商品開発で生かすクライアントの純粋な想い
商品開発の現場に、デザイナーとしてトータルで寄り添った貴重な経験。
実績もない私に相談いただいたこと、今でも感謝の気持ちでいっぱい。
どのように寄り添うのか
私が実際に行ったことは以下
デザイナーがやる仕事ではないと思われる方もいらっしゃるかもしれない。
でも、スポットではなくトータルで関わる方が結果デザイン工程が少なく済む。
クライアントの希望や想いを引き出したり、価値観を整理しなくても
自然とデザインに反映できるので、逆にラクだと私は考えている。
クライアントとは月に2,3回打ち合わせを重ねて
デザインラフの検討はもちろん、販売計画や売価設定など
商品を世に出した後のイメージを固める作業を共に行った。
デザインの選定よりも長い時間をかけていたと思う。
クライアント自身の納得感を軸に、現実的な数字に落とし込んでいく。
他者からもらったアドバイスも共に検討し、
商品にとって、このブランドにとって本当に大事なことなのか
試行錯誤を一緒に重ねていった。
この時間が私を成長させてくれたし、デザイナーの役割を改めて考えるきっかけになった。
机に座ってデータをいじるだけの役割しかこなしたことがなかった自分にとっては、手探りでかなり大変ではあった。
一方で、刺激的でとても楽しい時間だった。
純粋な想いが勝つ
私からデザインや戦略設計的なご提案は可能。
しかし、
「自分の大好きなものを世に出したい」
「この商品を提供することでお客様に喜んでほしい」という
クライアントの純粋な想いが何よりも重要だと思う。
反対に考えれば、この純粋な想いがなければ
いくら完璧な戦略を策定し実行したところで、必ず穴が出る。
戦略は先細りになり、自然消滅する可能性も出る。
私は、クライアントの純粋な想いに寄り添うしかない。
デザイナーはなんでも具現化できる印象があるかもしれないが
実は、純粋な想いに寄り添う以外は何もできない。
私が成果を生むのではなく、クライアント自身の力が成果を生む。
必勝法は無い。
純粋な想いが全ての要素にいかに浸透しているかが常に問われていると思う。
とにかく試す・体験する時に考えること
当然のことだが、食品パッケージを作る場合、とにかく食べる。
PRする要素は経験、行動が全てパッケージになる。
食べながら、試しながら、私は以下を気にしている。
クライアントと私と仲間で成長を共有する喜び
ラベルも販促物も納品し、一連の関わりが落ち着いた頃
クライアントが、近所で開催されるイベントに自ら参加したいと言った。
こっそり私も足を運び、店頭には行かず、仲間と遠くから様子をうかがっていた。
その商品が売れていく様をみた時、本当に胸が熱くなった。
自分のデザインが、お客様の目に止まり
必要とされてクライアントに売上が入る。
デザイナーとしてこんなに嬉しいことはなかった。
クライアントのこれまでの努力が実を結んだ瞬間だった。
そこに立ち会えただけで、本当に嬉しかった。
そして仲間から「〇〇さん(クライアント)も平林も成長したね」
と言われたことも嬉しかった。
自分とクライアントだけでなく、相談したりグチを聞いてもらってきた
仲間と成長を共有できたことが
何よりも嬉しくて、数年経った今でも鮮明に思い出せる。
デザインで役に立つとはこういうことかと気づかされた出来事でもあった。
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