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社外取締役に聞いた!ジャフコ グループ株式会社・西日本支社長の高原氏から見たフルカイテンの強みと課題

弊社は、2026年に見据えるIPOの準備を本格化させるにあたり、2023年11月1日付で弊社のリードインベスターであるジャフコ グループ株式会社・西日本支社長の高原瑞紀氏が社外取締役に就任しました。

プレスリリースはこちらからご覧になれます。

今回は、弊社の社外取締役に就任した高原さんに、弊社との2年半を振り返って、大変だったことや嬉しかったこと、出資の決め手、弊社への期待と課題、趣味などを伺いました。インタビューの中で高原さんは、「より一層フルカイテンの提供価値に貢献するため、私も当事者として一緒に答えのない問いを考えたい。」と話していました。その真意についてもよく分かりますので、最後まで楽しんでいただけますと幸いです。


はじめに

左:高原さん(ジャフコ グループ株式会社・西日本支社長) 右:筆者(斉藤) 

【斉藤】今日はありがとうございます!高原さんが西日本支社長を務めていらっしゃるジャフコ グループ株式会社様からは、2021年6月に初めて出資をして頂き、約2年半にわたり弊社に伴走してくださっています。今日はその2年半での出来事やこれからに関して伺いたいと思っています。

【高原】ありがとうございます!何でも聞いてください。

【斉藤】今回のプレスリリースに掲載した高原さんのお写真は真面目なテイストでしたが、寄せて頂いたコメントはかなりエッジが効いていましたね!

ご出資をしてから約2年間、社長である瀬川さんを筆頭とする経営陣とたくさんの時間を過ごさせて頂きました。次々と現れる経営課題に対して、常に真正面から、ときに「やりすぎちゃうか」と心配するほど「ド」真面目に向き合って解決する経営陣の力強さを近くで感じてきました。

フルカイテンのSlackにも入れて頂き、また、オフラインの交流にも参加させて頂き、職種を問わずメンバー一人ひとりが持つ、高いプロフェッショナリティと、「もっと在庫を回したるんや!」という高い熱量が、フルカイテンの高成長を支えていると心底分かりました。

今回取締役会設置会社に移行するにあたり、自然と「取締役の立場からもっと会社を回したいんや!」という気持ちになり、今回就任させて頂きました。
「世界の大量廃棄問題の解決」というミッション実現に向けた旅路はまだ途上です。これからも数多のチャレンジが待ち受けていると思います。自分が持つもの全てを出して、貢献して参ります。

フルカイテン プレスリリースより

弊社代表の瀬川は「高原さんも写真でパンチを出せず気の毒ではあるで。」と話しており、コメントで少しボケてほしいというフリにしか聞こえなかったのですが、エッジのきいたコメントを考えるのは大変でしたか?

【高原】ご投資先のプレスリリースにおいてコメントをする機会は多いのですが、その会社の社風をふまえて、自分がどのトーンのコメントをするか考えています。フルカイテンの場合で言うと、フランク過ぎてもカチカチに堅すぎるコメントをしても、フルカイテンの良さは伝わらないだろうなと思いました。

毎回絶妙なバランス感が必要ですが、フルカイテンはお笑いに対してもストイックなので、更にバランス感を求められます(笑)。

個人的には、いつも遊び心を忘れずにコメントをしたいと思っています。

弊社との2年半の中で大変だったこと、嬉しかったこと

【斉藤】ジャフコ グループ株式会社様には、2021年6月に初めて弊社に出資をして頂きました。それから2年半が経ちますが、大変だったことや嬉しかったことも教えてください。

【高原】まず嬉しかったことからお話しします。

①MRRが着実に伸びている
フルカイテンが提供する在庫分析システム「FULL KAITEN」が、お客様に受け入れられていることが分かります。

②ミッション、ビジョンに共感した優秀な人材がジョイン
非常に優秀な方々が、フルカイテンのミッション「世界の大量廃棄問題を解決する」とビジョン「スーパーサプライチェーン構想の実現」に共感してジョインしているので、会社としてできることがどんどん増えています。これはMRRが着実に伸びているところにも繋がっており、成長を感じています。

