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飼い主彼女からの シン・「プロヒモ」紹介【2】

こんにちは。 ヒモ生活を良いように言い「幸福論」に昇華させるまでハッタリのパテで自身を固めたヒモ「ふみくん」の飼い主です。 
「大声で話せば(その中身がなんであろうと)ソレッぽく聞こえてしまう」世の非情が実体化したかのような彼の書籍……

書影完成版

『超プロヒモ理論 浮いた家賃は1000万、寄生生活13年の逃げきり幸福論』が、 2021年6月28日(月)に発売されます。 (イラスト:谷端 実 )

これまで、なるべく省エネで生活していたふみくんは今、家事をする以外は、方々(ほうぼう)で「買っておくれよう!」「宣伝しておくれよう!」の連絡だけで1日が終わっており……
最後のnoteに書かれてあった、「本の目次から見る自己紹介」に手をつけられておりません。 

そこで、今回はふみくんに代わって、書籍の目次を紹介。飼い主彼女の目線も交えつつ、自己紹介ならぬ他己紹介を書いてみようと思います。 

(もっと言えば本の「あとがき」も「飼い主彼女からの謝罪」と題し、私が担当しました。『ヒモの本として名案だ!』と、彼は膝を叩いておりましたが、要は丸投げです。)

 さて、ヒモが本でどんな偉そうなことを書いているのか、何故あとがきを「謝罪」にする必要があったのか…チャプターごとにご紹介していきましょう。 

■■■ Chapter1 職業、プロヒモ。謎の生態があきらかに 
・1 プロヒモとはなに?自分でもよくわからない 
・2 ヒモの1日は……毎日「予定は未定」 
・3 なぜヒモ生活を送れるか。“アブノーマル”な恋愛様式 

まず、自己紹介。「プロヒモ」の生態解説ですね。
2020年より世界を震撼させた、新型コロナウィルスの影響でテレワークが敷かれるまでの間は、飼い主の私も昼間、彼がどのような生活を送っているのか謎であったため、大変興味深かったチャプターでした。 

が、ランニングをしたり、映画を観に行ったり、ゲームをしたり…家事をすること以外、その生産性のなさが、想像のはるか上を行っていたことに私は驚愕することになります。

毎日、そんなに暇があるなら(仮に仕事でなくても)勉強とか絵とか、何かに打ち込むこともできそうなモノですが、本人からは、

「計画性を持って生きているなら、そもそもヒモになっていない」

との返答が返ってきました。

ヒモの1日が描かれているチャプター1では、ほか、ふみくんがヒモになった経緯や、同居生活を始めるコツ、(ヒモなりの)最低限のマナーなどが書かれております。

しかし、全ては「宿代を浮かせ続ける」ための、約40ページに渡るトンチと言って差し支えないでしょう。

潔ぎよく「嫌なことはしたくない!」と何度も聞かされ続けていると、「社会人としてはどうしようもないけど、人間としては全うなことを言っている?」なんて錯覚にも陥ってきます。


 ■■■ Chapter2 プロヒモになった3つの理由
・4 プロヒモにだって大恋愛時代があった
・5 ある日、神託を受けて会社員をあきらめた
・6 ヒモができるくらいにはちゃらんぽらん 

プロヒモに至るまでの”なぜ・どうして”が書かれたチャプターです。彼のトンチはまだまだ続きます。

 7年に及ぶ片思い・大失恋から「恋愛そのものが面倒」になったこと、幼少期に降ってきた「会社員は無理」という天啓……加え、「社会生活がままならないほどの能天気」な性格のトリニティが彼をヒモたらしめているそうです。 

本に書かれてはいませんが、「会社員は無理(同じ時間・場所に毎日通うことが無理)」天啓を4歳の時に授かったことを、彼はまるでさも自分が天才少年であったかのような口ぶりで語ってきます。 

