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久しぶりの”さみしい”

「あれ、こんなにひとりってさみしかったっけ?」

美容院に行く前に、気になっていたカフェに寄った。

お目当ては、クラシックプリン。お店の前を通るたびに美味しそうだと思っていたのだが、「おやつでもない、夕食でもない微妙な時間に食べるのもなあ」といつも見送っていた、念願のプリンだ。

ひとりでカフェのドアを開け、本を片手にプリンの到着を待つ。
(スマホで注文できる、このシステムに慣れない)

やってきたプリンは、固め・ほろ苦のカラメル・プチっとした食感のバニラビーンズと、まさにクラシック。これは大人のおやつだな。

ベーシックでひねりがあるわけではないけれど、それがいいんだよ。こんな美味しいプリンが食べられる店が近所にあったなんて。


1口、2口食べすすめていると、なんだろうこの気持ち。急に心細くなってきた。

なんでこんなにおいしいプリンを「1人」で食べてるんだろう?

この数年間、1人で行動することに何の疑問もなく、むしろ悠々自適で楽だと感じていたのに、なんでこんなにもさみしくなってるんだ。

さみしさを自覚したら、どんどん視界が狭くなってモヤがかかっていく。ええ、なんで。


誰かに会いたい。一緒にプリンを食べたい。近況を話したい。あまりの心細さに、親友に連絡を取り、近々会うことにする。

が目の前のさみしさは消えない。

久々の感情の波に戸惑いながらも、私にもこんな感情がちゃんと残っていたんだ、と少しほっとした部分もある。1人でいることに慣れすぎて、人間として大切な何かがぬけ落ちてしまった気がしていたから。

さみしさを何か(食べ物、買い物、etc)で埋めるのは簡単だけど、この感情をもう少しじっくり味わってみたい。親友に会う日まで熟成させてみよう。




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