③小売のドメイン知識が豊富な人材が顧客の課題に寄り添っている
FULL KAITENを導入した後の顧客支援は非常に重要ですが、フルカイテンは小売業の経験があり、且つミッションとビジョンに共感したCS(カスタマーサクセス)がお客様の課題に寄り添っています。フルカイテンのボードミーティングでCSの支援に関して聞くにつれ、やはり『企業は人』とも思います。フルカイテンが提供しているサービスは、お客様の課題解決に繋がっていることを実感できます。

【高原】大変だと感じるのは、「難しい社会課題に挑戦している」ことです。
フルカイテンは世界の大量廃棄問題という非常に難しい社会課題に挑んでいます。ですから、ミッションとビジョンが輝いて見えます。簡単な目標ではないということです。大量廃棄問題や在庫に関する問題は1990年代からありますが、30年経っても解決されていない課題です。これがどれだけ難しい課題であるかを証明していると思います。

フルカイテンは、この社会課題に対して正面からアタックをしており、会社として事業を伸ばしながら、「もっとできるはずだろう。でも、どうすれば上手くいくのか?」ということをボードの皆さんと様々な形で議論してきた2年半だったと思います。

【斉藤】上記のような話を弊社のボードとする際は、どのような雰囲気ですか?

【高原】何社か社外取締役をさせて頂いていますが、その中でもフルカイテンのボードは群を抜いて真面目です。時に「それはいき過ぎてるのではないか?」と思うくらい真面目です。思っていることをきちんとディスカッションして決めていくところは、2年半、ほぼ毎週ボードミーティングに参加させて頂いて節々に感じています。

加えて、フルカイテンのボードは『1歩目の踏み出す納得感』を大事にしているので、言葉を尽くして議論をすることを重視している印象があります。

2023年6月の出資にあたり、どのような議論をしたか

【斉藤】2023年6月に、弊社はジャフコ グループ株式会社様が運用する投資事業有限責任組合をリードインベスターとして、三菱UFJキャピタル株式会社様や株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ様などから計8億円の出資をして頂きました。

プレスリリースはこちらからご覧になれます。

出資にあたり、貴社内ではどのような議論をしましたか?

【高原】フルカイテンには、2021年6月と2023年6月の計2回投資をさせて頂いています。1回目の投資時は、以下の論点がありました。

・そもそもFULL KAITENの提供価値とは何なのか
・お客様はFULL KAITENの製品を評価してくださるのか
・在庫の問題が長年解決されない理由

1回目の出資は、上記を代表の瀬川さんやボードと議論して、仮説を立てた上で出資しました。

2回目の出資では、以下の解像度を上げました。

・1回目の出資時に立てていた仮説に対して、何が合っていて何が違っているのか
・違っている場合は、どのような背景があり、どのように解決するのか

全てが上手くいくわけではないので、上手くいったこととできていないことを整理しました。その上で、追加の資金調達で集めたお金をどのように使うのか解像度を高めたことが2回目のポイントでした。

【斉藤】高原さんは毎週開催されているボードミーティングに参加していますが、仮説への解像度は上がっていますか?

【高原】上がっています!ボードミーティングに参加する前は、代表である瀬川さんからお話を伺ったり、場合によってはお客様からお話を伺ったりして肌感を掴んでいました。出資後は私も毎週ボードミーティングに参加させて頂いており、「このお客様がFULL KAITENをこんな風に使っているのか!」や「このお客様はこういうところに不満があるようだな。」と分かるようになりました。

もちろん、報告を聞くためだけにボードミーティングに参加しているわけではないので、気になる点やこういう観点で考えた方がよいと感じた際は徹底的に議論します。意思決定をする際に材料が必要なので、「最低でもこのような材料ですが、材料がまだ柔らかいので、こういう風にした方が良いかもしれません。」とコメントするようにしています。

【斉藤】そのコメントに対して、弊社のボードの反応はいかがでしたか?

