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極寒の真夜中を彷徨った話

どうも、元ホームレスのフミカです。
前回からの続き。最初から読みたい方はこちらから
今日はその後どうなっていったのかについて書いていきます!

1.なめすぎた野宿

まず、ボクの最大のミスは野宿をなめていたところにある。それもそうだ。
季節は、4月。夜は平気で一桁の気温だ。
なぜ簡単に野宿ができると思ったのか、あの時自分に聞いてみたいモノだ。
まあ、でも、富士山に登ることを前日で決めて弾丸ツアーして死にかけてるボクだ(この話はまた今度。笑)。
こんな自分と付き合っていかなきゃいけない。
ボクは、自分の浅はかな計画を後悔しつつ、寒さに耐えきれずに、宿を探し始めた。

2.見つからない宿

駅前にはマクドナルドが二つある。この辺はボクの地元だ。
ボクはマクドナルドに向かった。
昔からあるマクドナルドだ。小さい頃から知っている。二つもある。
だから私は野宿先をここに選んだ。
何かあればそこに避難しようと思ったからだ。
冷え切った身体を抱えながら私はマクドナルドに向かった。
まだ夜も明けない閑散とした時間だった。
マクドナルドの近くまで来て、自分の目を疑った。
寒すぎて目が凍ったのかと思った。

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シャッターが降りているのだ。
急いで二店舗目に駆け寄った。もちろんシャッターが閉まっている。

昔、このマクドナルドでバイトしていた高校の友達の言葉が頭をよぎる。
「ここのマック24時間じゃなくなったんよね。都会でもないここで終電時間過ぎても営業する方がバカだからね。」
その言葉を忘れていた私はバカを通り越して何と表現するのが良いだろうか。
野宿の人が寒さに耐えられずに駆け込んでくるためにお店を開けておくマクドナルドがあるだろうか。否、あるまい。

ボクは意気揚々とこの野宿を始めた。
小さい子供が新しいことに目を輝かせるように、私の目も輝いていた。
しかし、開始早々警察官の職務質問という形を通して出鼻をくじかれた。
「お兄さん、寝ないようにだけ気をつけて」と言われた言葉によって、寝袋を使った本気睡眠はできなくなった。

私の輝いてた目は何か遠くを見つめ始めた。

分かっている。最後の頼みの綱が私には残っていた。
それは24時間営業のジョナサンである。
ここは間違いなくやっている。
なぜなら私が高校生の時に少しの期間バイトをしていたからだ。
何度も朝までの夜勤の大学生と入れ違いになっていた。
この地域で唯一私を温めてくれる場所を求めて私は足をジョナサンに向けた。
エスカレーターを降りて見えてきたジョナサンを見て私は敗北を確信した。


閉まっているのだ。
中に人はいる。
でも閉まっているのだ。
入り口にはこう書いてあった。
「清掃のため本日限り10時からの営業となります。」
まさかだった。そんなバカなことがあるだろうか。
これはもはや私の愚かさではない。
もし私がキリスト者でないならこの出来事を神のいたずらと呼んだであろう。
こんなサンザンなことがあるだろうか。
ジョナサンと韻を踏んで遊んでいる場合ではない。
ボクは途方にくれた。しかし、とにかく寒いので歩いた。
5:30ゴロになって駅の改札のシャッターが上がった。
近くにあったベンチに腰掛けて私は日が昇るの待った。

3.ボクの心を温めた朝日

そして、日あたりは明るくなり始めた。
こんな時に限って雲が邪魔して朝日など見えぬ。
6:30になって、マクドナルドも開いた。この街も息を吹き返したように人が往来し、暖かくなった。
私はどうやらこの街にまだ捨てられてはいなかったようだ。
こうして私のチャレンジは幕を閉じた。

いかがだったでしょうか。ボクのホームレスライフ。
実はまだまだ面白エピソード盛り沢山なのです!
なので、野宿の回はここでいったん終了ですが、
このマガジンはまだまだ続きます!こうご期待!

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