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【Eat the harmony 調和を味わう時間】 スリランカ meets パレスチナ イベントレポ

◆住所だけが書かれたお店

初めての場所へひとりで向かう。ひとりのおでかけは全く苦にならないのですが、イベントに参加するとなったら、やっぱり不安が募るのです。知らない場所で受け入れてもらえるだろうかと、9割近い緊張感とひとりでも楽しむことができますようにといった祈りに近い気持ちを胸に、バスで目的地に向かいました。スマホアプリを見ながら探すと、場所だけはあっという間に見つかりました。普段は気づかずに通り過ぎてしまうような場所、今日は勇気を持って訪問します。

◆【Eat the harmony 調和を味わう時間】スリランカ meets パレスチナ


3/8日曜日、ある名前のないお店で開催されたイベント。

【Eat the harmony 調和を味わう時間】スリランカ meets パレスチナ  東アジアで南アジアのスリランカ料理と西アジアのパレスチナ料理がお米の壁を隔ててワンプレートの中で出会います。
お米の壁を崩しながらスリランカの味、パレスチナの味を時には混ぜながら時には比べながら楽しみ、味の調和を描きます。調和を味わうをテーマにプ レート内に東から南そして西アジアを旅し食べ尽くします!

◆伝える人情報


▶菅 梓(https://yahabibi.jp/)
パレスチナ料理研究家
都会から難民キャンプまで一般家庭にホームステイしパレスチナの生活の味を研究。パレスチナの音楽フェスやアート業界にも強くアートコレクターでもあり、パレスチナ音楽専門でDJとしても活動中。
パレスチナの豊かな文化を中心に世界の繋がりを発信している。

▶内藤直樹
1988年兵庫県生まれ。
スリランカ・スパイス料理研究家、食の記録作家。
パプアニューギニアでの料理指導、フレンチレストランなどを経験。
2018年よりスリランカの田舎から都市までの各地の家庭を訪問、ビリヤニ専門店に勤務し料理を学ぶ。
現在は福岡を中心に日本各地で、カレー作り、料理教室を行っている。
今後は、スリランカから北上し、ヒマラヤの奥地までの食の風景を記録し、発信することを目標としている。スリランカ・スパイス料理研究家、食の記録作家。
スリランカの田舎から都市までの各地で料理を学ぶ。
その土地の風土に暮らしを、食を通じて伝えるFood Tripを企画している。

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パレスチナを愛し、パレスチナ料理を研究しているAzusaさんは今までにもたくさんの関連イベントを開催しています。

パレスチナのワインとアラックを楽しむ会、パレスチナ音楽を楽しむ会、Levant  to Maghreb、キャンプ飯…

内藤さんはイベント的にスリランカカレーやビリヤニを作られている方。

今回はスリランカ meets パレスチナ 一つのお皿でスリランカとパレスチナが融合する瞬間を味わいます。


◆スリランカへの想い

Azusaさんのイベントページでこちらのイベントを見つけた時、スリランカへの想いが戻ってきました。

スリランカと言えば、私にとっては紅茶の産地。スリランカには苦い思い出があります。紅茶のインド・スリランカ研修旅行に行こうと内金まで入れていたところ、両親の大反対を受けキャンセルすることになりました。体調が優れなかったこともありますが、このまま自分のやりたいこともできなくなってしまうのかと、スリランカ産の紅茶を飲むこともつらくなる日々でした。それから、紅茶の産地を訪れたいという想いは封印したまま、今に至っています。

今回はパレスチナだけでなくスリランカの味も楽しめるということを知り、どうしても参加したいと、azusaさんに「1人でも大丈夫ですか」と問合せ、参加することにしました。

◆名前のないお店が分からない・・・

ビル名を確認し、2階へ向かいます。階段を上ると、混み合った、明るい照明に照らされた雰囲気の良いコーヒー店が。中をのぞきますが、カレーやスパイスの香りはなく、Azusaさんの姿も見えない。一旦下まで降りてビル名を確認しますが、やはりビル自体は合っている様子。入店までのハードルが高く、少しくじけそうになりながらも、もう一度2階へ向かい、コーヒー店でイベントについて尋ねると、隣の黒いドアに案内されました。「分かりにくいですよね、たぶんこちらだと思いますよ」とドアを開けてくださる親切さ。次回は先にコーヒーを頂きに上がります。親切なスタッフさんに感謝します。

ジャズが流れ、大きなポートレートとミラーボールの光にゆるやかに照らされた店内。既にカウンター席は埋まっており、オトナの雰囲気とスパイスの香りが漂っていました。

店内にはAzusaさんの姿が、ほっと一安心できました。カウンター席はいっぱいだったため、奥のソファー席を一人で使わせていただく贅沢。一人でも好意的に迎えてくださると、興味のある場所に参加しやすくなります。

◆メニュー

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◆パレスチナとスリランカを味わう

もう迷うことなくプレートをオーダー。お皿の中心に盛られたお米、加工用にパレスチナとスリランカのお料理が赤、黄色、緑、茶色とカラフルに盛り付けられています。

鮮やかなビーツの赤、さわやかなワサビ菜の緑、ココナツとレンズ豆のカレーの優しい黄色、食べる順番もあちらこちらと進めていくと、刺激的な辛さもあれば、自然でやわらかな甘みを持った辛さ、鼻にふんわりと抜けていく清涼感のある香りの中で行き来し、食欲をそそるのがよく分かります。

