「情報過多時代」を生きる子どもたちに向けてできることとは。
日常的に小学生が使っている言葉
・「○○すぎて、マジで草生えたわ」
・「お前チート使ってる」
・トラブルになったとき、相手に向かって「チー牛のくせに」
・「今日の夜9時に、フォートナイトのオンラインで合流な」
これらはすべて、僕が学童クラブで働く中で子どもの口から実際に聞いた言葉です。全部、小学1~3年生が言った言葉です。
そのような言葉を聞いて僕はこう思います。
時代は変わったな。 と。
自分が小学生の時には存在しない言葉ばかり。いわゆる「ネット用語」。そのような言葉を知るきっかけは、大体がYouTube、SNSなどのソーシャルメディア。
パソコンやスマホは大人が使うもの
そんな価値観は今や古く、まだ10年も生きていない児童が平気で持ち歩き、日常に使用し、視聴し、情報を得られる時代。
今はまさに「情報過多時代」です。
そのような時代を生きる子どもたちに対して、私たち大人はどのような関わりが望まれているのでしょうか。
「大人として」できること
ネットの中にあふれているもの。それは顔が見えない人の、それぞれの頭の中にある考えであったり、意見であったり…心の中にあるもの。
一言でいうと価値観です。
色々な人の価値観の中にさらされて、子どもたちは生きています。
仮に「勉強を頑張るやつなんてバカだ」という言葉を、子どもがネット上で見かけたとしましょう。
それを見た子は「そうなのか。じゃあ、宿題なんてやらなくてもいいか」という思いを持つかもしれない。
「勉強を頑張ること」人が正しいのか、バカバカしいのか。どのように考えるかは、その人の自由です。でも、それを発信して不特定多数の人が見ることができるのが、今の世の中。
人の考えは自由。でも、中には児童に対して悪影響になる表現も含まれます。人のことを傷つける表現や、個人を否定するような言葉がそれに当たります。過剰な誹謗中傷による自殺はそれの最たるもの。今はネットで人を殺せる時代です。
いろんな価値観を肌で感じながら生きている子どもたちに大人ができること。それは、入ってきた価値観や情報を正しく使ったり、受け入れる方法を教えることです。
その具体的な行動
【具体例①】流行の歌
「うっせぇうっせぇうっせぇわ♪」と子どもたちは楽しげに歌っています。でもその歌詞の中には、、
くせえ口塞げや
くそだりいな
ああつまらねぇ
どうだっていいぜ
このような言葉がありますね。
例えばこれを人に向けて言ってしまったらどうでしょうか?傷つけてしまうかもしれませんね。
なので、「流行の歌を歌うのはいいけど、人が言われたら傷つく表現が入っているから、それは人に対して言ってはいけないよ」という関わりが必要なのです。
※この曲や歌詞を否定する意図はありません
【具体例②】オンライン対戦ゲーム
上にも書きましたが、今の子どもたちは公園で待ち合わせではなく、オンラインゲーム上の「同部屋」で待ち合わせをしているケースも多いです。すごい時代になりました。
当然、2人だけでの部屋ではありませんから、他にも顔の見えないオンライン上の他人と一緒にゲームをしたり、チャットをしたりするわけです。
・ネットでの他人とのやり取りで気を付けることは?
・自分の情報をどこまで渡していいのか?
・課金の怖さ
・ネット依存にならないか
などなどを教えていく必要があります。
具体例③【ネット用語】
例にも挙げましたが、
「○○で草」「くそわろた」「チー牛」
などなど。
これらの言葉は、もはや使うなと禁止するのは不可能と考えた方がよいでしょう。親や先生相手に使っている場合はもちろんきちんと正すべきです。しかし、友達とのやり取りで円滑な関係性を保ちつつ使っている分には、大人はそれを受け入れるべきです。
それ以上に、大人が見るべきは言葉づかいではなく「関係性」です。
本当にその相手の子と、「友達関係ができているのか?」という視点です。
友達関係があるかないか、判断基準は「思いやりを持てているか」。相手のことを考えて行動できていれば、問題ないでしょう。
しかし、「マウント」という言葉があるように、自分が優位に立ちたいがために近しい関係の子を利用する場合があります。
小学生低学年でも、です。特に女の子に多い傾向です。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉を教えてあげたいですね。
時代とともに、大人もアップデートしよう
きっと10年後、20年後には今は想像もできないような新しいコンテンツや流行、傾向があることでしょう。
それに伴って、「価値観」は変わっていきます。
「常識」も変わってきます。
結論は、そんな変化の多い時代だからこそ、子どもたちを守れるように大人も考え方をアップデートさせないといけないということです。
学童クラブという、時代の申し子がたくさんいる場所で、僕は今後もオープンな心で、価値観を受け入れる準備をしていきたいと思っています。
お子さんがいるご家庭では、情報や人の考え方についてどう捉えていくのがよいか、お子さんと話し合ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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