【高原】「そうですね。」や「それは違います。実はこうなんです。」とフラットに返答してくださいます。フルカイテンのボードは真面目だと言いましたが、もう一つキーワードを挙げるとしたら『フラット』です。お互いにフェアな関係でいられるのはとても良い事だと思います。お互いへのリスペクトを持った上で、ボードの関係がフェアだと感じます。

フルカイテンへの出資を決めた理由

【斉藤】弊社に出資してくださった理由を教えてください。

【高原】「世界の大量廃棄問題を解決する」ことの難しさはペインの深さと比例しており、改善できた時のインパクトが大きいと感じました。もう1つは、本源的には代表である瀬川さんの存在です。瀬川さんはベビー服のEC経営で3度の倒産危機を経験しており、小売事業と在庫に対するドメイン知識が深いです。この2点があったので出資をさせて頂きたいと思いました。

2回目のご出資は、1回目のご出資で立てた仮説の答えがある程度合っていたので、この道を突き進んで頂くために、フルカイテンの挑戦を支えていくことは弊社がすべき役割だと思いました。

投資したからには、徹底的に支援をさせて頂くのが、ジャフコ グループのポリシーでもあります。

高原さんが思う、代表・瀬川と組織の強み

【斉藤】前章で、弊社に出資をしてくださった理由の一つに代表である瀬川の存在を挙げていましたが、詳しく教えてください。

【高原】経営者としての瀬川さんも、人間としての瀬川さんも『まっすぐ』です。事業に対してもですし、自分が人生で大事にしている価値観に対してもです。

まっすぐが故に、まっすぐではないものに対して、大きな違和感を鮮明に感じるのだと思います。だから、違和感がある時ははっきり発言しているところを、この2年半見てきました。

起業家は皆まっすぐですが、瀬川さんはこの『まっすぐ』が外向けにきちんと分かりやすく出るタイプです。誰に対してもまっすぐなので、瀬川さんの話を聞いてFULL KAITENの導入を決めるお客様も多いのだと思います。

【斉藤】瀬川は「私はこれが言いたかったんだ!」という潜在意識を言語化してまっすぐに伝えてくれるので、瀬川と話していると壁にぶつかっていたとしても霧が晴れる感覚になります。

【高原】分かります!それに、瀬川さんはベビー服のEC経営をしていた時に自身が在庫で悩んだ過去があるので小売業のドメイン知識も豊富で、数字と統計に強いという強みもあります。

組織の強みにも繋がる話なのですが、FULL KAITENの事業をする場合、大きく分けて3つの能力が必要です。

①SaaSを作る能力
当然ながら、製品を作る能力が必要です。

②統計に強い
FULL KAITENは統計の理論を用いているので、この分野の造詣が深くないとSaaSを作ることはできません。

③小売のドメイン知識
ここが最も重要だと考えています。なぜなら、お客様はFULL KAITENという製品が欲しいのではなく結果が欲しいからです。お客様が成果を出すために製品を導入して頂き、さらにその業務自体をどう変革していくかに対してフルカイテンの中で一定の答えがないと成果に至らないと思います。
もし小売業の事をよく知らない人がFULL KAITENを販売して、「使い方はご自由にどうぞ!」と言っても成果が出る性質のものではないと思います。

この3つが揃わないとお客様に価値提供ができないのがこの領域の難しさであり、3つ揃っていることがフルカイテンの強みだと感じています。

【斉藤】弊社の組織に関して強みを挙げるとしたら、いかがでしょうか?

【高原】今は私の役割も変わりましたが、以前は私が採用の一次面接をすることもありました。その際は、採用のピッチデックを使って面接をしていたのですが、私がいつも言うワードが2つありました。それは、フルカイテンはお客様の成果創造にすごくストイック。でも、それと同じくらいお笑いに対してもストイックである、ということです。

組織としてFULL KAITENを導入するお客様の成果創造にめちゃめちゃストイックです。この点は、フルカイテンの人事理念である「お客様の成果に貢献する人を評価する」にも強く反映されていると思います。この人事理念を体現するためのバリューとして、「価値アンテナ」「全力トライ」「スクラム志向」があり、お客様に成果を感じて頂けないと製品価値の証明にならないビジネスをしています。その課題は極めて重たい経営課題なので簡単に解決するのは困難です。ここに対して、製品だけではなくカスタマーサクセスの支援など総合的にお客様の課題解決に当たるわけですが、そこがすごくストイックだなと感じます。
ストイックを少し言い換えると、『真面目』に近くなると思います。

ですが結果にストイックという言葉だけ見ると、成果だけしか考えていない組織に見えるかも知れません。確かに成果は大事ですが、チームで戦う団体戦です。だからこそ、自分ができる能力の幅を広げてくれるのが組織だと思いますし、自分ができる限界よりもさらに力を出せるようになるのが組織だと思っています。