「自分が社会に順応できないかもしれない」ことへの恐怖が、どう都合よく脳内変換されれば自慢話になるのか…その思考回路は謎ですが、ありとあらゆるエピソードを、自分に都合よく解釈することは彼の十八番です。 

たとえば、ちゃらんぽらんが過ぎる彼は、2日以上先の予定を立てないため、3日以降のスケジュール管理は私が代わりにエクセルに起こしたりしています。

そのことに感謝をされるのですが、放っておくと…… 

「スケジュール管理をしてくれるなんてタレントみたい(僕すごい)」 

と、超角度からのポジティブが炸裂するので、手に負えません。 

浮かせた家賃や、ヒモ生活の年月からプロヒモなんて言われていますが、私に言わせれば、度が過ぎる能天気こそ、プロたる所以です。 


■■■ Chapter3 プロヒモが語る恋愛と男女の機微
・7 プロヒモが答える恋愛相談そのまえに
・8 プロヒモが答える恋愛相談
・9 プロヒモが答える恋愛相談そのあとに 

ヒモによる恋愛相談です。 

ここまでのトンチは自己肯定のために展開されたモノでしたが、このチャプターから、ふみくんは人の恋愛事情にまでトンチを炸裂させていきます。 

彼はモテるわけではありませんが、周りから「ヒモ」=「普通の恋愛観を持っていない」と認識されており…実際、ふみくんの携帯に恋愛相談のLINEが飛んでくることは珍しくありません。 彼は彼で 、

「ここで一緒に考えることで、今度、酒を奢ってくれるかもしれないじゃないか!」

と、まるでマイルポイントをためるかのように恋愛相談にのっています。

Q:「カレとカノジョで『温度差』を感じる」の 相談
Q:「彼女のはずなのに、肉体関係ばかり!」の 相談
Q:「関係を切りたいのに切れない!泥沼依存」の 相談
Q:「結婚ってそんなに大事なものかしら?」の 相談
Q:「いつまでも白馬の王子様が現れない」の 相談

などなど……。
100歩譲ってプロヒモを認めたとして、彼はいつから「恋愛マスター」を気取るようになったのでしょうか。
「偉そうに振る舞う」ことに関しても、ふみくんはプロです。

さて、個人的に面白かった回は、
「関係を切りたいのに切れない!泥沼依存」
 依存から脱却したい方へ向けての返答です。

詳しくは本を読んで欲しいのですが、これはヒモだからこそ……彼が『恋愛感情なんて所詮、依存と信仰』とスカしてたからこその回答ができているような気がしています。


■■■ Chapter4 プロヒモの真髄は「逃げるが勝ち」
・10 人間関係も断捨離—しがらみなんておかまいなし
・11 わかりあえる人なんてこの世にいない

100歩譲ってプロヒモを認めたとして…
1000歩譲って「恋愛マスター」を気取ることを許したとしましょう。

この章から、ふみくんは人間関係全体にまでトンチを披露していきます。

出版なんて、偉そうな機会を与えて放っておくからです。そろそろ「怒る大人」が出てこないと収集がつかなくなりそうです。
履かせられた下駄はどんどん高くなり……

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ついに雲の上まで到達しました。

(画像は、YouTubeで『渋谷スクランブル交差点のリアルタイム映像』を観ながら「自分もみんなもちっぽけだ…」と、達観を気取るふみくんです)

とは言え、彼の回答はひとつですね。
タイトルにもあるとおり、「逃げろ!」の一言です。
本から削除された箇所を一部引用すると…… 

僕はゲームが好きなのですが、RPGゲームの戦闘画面には「戦う」「守る」などの選択肢が並べられた最後の項目に「逃げる」が存在します。 「戦う」コマンドを選べば、そこから「どう戦うか……」選択肢がたくさんありますが、「逃げる」に関しては「どう逃げるか」なんてきかれません。 お手あげの状況下にのみ選択される、一番消極的な行動が「逃げる」です。
たとえば目のまえに、丸腰の自分に対して敵意むきだしの象の群れがいるとしましょう。「うまくやってみせる!」と思って挑むでしょうか。 おそらく選択の余地なく身体が先に逃げていると思いますし、だれも「あいつは象から逃げた情けない奴だ」なんていわないでしょう。 

