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倒産危機ど真ん中に、まさかの入社と個人投資!直感と初期衝動を信じて決めた理由

弊社のCPO加藤は、CEO瀬川からのリファラル入社で、約10年前フルカイテンにジョインしました。2人とも会社を支える「柱」のような存在なので、今から書くのは、これまでのリファラるふぁいるとはちょっとスケールの違う話。
加藤が入社したのは倒産危機真っ只中。しかも入社と同時に会社に300万円の投資!あまりにも濃い2人のストーリー、のっけから激動の始まりです。

二人の出会い

2人の前職は、シナジーマーケティングという大阪発ベンチャー企業の同僚でした。

加藤:瀬川さんとは、ある事業の立ち上げで一緒に働いたことがありました。ゼロイチフェーズだったこともあって、短期間ながらとても内容の濃い仕事をしましたね。この事業をどう作り上げて行く?みたいな話の中で、ずば抜けた提案力・実行力があり、やりたいことを最後までやり抜く根性を見ていて安心感もありました。「行動の人」ですね。
そして、当時から「無理難題を与えてくれそう」なワクワクする存在でした。

瀬川:自分は行動派、卓さん(加藤のニックネーム)は綿密な事業計画などを担うブレイン的存在。お互いを補い合う良いコンビでした。

入社と同時に投資!?

瀬川:起業してから最初に会ったのは、約10年前の年末。FULL KAITENより前のベビー服のEC事業をしていた時。倒産危機を迎える直前で、事業計画の立て直しについて相談したくて卓さんと会った。理由は、シナジーマーケティング時代に彼の仕事を見ていて、自分にはできないことができる人だと知っていたし、「事業計画」で真っ先に思い浮かんだのが卓さんだったから。で、今こんな事業をやっていて、こんなことで困っていると、かなり深刻に相談を重ねた。何度も会って色々やりとりをしている中、卓さんから、「ベビー服事業に可能性を感じている。今からでも立て直せるから個人的に投資をしたい」という申し入れがあった。しかも、うちで働きたいと言う。
正直、こんなに嬉しいことも心強い事もなかった。しかし、自分に卓さんの人生への責任が果たせるのか?という不安が頭をよぎった。

卓さん
当時、前職が大企業と合併することが決まり、私は半年後に辞めることを考えていました。瀬川さんから呼び出されて事業の状況を聞いた時、これは確かにやばいなと思いました。
でも瀬川さんの行動力と自分のブレインを組み合わせれば立て直せる気がしたんです。そう考えるとわくわくしました。直感と初期衝動で入社すると決めました。さらに資金が足りないとのことだったので、ポケットマネー(笑)から300万を投資することにしました。

瀬川:入社より先に入金してもらって、すぐにその資金を使って攻めまくった結果、本当の倒産危機が来た。売上は増えているのに現金は減っていくという状況で。その後卓さんに会って、投資してもらった資金をあっという間に溶かしてしまい、今いる従業員に支払える給与にも苦しむ状況だと伝えに行った。そうしたら卓さんは「瀬川さんならきっと大丈夫ですよ」と言ってくれた。

加藤:何か分からないけど大丈夫だと確信してました。ですが私の給与を払う余裕も無い状態というのも理解できたので、その頃誘われていたYahooにひとまず入社し、そっちで勉強しといて、瀬川さんの事業が立ち直った頃に改めて入社、でもいいですよと提案しました。

宮本(筆者):それって300万投資して、そのお金があっという間に無くなって、入社する気になっていたのに入社しても倒産するかもしれないと言われて、その後で言ったセリフですよね?
普通お金返せ、仕事返せって激怒する所ですよね...

瀬川:しかもその時、「Yahooより俺の方が卓さんをほしいと思っている。そもそもYahooに行って勉強するって、一体いつまで勉強する気なんですか?そろそろ今まで勉強したことを試す時でしょ。こんなに良い題材がウチの会社にあるのに」と、厚かましいことを言って、俺がYahooへの入社を止めたからね(ドヤ)しかも、卓さんに投資と入社を決意させた責任を果たしたい、一緒に乗り越えていくためにどうしてもうちに来てほしいと言ったからね(ドヤドヤ)

宮本:改めて聞くと、瀬川さんの根拠のない自信に、卓さんの直感が答えたっていう、全く中身のない状況に思えるのですが、卓さんはロジカルな人なので、きっと何らかの可能性を感じていたのですよね。

加藤:はい、不安は無かったんです。今もそうですよ。理由ですが、瀬川さんはいつも、ミッション・ビジョンがしっかりしているんです。だから、失敗したり成功したりの激しいアップダウンがあっても、ゴールに向かっている安心感のようなものがありました。
ミッション・ビジョンがお飾りの会社は多いですが、実は一番大事な事なんです。目の前の倒産危機より、先の未来を見続けて行動する、瀬川さんはその行動力と諦めの悪さが人並外れていると知っていたので。
もう1つ、瀬川さんは中途半端な事はせず、振り切ってやる人ということ。その場しのぎで別の事業を小遣い稼ぎにやるとか、本来の目的を見失うという選択はない。だからこそ攻めすぎて倒産危機まで来たんですよね。話を聞いて思わず笑ってしまいましたね。

宮本:卓さんのことだから、数字を見てたのかなと思いきや、そこでしたか。

加藤:数字や理屈よりも大事なことです。色々調査して、リスクヘッジして失敗しない選択をするという人は多いと思いますが、本当は自分が「どうしてもやりたい」という気持ち、初期衝動やワクワク感の方が大事だと思ってます。そういう転職もあるんです。

