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プリクラ1回、アイカツ4回。

ゲームセンターに行きたい。

まさか自分がこんなことを思うようになるとは。長年、誰かが「プリクラ撮ろう!」と言い出すと、しれっといなくなる、または、その台詞を言わせないように圧をかけてきた。

プリクラを避ける生き方をしてきたので、当然ゲームセンターに行くこともほとんどなかった。

最近はプリクラを撮ろうと誘ってくる人もいなくなった。それだけ付き合う友達の幅が狭くなったということだか、プリハラ(プリクラハラスメント。今作った。)を受ける事がないのは助かる。

こうしてプリハラからは解放されたのに、最近ゲームセンターに行く頻度は激増した。アイカツ!を始めたからである。

ゲーセンに寄り付かなかった私を、アイカツ!に誘った友達の手口は実に巧妙だった。彼女は、大学にDSを持ち込んでいた。この時代switchではなく、DS。しかも、3DSでもなくDS Lite。懐かしい水色のそれをわざわざ大学に持ってきて、何をしているかと思うと、テトリスをしていた。スマホじゃだめなのだろうか。

久しぶりにDSをやりたったけれど、テトリスではなんだか物足りない。人のゲームを借りるのに物足りないとは失礼は承知で、他のカセットは無いのか聞いてみた。そうすると、彼女が出してくれたのは、わがままファッションガールズモード。

これだ、私がやりたかったのはこれである。数あるカセットのなかでも一、二を争うくらい好きだったのが、わがままファッションガールズモードだ。セレクトショップの店長として、カリスマを目指すゲームなのだが、この話を書くとキリがないので今回はやめておく。

わがままファッションに食いつく私に、このとき友達はしめしめと思っていたのだろう。ここから数週間後、私は彼女の囁きのもと、アイカツ!を始めるのである。

アイカツの世界は楽しい。アイカツは長い歴史があるので、知らないことも多いにも関わらず、それを置いておいてもゲームだけでも充分楽しさがある。今から始める子供にも、全ての時代を網羅してきたおじさん達に刺さるように出来ているからすごい。都合よく、おじさんと女児をいったり来たりする女子大学生には刺さりまくった。

アイカツは、トップス、スカート、靴がすべてバラバラのカードになっていて、全身のコーディネートを統一するまでに中々時間とお金がかかる。始めたばかりの私は、少ない手持ちのカードを組み合わせて、頑張って可愛いアイドルを錬成しているが、隣のおじさんたちは、いつも完璧コーデで挑んでいる。

積み重ねた時間とお金の差を詰める事は難しい。彼らに追いつこうとすると、バイト代をすべてアイカツに捧げなくてはいけなくなってしまう。

そんなとき、私はカードを収納しているケースをゆっくりおじさん側に近づける。そう、私のケースはおしゃれカードゲームの始祖、ラブandベリー。

アイカツおじさんにはいくら遡っても無い、現役女児時代の遺産を静かに見せつけ、これで五分五分だ、と満足するのも、アイカツが楽しい理由の一つである。




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