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猛暑続きにつき。

 ローマの老舗ジェラテリア、ジョリッティが東京に進出したと聞いて、久しぶりにジョリッティのジェラートを食べたくなった。定番ものから、珍しい味まで、ともかく色とろどりに種類がいっぱいあって、どれもおいしい。中でも(これまで、すごく暑いときに行くことが多かったためか)特にフルーツ系の充実が嬉しい、ジェラート好きにとっては、まさにシアワセ・ランド。暑くて、迷子になっている場合ではないので、ケータイで地図を確認しながらたどり着くと、ああ、やっぱり人が並んでる!!!

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 しかしこの日はあえて、立ち食いジェラートではなく、じっくりゆっくり落ち着いて味わうために、中のテーブル席へ。幸い、すぐに座ることができた。メニューを見て、さんざん悩んだあと、選んだのはこちら。

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 桃、ブルーベリー、そしてリモンチェッロ(南イタリアのレモンのリキュール)。
ふだん私は、パンナ(生クリーム)は乗せない派なのだけど、ローマ人たちのパンナ載せスタンダードを尊重し、今回はパンナつきで。ひゃあ〜てんこ盛りーーー!!!
 最初にスプーンに当たったのは桃。乳成分なしのさっぱりタイプだが、といってもシャーベットほど氷っぽくなく、桃の果肉がぎゅーっと凝縮されている感じ。ああ〜やはりおいしいなあ〜。隣り合わせに盛られているのはブルーベリー。第3の味、リモンチェッロは奥に沈んでいる。ふつうは、レモンのジェラートはよりデリケートなので、最初に食べないと負けてしまうことがある。あら、大丈夫?と思いつつ、桃とブルーベリーを交互に楽しむ。時々、スプーンでリモンチェッロをわずかに掘り起こしながら。
 そしていよいよ。リモンチェッロだけになって、スプーンでたっぷりすくって、口に運んで、あ!と思った。桃やブルーベリーの隙間から掘り起こしていたときのほんのり甘酸っぱい味わいとは全く異なり、力強いリモンチェッロが現れたのだった。
 リモンチェッロは、食事の最後にいただく食後酒。デザート、カフェ(エスプレッソ)の後、冷凍庫で冷やしたものを、小さなグラスでキュッといただく。そう、最後に現れた第3のジェラートは、しっかりとリモンチェッロの本来の役割をこなしているのだった。うーん、さすが、ベテランの仕事はたのもしい。
・・・な〜んて、実は偶然かもしれないのだけど、そう思わせてしまう説得力のある老舗の味とサービス、ローマ中にジェラート屋さんは棒に当たるほどあるけど、やっぱり時々はこなくっちゃ、と思わせる。

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 実は今回、ちょっとびっくりしたのは、自分でカウンターで購入したジェラートを、このテーブル席に持ち込んで食べてもよくなったらしい。以前は、いわゆるテイクアウト扱いのカウンターと、テーブル・サービスは別だったのだけど・・・。コロナ対策?と関係があるのかどうかわからない。もちろん、サーヴィスも健在で、ウェイターさんがは相変わらずビキビと仕事をしているのだけど、たくさんの観光客が思い思いの席でジェラートを食べては、汚すだけ汚して出ていくのを見て、ちょっと気の毒に思ってしまった。・・・逆に考えると、おいしいジェラートを落ち着いて座って食べられるところはあんまりないから、さらなる穴場になったと思えばよいのか・・・。

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Giolitti
Via Uffici del Vicario, 40 – 00186 Roma
www.giolitti.it


#ローマ #ジェラテリア・ジョリッティ #エッセイ #イタリアのおいしいもの #イタリア
07.10.2021


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