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【note投稿を再開します】コロナ患者とその家族の現実①(8/12発熱)

8月15日以来の投稿となります。この日以来、突然投稿をストップした理由についてお伝えしたいと思います。

僕は妻と2人で暮らしていますが、妻がコロナウイルスに感染してしまったのです。時期は8月の中旬で、第5派の真っただ中。医療崩壊が目に見え始めた頃でした。

僕は妻が発熱した時無症状でしたが、一緒に暮らしているので濃厚接触者ということになります。したがって自宅待機となり、仕事にも行けなくなりました。基本毎日「学童クラブ日記」を投稿していたのですが、それもできなくなったのです。

そこから待っていた日々は、地獄のようでした。

これまでの人生の中でも味わったことのない、恐怖との闘いでした。

「神様は乗り越えられる試練しか与えない」などという言葉がありますが、そんなのはただのキレイ事にしか感じないくらいの恐怖。

このような経験は、避けられるなら絶対に避けて通った方がいいでしょう。

しかし、その恐ろしさは味わったものにしかわかりません。

■罹患した患者の病状だけでなく、その家族の辛さとはどのようなものか

■感染が落ち着いてきた今、日常に潜むコロナの怖さがもう過去のこととして忘れ去られないように

■今同じような経験をされている人、またはこれから訪れるかもしれない第6波において同じような境遇に置かれてしまった人の支えになれるように

テレビでも重症者のニュースや実態が取り上げられていましたが、それよりももっと具体的で、リアルな事例として僕の経験を多くの人に知ってもらいたいと思います。

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8/12(木)妻の発熱
学童クラブ職員にとって、1年でもっとも忙しい夏休み。とてつもない暑さの中、朝早くから出勤し夕方まで子どもたちと過ごす毎日のさなかでした。

僕も妻も、別の施設ではありますが学童クラブの職員です。お互いに疲れをためないよう、早寝早起きを心がけなんとか日々を乗り切っていました。

この頃、妻は妊娠7か月の最後の週、27週に入っていました。
もう誰が見ても妊婦だとわかるくらいにおなかは大きくなっていました。

この日は妻の妊婦検診の日でした。僕は早番だったので17時頃には家に帰っており、妻の検診の帰りを待っていました。


すると妻から携帯に連絡が入りました。

「今終わったけど、なんだか体がだるくて重い。タクシーで帰るね。」

家から病院までは少し距離があるものの、歩いていける距離です。心配でしたが、タクシーなら安心だと思い、とにかく帰りを待つことにしました。

車なら10分もあれば着く距離ですが、なかなか帰ってきません。

こちらから連絡してみると、

「タクシーが捕まらない。仕方ないから歩いて帰ってる」との返事。

重たいおなかで、猛暑の中、体調も悪い。大変だと思い自転車で迎えに行きました。(車は持っていないので)

家からほど近い場所で妻と合流しました。妻の顔を見るなり、明らかに辛そうなことがわかりました。

こんなときにタクシーが捕まらなかった運の悪さを呪いながらも、なんとか家までたどり着きました。

服を着替えて検温すると、38.3℃。

すぐにベッドに入りました。

「まさか、コロナじゃないよね??」
「コロナだったらどうしよう。。」

2人とも口には出さないけど、思っていたことです。

「妊婦は体のリズムが崩れることも多いから、一晩寝れば大丈夫だよね!」「もしくは、ただの夏バテっしょ!」と気休めのように言って無理やり不吉な予感から逃れていました。


その日の夜、熱が高くて眠れない妻は僕が買ってきたポカリスエットを飲んでいました。

そこで僕が質問しました。

「そのポカリ、味する??」

妻は「うん、味は感じる。だから大丈夫だと思う」と答えました。


それを聞いて、「やっぱりそうだよな!」と安心して晩ご飯を食べ、僕はのんきにお酒も飲んでいました。

その直後、妻の母から妻の携帯に電話が入りました。

内容は、先日会った時のお礼でした。実は8月1週目の3連休で、僕たちは新幹線で妻の実家に帰省していたのです。

容態の悪い祖父に会いに行くのが目的でした。

電話を切る直前に義母が言いました。
「東京は最近感染者数が異常なくらいに増えてるわね。もうどうなってるのかしら。くれぐれも気を付けてね」

ドキッと自分の胸がざわつきました。
この日の東京の感染者数は4989人。

その言葉を聞いて、今、妻が発熱して寝込んでいることは、義母に伝えられませんでした。

僕も明日は仕事を休む連絡を入れて、早めに寝ることにしました。

まだ、迫っている恐怖に気が付かず、根拠のない「大丈夫だろう」という思いに身を任せていたころです。

8/12の記録はここまでです。

また次回、続きを書きたいと思います。





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