▷豆知識
▶パレスチナ料理は
占領下にあるパレスチナ人にとってアイデンティティとも言える。それぞれの家庭独自の工夫があるのは世界共通。
中東の強い太陽の下食べられるお料理は野菜も豊富で東地中海のハーブ使いは日本人にも好まれる。
▶スリランカのシンハラ料理は、
「甘味、辛味、塩味、酸味、渋味、苦味」の六味が揃っているのが特徴で、混ぜ合わせることで味覚の調和が起こり、一つの完成となる。
また仏教の思想を反映した野菜料理が多く、満月の日は殺生を避ける。

スパイスにはラサ(六味)というものがあるそうです。これについては、私が多少かじった知識で書くよりも、内藤さんが温めている内容を近々noteを書いてくださると確約を頂きましたので、是非そちらをご期待ください。

◆お二人に通じる想い

今回のテーマでもある【Eat the harmony 調和を味わう時間】スリランカ meets パレスチナ 

一つのお皿の中でスリランカとパレスチナが出会い、調和を味わう。パレスチナもスリランカも私たちにとっては遠い異国。ここで今何が起きているか、これだけSNSやインターネットが当然の時代になったにもかかわらず、興味を持たなければなかなか情報は入ってくることはありません。。しかも、ニュースとして伝えられる内容はセンセーショナルなものが多く、日常の暮らしぶりや人々の営みについてはなかなか知ることもできない現状です。Azusaさんは市場で働く方に直接「その料理の作り方教えて」と話しかけて仲良くなり、お家までお邪魔する仲になったり、難民キャンプ出身のお友達と一緒に難民キャンプにステイしたり、何をするにも垣根がないのが大きな魅力のひとつです。

「私は常にマイペースにやりたいことをやっているだけ」

そう話すAzusaさんは芯の通った、正義の方だと感じます。

どんな状況下でも庶民の日常がある。遠い場所で起きているから関係ないこと、知らないからわからないのではなく、世界を知るために自らがアンテナを巡らし、自分に引き寄せて考えることの大切さを思うのです。

内藤さんのことは、「少し量が多いからよかったら飲みませんか」と一人で参加している私にコーヒーをシェアしてくださったお客様からお聞きしました。

大学卒業後企業に就職、その後、海外青年協力隊としてパプアニューギニアに渡り、現在はスリランカのスパイス料理を研究されている方。イベント的に各地へ出向き、料理をふるまっていて、先日は仙台にも言っていたんですよ。僕は彼の想いに共感したサポーターみたいなもんです。追っかけて歩いてると笑顔で教えてくださいました。

この人が作る料理だから食べに行きたい、この人を応援したい、この人が語る話を聞きたい、そう思わせてくれるお二人のイベントなんです。

期せずして同じポーズをとる二人。

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◆お客様同士のあたたかい会話

窓全開の店内で、あるスパイスを炒めるたびにくしゃみや咳が始まります。やはり刺激があるんだな、と思いながら香りを感じるのが楽しくもあります。

新しくお客様が入店すると、Azusaさんや内藤さん、そしてお客様同士で紹介が始まります。どんな方なのかが分かるため、ひとり置いてけぼりにされることはなく、むしろ、店内の主のような顔をして会話に参加することができました。

会話の内容も多岐にわたり、人道支援、メイク、noteで書いている内容、最近読んだおすすめの本、住んでいる場所、大人の相談事とあちこちに話題が飛びながらも、店内のすべての方とお話を楽しむことができました。

なんだか不思議な感じです。私が知っているのはAzusaさんだけだったのに、今日のこの場に集まったことがきっかけになり、話が弾む。大勢の中で知らない人と話すことが苦手な私が、何故ここまで深い話ができるのだろう、なぜこんなに興味深く話を聞いてもらえるのだろう。食のイベントだったせいか、食べながら、飲みながら話が弾み、自分の背景も伝えやすかったのでしょうか。それともこのお二人の想いに賛同した方が訪れるイベントだったからでしょうか。

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最後にアラブコーヒーをオーダーしました。Azusaさんは作りながら、私に「粉を挽いたコーヒーを直接煮出すので、下に粉が溜まるから、上澄みをゆっくり飲んでください。おしゃべりを長ーく楽しむために、上澄みを飲んでいくんです」と教えてくれました。

カルダモンの香りがするそのコーヒーは、少しずつ味わっておしゃべりを楽しんで、ゆっくりゆっくり時間をはぐくむためのものなんだなと感じました。

◆ひとりでイベントに参加するということ

時が経つのは早く、あっという間に帰らなければならない時間に。

「ひとりでも全然寂しくありませんでした、ありがとう」と伝えると、

ひとりだから、みんなお話ししやすかったんですよ

こんな出会いが生まれる、大人のイベント、人見知りでもひとりでも怖くありません。むしろ一人で参加する方がよいこともあるんですね。

温かい雰囲気の中で元気の出る味を楽しんで、世界の広さを自分に引き寄せ、新しい出会いに感謝。



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名残惜しくて、外観を撮ってから、さよならしました。


ちなみに福岡にお住いの内藤さんは、水曜日と金曜日に直方市でランチ会を開催中。


▷場所
▶囲炉裏
福岡県直方市新町1−4−31
https://g.page/irorimelike?share
▷営業日
水曜・金曜日(3月6日は福岡市で出店)
▷時間
12:00- 15:30ほど

そして、有言実行。ラサ(六味)の考え方についてnoteをアップしてくださいました。

内藤さんのnote、よろしければこちらからご覧くださいね。

Azusaさんはサークル活動を開始されましたよ。




◆Azusaさんや内藤さんのイベントは主にフェイスブック、Peatixなどで確認できます。今後もイベント情報を要チェックです。


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