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Java Scriptの基本その5 "use strict"を使おう


イントロダクション

JavaScriptにおいて、"use strict"という宣言をコードの先頭に書くことで、厳密モード(Strict Mode)を有効にすることができます。このモードを使うことで、コードの安全性やパフォーマンスを向上させることができます。本記事では、"use strict"を使うべき理由を具体的に解説します。

1. エラーチェックの強化

通常のモードでは見逃されがちなエラーを、厳密モードでは厳しくチェックします。例えば、未宣言の変数を使用すると通常モードではグローバル変数として自動的に定義されますが、厳密モードではエラーになります。
例:

"use strict";
x = 10;  // エラー: x is not defined

これにより、変数のスコープ管理が徹底され、意図しないグローバル変数の作成を防ぐことができます。

2. セキュリティの向上

厳密モードでは、セキュリティリスクを減少させるために、いくつかの制限が追加されます。例えば、eval関数を使って新しい変数や関数を定義することが制限されます。

例:

"use strict";
eval("var x = 2;");
console.log(x);  // エラー: x is not defined

このように、厳密モードではevalの使用が制限されるため、コードインジェクション攻撃のリスクが低減されます。

3. 予約語の保護

厳密モードでは、将来のJavaScriptバージョンで予約される可能性のある単語の使用が禁止されます。これにより、将来のバージョンへの互換性が保たれます。

例:

"use strict";
var implements = 5;  // エラー: Unexpected strict mode reserved word

このように、厳密モードを使うことで、将来のJavaScriptのバージョンアップに伴うコードの変更を最小限に抑えることができます。

4. 不正確なthisの防止

厳密モードでは、thisの値が明確に定義されます。関数内でthisが未定義の場合、通常モードではグローバルオブジェクト(ブラウザではwindow)を指しますが、厳密モードではundefinedになります。

例:

"use strict";
function myFunction() {
    console.log(this);  // undefined
}
myFunction();

この機能により、thisの意図しないバインドを防ぎ、コードの予測可能性が向上します。

5. パフォーマンスの向上

厳密モードでは、JavaScriptエンジンがコードの解析と実行を最適化しやすくなります。一部の最適化が可能になるため、コードの実行速度が向上する場合があります。例えば厳密モードを使用することで、不要な変数の作成やスコープチェーンの短縮が可能になり、結果としてパフォーマンスが向上することがあります。

まとめ

厳密モード("use strict")を使うことで、エラーチェックの強化、セキュリティの向上、予約語の保護、不正確なthisの防止、そしてパフォーマンスの向上など、多くの利点があります。これにより、より安全で効率的なJavaScriptコードを書くことができるようになります。

JavaScriptのコードをより堅牢でメンテナブルにするために、"use strict"を積極的に活用していきましょう。


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