見出し画像

白山の麓で伝承されてきた服の作り方に、ゼロウェイストなお裁縫型紙の一つの解を見た

今日は石徹白洋品店(いとしろようひんてん)さんの作り方で、「はかま」を作りました。これは全部直線断ちで、もし着物地の幅の布であれば、端切れなしのゼロウェイストです。私は手持ちの綿ブロードを4等分に切って使いました。ちょっとゆったりめのパンツの裾にカフスがついていてほんのりすぼまっていて、普段使いのパンツとして、かなりいい感じです。


石徹白洋品店との出会い

noteを始めてなかったら出会えませんでした。ゼロウェイストお裁縫の可能性のことを書いたこのnoteにいただいた「あと型紙で工夫してるものだと、直線裁断で作る作業着系のが面白そうでした。地域の知恵。」というコメントのリンク先に、石徹白洋品店さんのサイトがありました。飛騨白山の麓、石徹白にあるお店、本当にたまたま、次の週末(つまり今週末)東京は銀座にポップアップストアを出されると書かれているではないですか。早速Peatixで予約して土曜日に行ってきたのでした。

石徹白洋品店さんの商品は出来上がった洋服と小物、その作り方の冊子、作り方冊子があれば自分で作れる生地と糸のキットなどがあるようでした。服は伝統の本質は継ぎながらも、今っぽく着れる雰囲気のデザインです。使われている布は、藍染なら藍の栽培からされる、というこだわり。冒頭に貼った写真のワンピースは、ハルジオンの草木染めの黄色。うつくしいですね。しかし、私のお目当てはもちろん作り方の冊子です。今回自分で分かったのですが、私、服そのものより、工夫のある型紙と手順書と、それに沿って作ってみることがものすごく好きなのです。作り方そのもの、を作ることで味わう、というか。工夫があってかつシンプルなお料理レシピの類がずっと好きだったのですが、同じ感じがします。なんだろうこの感じ。その深堀りはまた別のところでやるとして。。。あ、私、石徹白洋品店さんとは何の繋がりもありませんでして、石徹白洋品店さんの商品を題材に単に好きなことを書いているのです。

販売されている作り方は3つ

石徹白洋品店さんでは、パンツは「はかま」、「かるさん」、「たつけ」という3種類、シャツは「越前シャツ」1種類、ワンピースは「さっくり」1種類をお洋服として販売されていますが、な、なんと「はかま」「たつけ」「越前シャツ」の3つの作り方を冊子にして販売されているのでした。地域の方々から民衣を集め、聞き書きされて、再現された作り方を、惜しむことなく、公開され販売されている。で、私は3つとも買って帰って来ました!3つの中で一番簡単なのは「はかま」次に「たつけ」、そして「越前シャツ」が一番難しいとお店で聞きましたので、まず「はかま」をつくったのでした。

「はかま」を作ってみた

元々は着物の幅の布で作る「はかま」、作り方は書きません。だって、作り方そのものが石徹白洋品店さんの売り物ですからね。でもどんな感じかはオンラインショップのプレビューで見れます。図解満載なので、手順に沿っていけば、お裁縫初心者でも問題なく作れると思います。念の為、気づいたことを一点。裾カフスの寸法と、作り方記載通りの幅の裾タックを入れた後のパンツの裾幅が、布の幅によってはピタッと合わないことがあると思います。裾カフスを輪にしてから裾タックの幅を決めるとうまくいきました。どなたかのお役にたてば。

端切れゼロのまま機能を追求した形

この裾カフスは、雨の日に、着物の上から履いた合羽兼作業着としての「はかま」の足捌きをよくするためのものでした。また、股のマチはとうぜん、着物の裾もお腹もお尻もまとめて格納して尚且つ、動きやすくする工夫でしょう。大切な布を端切れを出さないように切り方を工夫しながら機能を追求した形。長年、日常生活の中で、使いながら、次はこうしよう、といった改良も進んでいたのではないでしょうか?

世の中一般の、ゼロウェイスト洋裁型紙が、動きやすいか、人の身体を綺麗に見せるか、といった観点から課題があると私は感じていたのですが、作業着としての機能を主眼に長年工夫された形に1つの解があるのかもしれない、と感じたのでした。

勝手にその先の可能性も考えた

完成品のお洋服、生地のキット、作り方冊子、ワークショップと、好きなレベルの体験が選べるって、こんなお洋服のブランド、あんまりないですね。そして、今回の型紙は、自分の欲しいパンツの長さと、自分のウエストサイズから寸法を割り出します。そこで思ったことが。。。これなら、世界の多様なサイズの方々にも、楽しく作ってもらえますよね?コロナが終息してインバウンドが復活したら岐阜でリトリート?、いや、インバウンドが復活しなくても、もう今からでも、世界に、それこそPDFの作り方ファイルとして展開してもいいのでは?ちなみに、石徹白洋品店も既にShopifyでオンラインショップを作られているようですが、PDF型紙を販売している海外の独立系洋裁型紙屋さんもShopify使っているところ多いです。Shopifyでは、ダウンロード販売するPDFに購入者名などのスタンプを押せるので、勝手に2次配布されてしまうことはほぼないと思います。

などなど、他人様のお店を題材に妄想まで広げてしまったのでした。また「たつけ」ができたら書きますね!



この記事が参加している募集

#つくってみた

19,465件

#SDGsへの向き合い方

14,713件

いただいたサポートは、クリエイターとしての活動費に使い、記事にしてまた還元いたします。