【斉藤】カルチャー形成に対しても、フルカイテンには信念があります。

【高原】そうですね。社員一人ひとりがコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作っていると強く感じます。例えば、フルカイテンがクォーター毎に開催しているオフラインイベント「オールハンズミーティング」の雰囲気や、その際に敢えてシュッとした写真を撮らないことを徹底している事などです。この辺は私が担当している会社の中でも、際立って真面目さがあり、『こういう社風を大事にしたい』という思いが強いのが、フルカイテンの大きな特徴だと思います。

ジャフコ グループは、出資した先の企業価値の向上に深く関わることを重視

【斉藤】高原さんは毎週のボードミーティングや、弊社のSlack、全社イベント「オールハンズミーティング」などにも参加してくださっています。高原さんのようなVCが出資先にこんなに深く伴走してくださるのは凄いことだと思っています。

【高原】ジャフコ グループは、出資した先の企業価値の向上に深く関わることを大切にしています。どのような手段でそれを実現するかは、実行する人によって個性があります。私は現場に入るプレイスタイルが好きなので、フルカイテンのボードミーティングにも参加させて頂いています。ですが、私のようなVCが急に経営会議に入ってこられても戸惑うと思うので、ご出資する前後に瀬川さんをはじめ経営陣に「毎週、ボードミーティングに参加してもよいですか?」と相談し快諾していただきました。私が会議に出席したりフルカイテンのSlackでアカウントを持っていたりすることも、ボードと社員との信頼関係がないとできないことだと思っています。そういう意味だと、フルカイテンの皆さんだからここまで関わることができていると感じます。

【斉藤】高原さんは、普段からSlack等でお話ししていたので、オールハンズミーティングでお会いしたとき初めて会った感覚がしませんでした(笑)

【高原】ありがとうございます!極力、フルカイテンの社内イベントや親睦会にも行きたいですし、色々な部署の方とも会話したいと思っています。

【斉藤】それは嬉しいです!いつも弊社とフラット且つオープンにやり取りしてくださるのは、高原さんのお人柄や仕事に取り組む姿勢があってこそなのだと分かりました。

【高原】この2年半、ほぼ毎週フルカイテンのボードミーティングに出席させて頂いていますが、それに対してボードがどう思っていらっしゃるのか聞いてみたいです!できれば、「ちょっとうるさいです。」などおいしくして頂けると嬉しいですね。毎週参加させて頂いていることは、本当に有難いと思っています。

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後日、弊社ボードに高原さんがこの2年半、ほぼ毎週フルカイテンのボードミーティングに出席してくださっていることに関してどう思っているか聞きました。高原さんから「おいしくしてほしい。」というオーダーがあったので、弊社のお笑い偏差値を試される局面でもありました。

瀬川(代表取締役CEO)
率直に言うと心強い以外の言葉がないですね。個人的には最強のVCだと思っています。
毎日のSlack、毎週のボードミーティングでフルカイテンの良い状態・悪い状態が禍福はあざなえる縄の如しのような感じで移り変わる様子を見ながら、表面的な話ではなく一緒に悩んでくれるんですよ。
知ったかぶりをせず分からないことや自信がないことは素直にそう言って一緒に頭を悩ませてくれるし、迎合せずに反対意見もきちんと言ってくれるんです。
経営者って一人ですごく感情的になることもあるのですがそういう時の話し相手にもなってくれるし、こっちが大して思い悩んでいるわけではない時でさえ先回りして電話してきてくれるし、ある時は私が寝る前の歯磨き中だった時もあるぐらい本当に心で起業家と向き合ってくれる方です。
このコメントはおいしくして欲しいというご本人からのオーダーはきっと照れ隠しなのだと思いますが、お世辞抜きに高原さんに投資してもらった経営判断がこの数年で最高の判断だったと思っています。
健康に気をつけて長生きして欲しいですね。

瀬川(代表取締役CEO)

加藤(取締役CPO)
2年以上、フルカイテンのボードミーティングに毎週参加いただき、いい意味で、社外の方であることを忘れてしまう存在になってしまいました。
なので、常識で考えると、失礼なことも平気で言ってしまっており、申し訳ない気持ちでいっぱいです!
もちろん、それ以上に感謝の気持ちでいっぱいです!

