

この日も、古民家のお店の入り口で店員さんが迎えてくれた。ゆるい空気が流れている。靴を脱いで上がる。ゆったりとした静かな空間に、佇まいのある洋服が並ぶ。

お店の目立つところに並ぶ、がま口のお財布たち。革の見本がたくさん置かれている。この中から選ぶのか…絶対悩んでしまうだろうな……ゴクリ。

このときも革の素材、がま口のサイズなど詳しく説明していただいて、優柔不断な私はその場で30分も悩ませていただいた。

申し訳ないなと思いつつも、これも新たな門出の準備だからと、真剣かつ慎重に迷う。

ブラックも素敵だったがもう少しカジュアルな感じがいいな、とご相談してクーズーの革で作ってもらうことにした。

決め手は店員さんが愛用している財布。実際に見せてもらい、グレーっぽい色味の革が黒ずんでいる、その表情がとても素敵だった。

ところでクーズーがどんな生き物か知っているだろうか?私はお恥ずかしながら、ここで出会うまで存在を知らなかった……。
南アフリカに生息するウシ科の草食動物らしい。写真で見たところ、むしろシカっぽい。

革はキズが多くて、仕立て方によってはワイルドな印象になりそうなのだが、がま口にすると柔らかい雰囲気が出てナチュラルな印象になるようだった。

口金にもこだわりがある。日本の職人さんが昔ながらの製法で作っているらしい。ずしっとした重みが心強い。

パチンと閉めるたびにお財布をはじめて持った小学生のような気持ちになり、ほんのちょっぴり心がはずむ。

そんなふうに大事に選んだ財布を手にして5年。すっかり私の手に馴染んだお財布は、少しだけ黒ずみ、口金はくすんだ。

特別なケアはほとんどしていないけれど、毎日のように触れるうちにツヤが増した。少し傷もついてしまったが、写真の通りあまり目立たないし、それも日々の積み重ねの跡。愛おしい。

完全に目論み通りとはいかなかったが、なかなかよい感じに育ってるのではないだろうか?

育っている…!

お財布は何年も使うと金運が悪くなるらしいと聞く。でも私は、まだまだ、まだまだ使い込む予定。

気に入ったものは壊れても直して使い続けるぐらい、物へ思い入れが強い。物を愛しているとも言えるし、執着が強いとも言えるけど……。

このお財布にもまだまだお買い物に付き合ってもらわないとね!


ちなみに「N25」というブランドのお財布なのだけど、現在はベルーリアでは取り扱っていないようで、ブランド公式サイトとショールームで購入できるみたいです。

https://n25leather.com

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