宮本:当時のオフィスのホワイトボードに「Keep on kaizen!」って大きく書かれてました。例えどんな事業を選んでも、事業の先にあるミッションだけに向かって改善を重ねれば、絶対にいつかは成功するというアツイ話を3人でしましたよね~、懐かしい。

2017年頃、雑居ビルに入っていたオフィスにて。

入社してから

加藤:ギャップも何も、全部知ってましたから。瀬川さんが全てありのままに話してくれていたので、良い事も悪い事もそのまんまでした。
面白かったのは、想定通り、ミッションビジョンを達成する組織でした。こうしたら良くなる/悪くなるを行ったりきたりしていても、どういう想いでやっているのか、いつも分かっていたので、手触り感がありました。忙しい中、瀬川さんと時間をかけて当時のバリューを作りました。これまで、大変な経験はいっぱいしましたが、「もう無理だ」と思ったことはなかったですね。アップダウンしながら、確実に組織が育っていくような手触りもあります。

宮本:入社当時のベビー服EC事業と、FULL KAITEN事業で変わったことは?

加藤:EC時代は、スタッフもママ達がほとんどで、自分の仕事もしながら梱包もやり、助け合う家族経営的な雰囲気でしたね。今はそこから比べるとぐっと会社らしくなってきた感じがします。さらに、FULL KAITEN事業では、社員1人1人に専門性の高い仕事が求められるようになりました。ECとSaaS事業では、戦い方は全然違うし、難易度も上がっています。

宮本:卓さんは、FULL KAITEN事業になってから役割も変わったと思うのですが、そのあたりはどうでしたか?

瀬川:前職で経営企画室にいた卓さんだけど、入社時に事業側の仕事がしたい、と伝えられていました。これまでの経験とは違う役割になるが、以前から卓さんを知ってるからこそ、彼の意思を尊重して任せることができました。今はCPOという立場でデータサイエンスチームを管掌してもらっていますが、元々知らない人だったら、そうはならないと思う。普通に考えれば管理系の仕事をお願いしたいって思うはずなので。仕事ってスキルがあるから完璧ということはなく、卓さんが今までやり切った事、問題への向き合い方、全てを汲んで「任せられる」と判断することができた。これはリファラルの良い所かなと思う。

加藤:そういえば自慢なんですけど、私、リファラルでしか転職したことがないんですよ
。しかも2社とも上場したんです。ちなみにリファラル限定とか、こだわりや趣向ではなく偶然です。

宮本:卓さんは人との縁を大事にしてきたんですね。

2023年の全社会議。会社は成長し、人数は50名近くなった

フルカイテンの現在地と未来

加藤:今持っているのとは違う能力が試されている時。まだ未経験な何かをやらないといけないのかもしれない、そんな難しいチャレンジをしようとしている。だけど、未達という結果が出ている時でさえ、去年に比べて大きく成長していると感じている。

瀬川:昔は、新規契約がどんどん増えていくのにプロダクトを計画通りにリリースすることができなくて全国へ平謝りしに2人で手分けして奔走していた事もあった。朝一に静岡で謝罪し、夕方に佐賀で謝罪したこともある。その時に比べて今は、同じ謝罪でも、原因となる内容も質も各段にアップしている(笑)今まで苦しい事は山ほどあった。その時その時の問題をクリアしてきて12年、それが自分と卓さんの歴史だと言える。

瀬川:ミッション・ビジョンで定めた未来を見失わず、くじけずに淡々と成長している。今俺たちがFULL KAITENを通して挑んでいるのは「スーパーサプライチェーン構想」という前人未踏のチャレンジ。落ち込む暇はない。事業が成長すれば、ぶつかる問題の質もどんどんレベルが上がり、それをクリアするたびに、「螺旋階段※」のように確実に上に上がっていける。
※CEO瀬川が良く使う成長の例え。人や事業の成長は螺旋階段を上るがごとし。本人は成長を実感していないかもしれないが、螺旋階段を横から見れば着実に一つずつ上に上がっている。どんなに苦しくても、何か一つでも得るものがあるならそれは成長であり失敗ではない。その螺旋階段を上る毎日の中で「あ、こんなところまで上ってきたか!」というのが成長という意味。

加藤:諦めない、続ける力は負けませんね。やり続ける、できるまでやる。この先、どんな危機が起きたとしても、瀬川さんと私の「鈍感力」があれば全て乗り越えていけると確信しています。

2023年、伊那市で開催したボードメンバーのオフサイトミーティングにて。

編集後記:
フルカイテンの宮本です。私は創業時からフルカイテンにおりまして、この激動の渦中で働いておりました。当時はハラハラドキドキで無我夢中に走って来たのですが、なぜ倒産しなかったのか?今回のインタビューで答え合わせができた気がします。結論は、「確固たるミッション・ビジョンを持っている会社だから、倒産危機も乗り越えられる強さがある」でした。
そしてもう1つ、自分の人生の決断をする時は、理屈や数字じゃなく、自分が本当に「したい」と思う気持ちに従うことが大事、ということです。それなら、失敗しても納得でき、経験値も上がります。逆なら、後悔だけが残ります。

リファラルの話のつもりが、人生の話にまで発展してどういうこっちゃですが、1度しかない自分のための人生ですものね。思い通りにならないことばかりですが、譲れない時は自分の気持ちを尊重しようと思います。
これからもこの会社のミッションビジョンを信じて改善を続け、気が済むまで自分の仕事を貫きたいと思いました!


フルカイテンが分かる動画はこちら!


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