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【LuckyFes①】LuckyFM Green Festival 7/23(土)ライブレポート

LuckyFM Green Festival7/23(土)のライブレポートをお送りします!

7/23(土)のレポートは、各媒体で活躍中のライター松田純子氏に依頼いたしました。松田氏によるレポートをどうぞお楽しみください。


「ひたちなか、ただいま! そして、おかえりなさい!」。初日のWATER STAGE本編トップバッター・オメでたい頭でなによりの挨拶が物語るように、まだコロナ禍にあるとはいえ、大型フェスがある意味当たり前になった時代に、これほど第一歩がアーティストや来場者から歓迎&応援されるフェスもなかなかないのではないだろうか。記念すべきLuckyFes初日は従来、おそらくフェスを敬遠していたであろう中高年層やファミリー層なども含めて楽しませるようなバラエティ感のあるラインナップと、地元茨城出身のアーティストも複数登場し、手作り感と独自色ある空間を作り上げていた。

 ゴリゴリのラウドなサウンドを繰り出しつつ、エンタメ感たっぷりのステージを展開したオメでたい頭でなによりに続いてCreepy Nutsが出演したお昼時には、WATER STAGEがほぼ満杯に。「僕らはマイクとターンテーブルだけを武器に、並みいるバンドたちに対抗しようと思います」と宣言した彼らは「合法的トビ方ノススメ」で観客を一斉にジャンプさせ、現在同名アニメのテーマ曲としてオンエア中の「よふかしのうた」では会場のキッズたちをも引き込み、「かつて天才だった俺たちへ」ではR-指定のライムとDJ松永のスクラッチの応酬で会場を圧倒。代表曲といえる「のびしろ」では会場外からステージを見守る観客が出ていたほどだった。

 その後もマカロニえんぴつ、Novelbrightら人気バンドが立て続けに登場し会場を湧かせたが、ここにある意味異質な空気を送り込んだのは、プロデューサーとしても注目されるSKY-HIだ。登場するやいなや会場を熱く煽っていたが、ポエトリーラップを叩きつける「何様」や、ラップとドラムを掛け合う「Double Down」などは、むしろパンクバンドよりもパンキッシュに映った。「ナナイロホリデー」などポップな楽曲も聴かせつつ、何かを始める人の背中を押すような「To The First」で締めくくっていたのは、このフェスに向けたエールだったのだろうか。

 森に囲まれたGREEN STAGEにはDIAMANTES、PUFFY、相川七瀬、RIP SLYME、ゴールデンボンバー、石井竜也(米米CLUB)といった、知名度の高い中堅~大御所アーティストが登場。その中でも注目度が高かったのは、80年代のヒット曲の数々が近年のシティポップブームで再評価されている杏里かもしれない。こういったフェスではなかなかお目にかかれない彼女の出番には、GREEN STAGEに続々と観客が集まってきた。スムースなサウンドとサックスソロが印象的な「悲しみがとまらない」、しっとりとしたジャズ系アレンジの大ヒットアニソン「CAT’S EYE」などを涼やかな歌声で披露。ラストのバラード「オリビアを聴きながら」では、灼熱の日差しの中で不思議とそよ風を感じるようだった。

 一方、会場内の逆側に位置するコンパクトなLUCKY STAGEにはSHOWROOMオーディション優勝者といった若手のほか、声優・俳優としても活躍する安達勇人、県内を中心に活躍するシンガーソングライター磯山純といった茨城出身アーティストたちも登場。一青窈やKinKi Kidsなどの楽曲を手掛けるマシコタツロウもその一人で、MCではかつてこの会場で行われていた“某フェス”の音漏れを聞いていて、音楽家になることを決意したと回想。自らのオリジナル楽曲のほか、落ち着いたトーンで一青窈の代表曲「ハナミズキ」を歌い上げ、会場から拍手喝采を浴びていた。

 当日は雷雨警報でステージが一時中断となったが、その直前までWATER STAGEを盛り上げていたのがSiM。「ロッキンと比較する気持ちもあると思うけど、マジそういうの、どうでもよくないすか?」などと親しみやすいMAH(vo)のぶっちゃけMCと、相反するようなド迫力の轟音プレイで観客の心をぐっとつかんでいた。特にアニメ『進撃の巨人ファイナルシーズン』でおなじみの「The Rumbling」ではスケール感のあるプレイを響かせ、鳥肌が立つほどクールなステージを見せてくれた。

MAN WITH THE MISSION演奏中のWATER STAGE。


 激しい雨が降り続く中、その後もMAN WITH THE MISSIONなど人気バンドがしのぎを削ったWATER STAGEを締めくくったのが、先の震災時からさまざまな形で茨城県内を中心に復興協力に力を注いできたBRAHMANだ。カリスマ感溢れるTOSHI-LOW(vo)を中心に、ほぼMCを挟まずステージを展開していったが、「10年ちょっとであの大変なできごともなかったみたいになってるけど、あの日と、あの名もなきヒーローたちのことを忘れることはない」という語りでスタートした「鼎の問」では、原発事故について語る関係者たちの写真やコメントを映し出し、観客たちに音で問いを投げかけた。ラストの「真善美」を歌い終えたTOSHI-LOWが1997年の初回フジロックなどを回想しつつ、「始まらなければ失敗はない、けれども成功も経験も何もない」と語り、生まれたばかりのこのフェスへのエールと、新しいことを始める意義を説いていた。もはやぐうの音も出ないレベルで、トリにふさわしい人選だったのではないだろうか。

 始まったばかりのLuckyFes、もちろんさまざまな角度から見れば改善の余地はあろうが、筆者的には手作り感やアーティスト愛、地元愛を感じる企画の1つ1つがとても居心地良く感じた。会場で参加された方、中継を見ていた方はどう感じただろうか?
 
(文:松田純子)


 ※このnoteはLuckyFM茨城放送及びLuckyFes関係者とは一切関係ございません
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 LuckyFesを追った音楽マガジンを2022年冬に発行予定です。
その中では、上記の松田氏によるレポートも大幅加筆修正して収録予定です!松田氏曰く、今回のレポートでは触れられなかったアーティスト(オメでたい頭でなにより、ゴールデンボンバー、DIAMANTESなど)についても記載予定とのことです。
マガジン発行日などに関しては、決まり次第こちらのnoteで告知していきます。

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