どうしても目の前の課題を解決することに注力しがちなボードチームですが、
これからも俯瞰した目線で、的確なアドバイスをいただけるとありがたいです!
引き続き、宜しくお願いします!

加藤(取締役CPO)

柳本(取締役CTO)
毎週のミーティングに参加していただいており、貴重なご意見を頂戴しています。
ボードメンバーとは異なる視点からのお考えはハッとさせられることばかりです。
また、あらゆる状況下においてもいつも粘り強くご支援いただいていることは感謝しかありません。
少し砕けた言い方で恐縮ですが、ズッ友だょ!、ということです。
引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

柳本(取締役CTO)

宇津木(取締役COO)
議論が煮詰まった時に、ボード4人では出てこないような角度で議論を引っ張ってくれます。その考え方はとても勉強になりますし、恐らく視点を動かすためのアウトプットをあえてしてくれているだろうなと思うので、なくてはならない存在です。
高原さんからボードに対してもらうフィードバックは、決して自分達では気づけないようなものばかりで、かつ良い点は尊重してくれていると感じます。これからもあえてピシャッと金言を授けていただきたいです。
模範的な休日も参考にさせてもらっています。今後ともよろしくお願いします。

宇津木(取締役COO)

コメントから、高原さんと弊社ボードの信頼関係が分かりました。

フルカイテンに期待すること、課題

【斉藤】弊社に期待することを教えてください。

【高原】2024年はフルカイテンの歴史的にも大事な年になると思っています。資金調達も一区切りし、まとまったお金が入ってきた中で、受注が伸びているトライアルの戦略をどう拡大し再現性を上げていくかが大きなテーマになると予感しています。

これを実践するためには、コアメンバーだけではなく新しいメンバーを増やし、組織としての出力を上げながら再現性を担保する極めて難しいことにトライをしなければならない1年になると思います。そういう意味でも、2024年はターニングポイントになるので期待しています。

【斉藤】この局面を乗り越えたら、見える景色が変わりそうですね。

【高原】はい!会社としてのステージが上がっていくのだろうと思います。私が瀬川さんの言葉で好きなのが、『成長は螺旋階段』なのですが、「ほんまにそうやな!」と思うんですよ。これからフルカイテンはさらに難しいことに挑戦するため、すぐには成長を感じづらいこともあるかも知れません。ですが、来年の今ぐらいに振り返った際、「ここまで来ましたね!」という風になっていたら良いなと思います。「螺旋階段」という言葉からもフルカイテンの真面目さやストイックさも感じます。

【斉藤】ありがとうございます!弊社の課題も教えてください。

【高原】先ほど「受注が伸びているトライアルの戦略をどう拡大し再現性を上げていくかしていくか」という話をしましたが、これに対して、全員が自分の力の1.5倍の力を出力できるかという点だと思います。ボードミーティングでは、組織のエグゼキューション(execution_実行)をどう最大化するかという観点で議論をするのですが、ここまでくるともう、『やるかやらないか』だと思います。

少し根性論のように聞こえるかもしれませんが、フルカイテンには戦略も資金もあるので、あとは全員が同じ方向を向いてやりきれるかどうかが課題です。

挑戦する過程で、戦略が間違っていることが分かる局面があるかもしれませんが、これはやってみないと分からないです。立てた戦略を正解にするのもエグゼキューションです。そういう意味では、スタートアップの成否を分かつポイントは、組織のエグゼキューションだと思います。

【斉藤】全員が同じ方向を向くという点は、弊社はカルチャーの部分からこだわって構築してきたので、それを活かした実行が重要になりますね。

【高原】そうですね。過度にプレッシャーをかける意味ではなく、2024年はフルカイテンのターニングポイントになると思うので、私も含め皆さんでこの変化を楽しんでいきましょう!

