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ものかきのおかしみと哀しみ

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2021年10月の記事一覧

猫のわからない

猫のわからない

僕は猫を愛している。なぜだかは、わからない。ヤギなのに。

ソクラテスは「わからないことをわからないまま愛すること」の重要さを説いた。

いや、ご存知のとおりソクラテスは生涯にわたって一切「結論」めいたことは話さず、自ら何も書き残さなかった。

だから、さっきの「ことば」は僕が勝手に触れてそう感じてるだけ。

猫は哲学だ。あるいは叡智。尊い。

何を考えてるのか。何を目指してるのか。何を感じてるの

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「身体の声」が聴けない僕たち 「ことばのアトリエ」対話録

「身体の声」が聴けない僕たち 「ことばのアトリエ」対話録

僕(ふみぐら)と嶋津さんでつくっている自然発生的なユニットがある。

その名は「ことばのアトリエ」。フランス語のアトリエの源流を辿っていくと「木っ端をつくる者、その場所」という意味がある。

まるで僕らだ。

お互いに「ことばの原木」「ことばにならない断片」みたいなのを持ち寄って、削ったり、磨いたり。そんな作業をふたりの対話、お喋りをとおしてやっている。

だけども、決まった場所、決まった形式では

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「嬉しい」は「楽しい」の上位互換だった

「嬉しい」は「楽しい」の上位互換だった

最近、嬉しいことがいくつかあった。楽しいじゃなく嬉しい。

こんなこと書くと読みたくなくなる人もいる。基本、人は他人の困難に反応しても他人の良きことにあまり興味はない。なぜか、そういう設定をされてしまってる。

まあ、そういうものだというのもわかった上での話。

ひとつは何年かぶりに、演劇仲間がお見舞いのお酒やら和ケーキやら果物や胡麻油(すごく旨い!)なんかを携えて信州まで訪ねてきてくれたこと。

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書くために、書かない時間

書くために、書かない時間

最近、僕は文章を書かない。いや、書いてるんだけど書かない。また、なんかおかしなこと言ってるけど。

このnoteもそうだけど、人は文章を書く。

なにか伝えたいこと、言葉にしたいこと、そんなんじゃなくてとにかく読まれたくて書きたい人もいる。じゃなきゃ、こんなに世の中に文章が溢れてこない。

それは、べつ悪いことじゃない。

昔みたいに、文章を書いてリリースするのが限られた人たちだけなんてつまらない

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やりたいことと「欲」は違う

やりたいことと「欲」は違う

人間は本来無欲なのか。それとも欲まみれなのか。

一般的に人は3大欲からは逃れられないって言う。けど、ほんとにそれが「欲」なのかはよくわからない。

その点、動物は欲のまま欲にストレートに生きてるなって思われがち。

でもよく見てると、欲というより「生きるため」な感じがすごくする。人間が勝手に「欲」と思ってるだけで。

もし生きることそのものが欲なのだとしたら、地球上でもっとも欲深いのは動物ってこ

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