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遊びと創造性の関係

TED Talk : Tim Brown

大人になると、周囲の仲間からの判断を恐れ、自分自身のアイデアを話すことを恥ずかしく思ってしまう。

子どもの時は描いた絵を喜んで周りに見せる。ところが歳を重ねていくにつれ、徐々に見せることに恐れを感じるようになるのである。ある研究では、安心し、信頼できる環境の中で子どもはより自由に遊ぶ、ということがわかっている。

大人になると新しい状況に出会した時、それを分類する傾向がある。できるだけ早くその状況に対応したいからである。同時に、「編集」も行っている。それは自らのアイデアを自己検閲し、自分で何かすることを止めてしまう。自分がオリジナルでありたいと思うことも、編集の一つなのである。

子どもの遊びを「デザイン」という仕事と結びつけた時、学ぶべき3つの考え方がある。

①量を求める探索 子どもは新しいものと出会った時「これって何?」という疑問と同時に「何ができるんだろう?」という問いも浮かぶ。これはいろいろな可能性を検討するために重要なスタンスで、学ぶべき遊び方の一つである。これを実践するには「判断を控えよ」というようなルールを設けることで大人は実践しやすくなる。

②プロトタイピング 積み木などを作っては壊す、の繰り返しによって様々なことを学習していく。完成度の低いプロトタイプをたくさん作ることによって、結果として考えを前に進めていくことができる。いろいろなものを作り出すことができるよう、環境を整えることが重要である。そう、幼稚園のように。

③ロールプレイング 体験というもののデザインを考える時、何かを作るのではなく実際にやってみる、ロールプレイングが大切である。子どもが消防士になり切っている時、どんな風に感じるのか、を知りたいという側面を持つ。つまり体験によって得られる感情を知ったり、実体験によって生まれる問題が浮かび上がったりするのである。

どのように遊ぶか、ということも重要だが、いつ遊ぶのか、という観点も重要だ。アイデアを探索している発散段階では遊びが重要に。それらをつなぎ合わせて解決策を見出し発展させる収束段階では、大人の真剣さが必要になる。

プロとして真剣に取り組むことと、子どものように遊ぶことは同時に行うことができる。


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