当事者の1人として答えのない問いを考えたい

【斉藤】社外取締役就任への意気込みや、弊社社員に向けて伝えたいこともあれば教えてください。

【高原】取り組むこと自体は今までとそこまで変わらないですが、こうして役割を頂いたからには、より一層フルカイテンの企業価値に貢献をしていきたいです。今ある人、物、金を活かしてどのように企業価値を最大化して事業を大きくするかを、当事者の1人として答えのない問いを考えたいです。答えの無い問いを考えるのは面白いので、私自身、楽しんでトライしたいです。

多くのスタートアップ支援を行う高原さんのスタンス「言葉には魔力がある」「投資先は鏡」

【斉藤】高原さんは弊社以外にも数社の社外取締役や、一般社団法人日本スタートアップ支援協会や大阪市スタートアップ企業支援プログラムでも様々な取り組みをしていらっしゃると伺いました。この点に関して、詳しく教えてください。

【高原】スタートアップを支援するアクセラレータープログラムというのは沢山ありますが、ご迷惑をかけない範囲で極力お受けするようにしています。
VCの仕事をして13年目なのですが、一貫して東京以外で取り組んでいます。スタートアップというと東京というイメージがあるかもしれませんが、地理的な格差は全く無く各地で切磋琢磨していらっしゃいます。

全国各地のスタートアップに対して、VCを13年経験してきた私の経験を踏まえて、意見交換するのは短期的な仕事というより中長期の時間軸で非常に大事だと考えています。活動を通じてスタートアップの土壌を作っていきたいと思っていますし、ジャフコ グループの仕事は農耕民族的なところがあると思っています。

【斉藤】一般社団法人日本スタートアップ支援協会や大阪市スタートアップ企業支援プログラムでは、具体的にどのようなことに取り組んでいらっしゃるのですか?

【高原】ピッチの審査員をさせて頂いたり、VC目線のコメントをさせて頂いたりしています。大阪市スタートアップ企業支援プログラムでは、メンターという役割なのですが、個人的にはメンターというと少し偉そうな感じがするので、「私はVCの仕事を13年経験してきたので、その13年間で見た中の景色で言うと、こういう風に見えますよ。」ということをお話しするようにしています。

【斉藤】メンターという言い方があまり好きではないという考えも、高原さんが相手とフラットでいたいと思っているのだと感じました。

【高原】『投資家』と聞くと何だか壁を感じますよね?私は言葉には魔力があると思っています。これは私の妻が子供にも言っていて影響を受けました。私自身は新卒でジャフコ グループに入社しているので起業の経験はありませんが、今まで自分が見聞きして培ってきた経験を元に、答えのない問いを一緒に考えたいというのが私の基本的なスタンスです。
もう一つ、妻の言葉で印象的だったのが『夫婦は鏡』です。これも仕事に置き換えると、投資先は鏡だと感じています。前章でフルカイテンの課題をお話ししましたが、投資先ができていないことがあったとして、私は自分の会社に戻ってちゃんとやれているのかは同時に問われている、と心に留めるようにしています。

趣味はゴルフと料理

週末はゴルフに行ったり、予定の無い週末は私が料理を作ったりします。

得意料理は、ペペロンチーノです。子供も私が作るペペロンチーノが好きなので、1か月に1度は作ります。

ジェノベーゼもたまに作ります。

得意料理のパスタ

ゴルフは、簡単に上達せず成長がゆるやかな螺旋階段状なので好きです。
仕事関係の方とも一緒にコースを回ったりもします。仕事のシーンから外れると、その人のキャラが鮮明に見えるので、良い関係作りのツールでもあります。

頭をまっさらにしてプレーする時間は、とても良い気分転換になっています。

ゴルフ中の高原さん

編集後記

今回のインタビューで、ジャフコ グループ様は、出資した先の企業価値の向上に深く関わることを大切にしており、高原さんは同社の西日本支社長というお立場で、そのスタイルを体現していらっしゃると強く感じました。

複数社の社外取締役や、スタートアップを支援するアクセラレータープログラムにも参加し非常に多忙な日々を送っていらっしゃると思いますが、高原さんは近日開催する弊社の社内イベントへの参加もスケジュールに入れて、「めっちゃ楽しみにしています!」と仰ってくださいました。

それに、高原さんがここまで解像度高く弊社の事を理解してくださっており、とても深い信頼関係を築くことができているため、心強いと思いました。

今後も高原さんと社外監査役の西尾さんと一緒にタッグを組みながら、事業と組織の成長を社会の皆様に応援して頂きたいと思うインタビューでした。

ここまで読んで下さりありがとうございました。


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