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いろいろ「足りない」を前提にしたほうがよさそうな話

もしかして、結構思ってる以上にいろいろ構造的な危機で転機なんじゃないか。ここのところ現場を取材してると頓に感じる。BtoB系の取材だととくに。

わかってるよ、そんなのと思われそうだけど、情報じゃなく体感レベルですごく感じる。無茶苦茶ざっくり言えば、このままだとリアル「サードインパクト」が起きそうな感じ。

まあ、一介のライターがエビデンス(なぜか日本ではビジネスシーンで多用される)もすっ飛ばして書いてる話なのでどうでもいい人は読み飛ばしてもらえれば幸甚です。因果関係じゃなく相関レベルならいろいろデータ出せそうだけど面倒くさい。そこまでのHPとMPがありません。

たとえば、大きな構造物(鉄橋だとかビル、大型施設だとか)をつくるときに鋼材なんかを接合するための「高力ボルト(ハイテンションボルト)」が日本中で足りなくて工事があちこちでストップしてる! というのが去年あたりからニュースになってた。

関係ないけど「ハイテンションボルト」って響きがいいよね。2、3個お守りにして持っていたい。

「高力ボルト(ハイテンションボルト)」はふつうのボルトと違って、摩擦力による「摩擦接合」で強力に締める。キュッキュじゃなくギギュッと締まる。

ねじりの強さに摩擦の強さ(ざらざらしたもの同士がくっつくイメージ)が合わさって作用するので、ふつうのボルトより強い力で接合される。

これがないと事実上、いまのほとんどの大きな構造物の現場は工事が進まなくなるのだ。

この場合はボルトだけど、端的に言って「モノが足りない!」なんて、これまでの日本ではなかった話だ。あの平成不況でもほとんどなかった。天変地異や戦争が起こったら話は別だけど、そうではない状況でモノがないのだ。

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もっと身近なところでは「紙が足りない!」現象も起こっている。一部の印刷会社ではチラシなんかで最も使われるコート紙(表面がつるつるした紙)がオーダーできなかったり、印刷枚数制限がかかったりしている。

これはうちの仕事にも微妙に影響している。他にももっといろんな分野で地味に「これが足りない」が起こってると思う。

僕らはモノがあふれてる時代と教えられてきたし、そう思ってたけれどじわじわと変わってきているのかもしれない。

モノに限らず、人や情報やいろんなものが「実は足りなくなってる」のがいまの日本。

取材をしていても、2、3年前なら人のことでもモノの話でも「危機感ありますね」だったのが、感が取れて「危機」をあらわにされる場面が増えた。

個別にはいろいろ守秘義務的なあれがあって書けないけど、どうも取材してる限り「足りなさ」からいろんな事象が起こってるのだ。表面化していないだけで。

そう考えると、もう「あること」前提じゃなく「ないこと」前提に考えたほうがいいのかも。

これまで当たり前にたくさんあったものが足りなくなったり、市場から消えたり、まったく違うものに置き換えられたり。

まあ別の考え方をしたらすごいシャッフルというかリリスの卵が動き始めるのかもしれないので「悪いこと」でもないのだけど。

こんな話が自分に何の関係が? と思うかもしれないけど、あとで自分に関係してくるかもしれないことほど、最初は関係なさそうな風になってるものだから。