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この秋は、温めてきた1冊を読みます 「愛蔵版 冷静と情熱のあいだ」

ここ数日、手抜きnoteを量産していた(それでもスキをつけてくれた方々ありがとう……ちゃんと見ていたよ……)。

なぜなら、秋恒例の心身のバランス崩壊が来てしまったからである!!!!
悩んでるわけじゃないのに、身体が重い、無気力になるこの時期。

もはや毎年のことなので、この時期は抗わないように……抗わないように……と自分に言い聞かせ、がっつりお休みを取った。

さらに、先日の古本市終了とともに燃え尽き症候群が追い討ちをかけてきて、気力を失っていたが、無事復活!


ということで、今日も、ゆぴ先生の2022 Autumn #書く習慣 リストから書いていくよ!

テーマは5つ。

  1. 春夏の振り返り。どんな出来事があった?

  2. ストレス発散法やご自愛アイテムはある?

  3. 秋の夜長にぴったりのおすすめ本は?

  4. 「やめたいことリスト」を作ってみよう。

  5. この秋、チャレンジしたいことは?

今日は3日目、「秋の夜長にぴったりのおすすめ本は?」

ぴったりのおすすめ本といいますか、わたしもこれからもう一度読み返す本を紹介してもよろしいでしょうか……?

秋に読みたい本、それは「冷静と情熱のあいだ」だ!!!!

まだ中学校に上がる前だろうか。

自宅にあったビデオテープの山。その中にあった1本のビデオ。

どうやら親が録画したものらしいが、なんとなく大人の空気を感じて、ビデオデッキに入れるのをなんとなく避けていた。

ラベルには「冷静と情熱のあいだ」と走り書きがあった。

これがわたしの「冷静と情熱のあいだ」ファーストエンカウンターである。


図書館での再会

しばらくそのビデオの存在すら忘れていたが、中学生になってしばらくたったある日、図書館で読みたい本はないかと棚を眺めていたら、たまたま青い表紙の本を見つける。このタイトル、なにか聞いたことがあるような。

「冷静と情熱のあいだBlu」

記憶の扉を開いて、しばらく考え込んでから「ああ!あのビデオの!」と思い出した。
「あれは小説が原作だったのか!」と手に取り、読んでみることにした。


ローマのフィレンツェ、主人公の順正が絵画を修復する神聖な空気、ドゥオモで会おうと約束したかつての恋人あおいと、現在の恋人芽実のあいだで揺れる順正の不安定さ。

読み終わったあと、物語のその後を想像しながらローマに行ってみたいなあ、と遠い地を夢見た。



この物語には対の物語があると知り、「冷静と情熱のあいだ Rosso」の方にも手を出した。

Rossoの主人公は順正のかつての恋人、あおいである。
あおいとその恋人マーヴにはローマでの生活があるのに、ときどきふっと順正とドゥオモで会う約束を思い出してしまう。あおいはあおいでまた別の不安定さを抱えている。

先にBluを読んでしまったせいなのか、まだ中学生だったからなのか、当時の感覚では、あおいや芽実は少し身勝手な印象だった(大人の感覚でいうとそうでもないような気がするが)。
約束をいつか誰かとできたらいいなあ、そんな存在がいたらいいなあ、と中学生ながら夢に思ったものだった。

とはいえ、この大人びた小説を所有している、という背伸び感は、わたしを1つ大人にしてくれたと思う。

ヒリヒリするデリケートさを抱えて

小説を一通り読み終わったあと、とうとう思い切って、自宅にあったビデオテープを見ることにした。普段、まったくといっていいほど映画は見ないのだけど……。

歌手のEnyaが歌う主題歌から、ローマ・フィレンツェの街並みから、原作と変わらない空気に、思わず目の奥が熱くなった。

主人公2人は、触れてしまったら壊れてしまいそうなデリケートさを持っている。映画でもその独特の感じは健在で、皮膚の内側がヒリヒリする空気感。明るい話でもないのに何度も繰り返し見た。何度も、何度も。

そう、この切なさは、秋の終わりとよく似ている。
秋の空気から冬の空気へとある日ふっと切り替わるあの切なさ。

わたしは、秋から冬にかけて体調を崩しがちなくせに、結構この季節が好きだ。そして、この本もやっぱり好きな1冊なのである。


この小説、1999年発刊なので、もう23年も前のもの。

どうしてこんな昔の小説を読み返そうかと思ったかというと、なんと10年探し続けた「愛蔵版 冷静と情熱のあいだ」をあっさり町田のブックオフで見つけてしまったのだ!しかも新品同様。

地元で一度見かけて、欲しいなと思っているうちになくなってしまい、探し続けていたものがこんなにサラッと見つかるなんて。

(今はAmazonで買える時代だけど、情緒がない気がしてなかなか買えなかった……)

通常の「Blu・Rosso」との違いは、分冊にはなっておらず、1冊になっていること。そして、BluとRossoを交互に読んでいく構成になっていること。

今まで読んでたものとはまた違う体験ができるはず……とドキドキしている。
この秋も、またひとつ大人になれるだろうか。

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