あの手この手で「逃げる」選択肢を肯定した後、友人に家族、イヤな人間からはとにかく逃げろ!と熱弁しています。

ふみくんは「目先のイヤなことから逃げ続けた結果、ヒモ生活に漂着した」と言っておりますが、それは人間関係においても変わりはないようです。


■■■ Chapter5 得意不得意を見きわめるプロヒモ流仕事論
・12 会社員逃れのいいわけで固まった職業観
・13 「好きなことを仕事に」なんてあてにならないアドバイス

会社に勤めたことのないヒモが仕事について語り始めました。笑止千万とはこのことです。

が、プロヒモ流仕事論は言い換えれば「イヤなモノはイヤでござる」です。

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「好きなことを仕事にする」や「石の上にも3年」と言った世間に流布されるアドバイスを真っ向否定し、頑として『俺はとことん働かない』ことを力説しています。

しかし……
一理あるようにも思えてしまいます。なんせ会社で働いたことがないヒモですから、イヤな仕事をしたくないことに関して固められたロジックは、いわゆる理論武装をこえ「要塞」のような威圧感すら放っているのです。

たとえば転職や就活に悩める方は、職業選択の時なんかに「世界には、こんなにフザけた職業観を持った人がいる」ことを知ることで、視野が広くなったりもするのではないでしょうか。


■■■ Chapter6 プロヒモが従うのは自分の価値基準
・14 社会的地位や年収は比較したってしょうがない
・15 恥ずかしくない人ってそもそもなに?
・16 夢や目標も点でなく線で語られるべき

ヒモの本、最後のチャプターです。
お金にキャリア、何も持たざるヒモが、開き直りにも思える畳み掛けで本を終わらせにかかります。

この章は…政治学者・アナキストの栗原康 先生が

「将来の夢はなんですか?あなたの好きを職業に還元させてはいけない。その稼ぎで他人と比べられるなんてまっぴらごめんだ。自分の好きは自分でたのしむ。あなたの未来をサボタージュ。それが超プロヒモ理論の神髄だ。」

 と、帯文に1言で書いてくれたとおりです。

ふみくんは、そもそも人と比較されることなんて「まっぴらごめん」らしく、ヒモ生活を恥じないくらい自己肯定力高い理由も、ゴーイングマイウェイを地で行っているから……。彼が他人の目線を心からどうでも良く感じていることが、この章を読めば分かります。

それが証拠に、ヒモの本の最後はどう締め括られると思いますか?
恋愛相談に人間関係、仕事、人との比較に関して、偉そうなとんでもロジックを並べた後…… 

『エジプトのダハブに行きたいな。僕の最近の目標はダハブに行くこと』

です。

このnoteの冒頭で、「あとがきを『飼い主彼女からの謝罪』と題した」と書いた理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。ふみくんの本は、ヒモが書いたとは思えないほどマイペースで"偉そう"なのです。

……しかしながら、本人も言っている通り、本の内容を一部拝借し、明日のイヤな出社・登校を「サボる」理由や考え方を借りてみることはできそうです。

また、飼い主からすれば、ふみくんと自分を照らし合わせ「私は間違っていない」と確認する尺度としても活用ができる本になっている。とも思っています。

さて、長々と失礼しました。
しかし、最後、これだけ言わせて下さい!
帯文を引き受けてくださった、山本さほ先生…

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先生!だまされてます!
「屁理屈を堂々と言ってのける」、それこそヒモの手口なのです!

 ふみくん の 1言

家事をするヒモこと僕は「主夫・主婦」と、家事をする方に対し、性別を強調する意味が分からなくて『やれる方がやればいいじゃん』のスタンスで生きています。そう、noteの更新だって…やれる方がやればいいのです…!
(本当すみません、連絡でアップアップです…)

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