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引っ越し

家の引っ越しがあり

小学6年生のGWという

中途半端な時期に転校をした。

4年生から5年生まで

クラスで合唱コンクールに出たり、

美術に打ち込んだり

おとなしいなりに仲間と

何かに一生懸命取り組んだ。

そんな思いがあった。

最後の日、ふみかさん、お別れの一言

と先生に言われ、前に出て挨拶をして終わった。

目立つタイプの生徒が引っ越した時は、

お別れ会的なものがあったのを覚えている。

ここから私がいなくなることを

特別誰かが悲しんでくれている

ようには感じることができず、

これまでの学校の友達、先生との別れを

ドラマティックな感じに想像し過ぎた私は

ああ、友達ってそんなもんだよね。

とあっけなく感じた。


ちょうどその頃テレビでは

宮沢りえの三井のリハウスのCMが流れてた。

恐らくあの転校生紹介の一場面に

憧れた人は多いと思う。

私も彼女の様な転校生紹介の一場面と

キラキラした学校生活を夢見ていが

そんなものは無かった。

幸いな事に新しい学校のクラスでは

「給食は全部食べなければいけない」

この制度は無く、

居残りチームからは解放された。

変わりに待っていたのは

漢字のテストたっだ。

新しい学校の担任の先生は

漢字のテストの時、生徒をテストの

点数が良い順に座らせていた。

これまで漢字に苦手意識を

持ったことは無かったが、

気が付いたときには一番後ろの

席周辺を行き来するようになっていた。

まるで、頭が悪いというレッテルを貼られ、

それをクラスのみんなに見せつけられ、

恥ずかしめられているように感じ、

毎回なんとも嫌な気分だった。

頑張って暗記して、前の方に座ろう

などとは思えないほどに

私はこの感情に蓋をした。



教科書を人前で音読させられて

内容が頭に入る人はいるのだろうか?

恐らくいるのだろう。

私は緊張のあまり読むことに必死で

内容などまったく頭に入らない。

ただ読み上げることに必死になるだけだ。

読む時は1人で静かに読みたい。


ある時、先生に教科書を音読させられ、

私はいつものように緊張していた。

とある漢字の前で止まってしまった。

「図書」だ。

頭が真っ白になった。

先生が意地悪く

「ずしょ」と教えた。

頭が真っ白な私は、

「ずしょ」と読んだ。

クスクスと笑い声が聞こえた。

先生に「バカ!」と言われた。

今でも私は漢字が苦手で、

漢字+人前となると自動的に

緊張状態になり交感神経が

働いてしまうのだ。

特に人前で字を書くことが苦手で、

簡単な漢字も人前だと書けなくなってしまう。

トラウマってやつだ。

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