コロナ患者とその家族の現実②(8/13PCR検査)
朝、僕が目を覚ますと妻も目を覚ましていた。
熱は37℃代に下がっており、平熱ではないがとりあえず一安心。
しかし、食欲はないという。
僕が軽くそうめんなどを茹でて、一応は食べた。
「やっぱり、味は感じるなぁ。」それを聞いてさらに安心。
しかし、昨日と比べて違った症状があった。
それは鼻づまり。明らかに鼻声になっている。
のどの外側も痛いらしい。
典型的な風邪の症状だ。
コロナは風邪の症状から始まるということはもちろんわかっていたけど、あえてその可能性を考えないようにした。
「たぶん大丈夫」と自分に言い聞かせ、朝食を食べた。
とにかく病院に行かなければいけないので、近くの診療所に電話した。
予約は12:30に取れた。
3時間ほど猶予があるので、妻はベッドに戻り、僕は家の掃除や洗濯などを済ませた。時間があると落ち着かないので、そのあとはゲームとかマンガを読んで過ごしていた。
ようやく時間になり、2人で診療所に向かう。
この頃、発熱した患者は専用の出入り口を用意され、別のところから院内に入った。おそらくどこの病院もそうしているのだろうと思った。
予約制にしているからか、他の患者は少なかった。にもかかわらず、待ち時間はすごく長かった。熱がある妻には辛い状況だ。
ようやく受付の方が問診票を持ってきてくれた。
同時に、熱を測った。
僕は平熱だったが、妻は37℃代後半に上がっていた。
静かで暗い病院の雰囲気のせいか、にわかに不安感が押し寄せてくるようだった。必死に押し殺して時がたつのを待った。
ようやく名前が呼ばれた。
しかし、医師のいる部屋に入っていくのではなく、広い通路に呼び出されてそこでPCR検査を受けることとなった。
唾液を出さなければいけないので、僕と妻はパーテーションで居場所を分けられ、少し待った。ほどなくして検査が終わり、医師の問診となった。
医師は、妻の症状を細かく聞いて、のどを触って痛みがないかなどを質問していた。
その後、医師が示した見解はこうだった。
「副鼻腔炎でしょうね。」
「コロナの可能性は低いね。もちろんゼロであるとは言えないけれど、妊婦さんは免疫が弱まっているからこういうのはかかりやすいんですよ。」
「PCR検査の結果が陰性だったらまた来てください。そのときは妊婦でも安心して飲める薬を用意しておきますよ」
なんだ、やっぱりそうだよな。そんなわけはない。
職場の人の中にも数人、発熱して検査を受けたけど全員陰性だったし、うちの妻に限って、陽性ということはないだろう。
検査の結果は、明日の夕方に電話をくれるということだった。
PCR検査を受けた人は、その結果がわかるまでは薬などの処方はしないことになっているようで、そこだけ不満と不安はあったものの、医師が「副鼻腔炎」というならそうなんだろう。
と納得して、とりあえず安心して家に帰り、安静にした。
が、安心したのもつかの間だった。
日中は平熱に下がって眠れていたものの、夜になると熱がグッと上がった。ただでさえ真夏の時期。エアコンをガンガンにつけても、暑くて眠れないようだった。
氷枕などは家になく、ビニール袋に氷を入れておでこに当てるくらいしかできなかった。
妻の呼吸が荒く、すごくしんどそうだった。
検査の結果がわかれば、薬がもらえる。それまでの辛抱だから。
そう声をかけてなんとか乗り切るつもりだった。
その夜中に、僕は目を覚ました。
隣で寝ている妻が咳をしている。その音で目覚めたのだ。
「今まで咳は出ていなかったよな。。」
様子を見に行くと、高熱に顔をしかめて苦しそうな妻の姿があった。時々、咳が出るようだった。
免疫が弱まっているから、、と励まし、一度水分をとって、気分が落ち着くまでそばにいた。
その後は、お互いになんとか眠りについた。
この日の僕は、8/12の学童日記の更新もしています。まだそれくらいの心の余裕はあったようです。
翌日の様子はまた次回書きたいと思います。
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