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Episode2. 働くことは、罪なのか


いま、共働き世帯のほうが

専業主婦がいる世帯の倍近く

多くなっています。


でも、

「子どもが生まれたら仕事どうしよう?」

と悩むのは、やはり女性で


「仕事優先じゃ子どもかわいそうかな」

とブレーキを踏むのも、やはり女性で


・・・というカップルが

どちらかというと多いわけで。



出産後3.5ヶ月で復職した私。


復職といっても、

妊娠中に業務委託で関わっていた会社に

雇用されて初出社したわけなので、

ほとんど転職に近い復職でした。


子どもを保育園に預けられなければ

私のキャリアはここで断絶する。


すごく焦っていました。


こんな私を雇用してくださった会社に

何としても恩返しせねば。


そんなプレッシャーも強く感じていたし、

(圧をかけられたわけじゃないのにね)


会社に私の実力を認めさせなければ

居場所がなくなる。


と、アクセルを踏みまくったのでした。



早め出社や、ランチ抜きは日常茶飯事。

仕事を持ち帰って深夜までやってたり。


子どもが体調を崩して出社できないときも

抱っこ紐で赤子の寝息を感じながら

電話で打ち合わせに参加する始末。。。


2ヶ月に一度は、39度近く発熱するほど

無理をしてしまいました。


30代って、無理がきくんですよね。

・・・一時的には。


でも、体は正直(笑)。

無理は続きません。


1年足らずで(経営的にもいろいろあって)

その会社で働き続けることを悩むように。



いま振り返ると、ただただ

「職務経歴書の空白」を恐れていたように思います。


確かに、子連れでブランクができると

転職市場では不利になりがちです。

(最近は人手不足の事情によりそうでもないかも)


だけど私自身はそもそも

独立してやっていこうとしていたのだから、

「転職」を意識しなくてもよかったたのに。


結局は「独立する勇気」が、まだ

固まっていなかったんだなと

いまなら冷静に思うし、


一時保育などのサービスを利用しながら

細々とでも個人事業を続けていたら、

長い目でみれば、また別の道を切り開いたと

自信を持っていえます。いまなら。


でも一方で、

認可保育園の保活の「点数」が

「駆け出しフリーランス」よりも

「週5日勤務の正社員」に有利なのも現実。


まずは「雇用される」「週5働く」ことで

保育園に子どもを預けられる確率を上げたい。


ただただ、

職業人生を継続させることを優先したのでした。



“引き続きキャリア迷子”の状態。


だからこそ、

子どもを保育園に預けることへの

否定的な周囲の意見は、堪えました。


親世代や、

電車で隣に座っただけのおばあちゃんからも、

「赤ちゃんにはお母さんがいちばん」

「3歳まではお母さんが」

「保育園に預けるなんてかわいそう」

と言われ、

ズーンと心の錘(おもり)になった日も。。


それを払拭できたのは、

夫に話をできたこと、聞いてもらえた感もあったからと、

保育園の先生方の素晴らしさに触れたからです。


「今日、ズリハイできたんですよ〜」

「今日は○○をたくさん食べたんですよ」


お迎えに行ったとき、細かく報告してくださる

先生方の笑顔には本当に癒されました。


うちは親が遠方なので

保育園でたくさんの大人に囲まれて過ごすことは

子どもの成長環境としてもよいなと感じ、

その発見もまた夫と共有しました。


子育ては、

「母親なんだからこうするべき」

「子育てはこうあるべき」という

べき論から自分自身を解放する最大のチャンス。


キャリア迷子だって働いていいし、

子どもにべったりくっついているだけが「愛」じゃない。


このことは、

これから結婚や出産を望む方々、

育児と自己実現を両立したい方々へ、

声を大にして伝えたいことのひとつです。



か弱いながらも、

そんな勇ましい想いが育ってきた頃。


「母親が働くことは、罪なのか」

と痛烈に感じた夜もありました。


保育園からの帰り。

子どもが1歳ちょっとで歩きたがり

大人なら5〜6分の道を

1時間経っても半分しか進めなくて

すっかり日が暮れてしまったなか、


パソコンと、保育園の荷物が重たくて

ハイヒールで足がじんじん痛くて

(当時は、使用済みの汚れたおむつも持ち帰りだった)

子どもを抱っこすることもできないところへ、

雨が降ってきたのです。


かさもない。

コンビニも数m先。

子どもは地面に座り込んで歩いてくれない。

帰りついても、夜ご飯の用意もまだ。


夫の帰りも遅い。

持ち帰り残業もある。

時短社員だから夕方以降の会議に出られないし

なぜか8時間勤務でなければ、
リモートワークが許可されない理不尽。


道ゆく人は、さっさと歩いて過ぎ去ってゆく。

私、何してるんだろう。


急に全てが虚しくなりました。


「私が無理して働いてるから、こんな目に遭ってるんだ」

そう思ってしまって。



その日、

どうやった帰り着いたのか

どうやって気持ちを明るく持ち直したのか

全く記憶にないのだけれども、


過敏に「つらい」と耐え難く感じてしまった

原因は、3つに大別されます。


1つめは、私自身が

「女性が家事も育児も担わなければ」という

性別役割意識に囚われていて、

それをうまくこなせていない自分を責めていたから。

何でも自分がやらないとって、

いつもどこかで思っていたし。


2つめは、当時の職場で

時短がマイノリティ」だったから。

子育て社員が働きやすい環境、整っていませんでした。

週5日40時間は当然、

滅私奉公で働くことを美徳とする

(子どもが病気したときに退社するのは当然ママ、とか)

そんな社風と制度に、働きづらさを感じていたから。


3つめは、世代間の価値観のギャップ

上司や親が“現役”だった時代には、

共働き世帯のほうが少数派でした。

いまとは異なる社会環境で働き子育てしたきて世代と、

女性が働くこと自体への捉え方や

家事育児に対する常識が異なるのは当然のこと。

まずはその前提に立って

相手を責める気持ちを沈めなければ

「分かってもらえない」というストレスは消えません。


この3つが相まって、「もう無理」って

気持ちが自爆しちゃったんですね(苦笑)。


働くことは、罪なんかじゃない。


さまざまな無意識のバイアスを手放してゆくことで

母としての役割と、職業人としての役割、

バランスに折り合いをつけられるようになるはずです。


次回、「Episode3. 子連れ転職4回」は

8月26日(金)に公開しました


\かぞくも、じぶんも、しあわせに/

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🌷この記事を書いた人のプロフィール🌷

1978年5月生まれの牡牛座B型。
2022年現在、夫と息子と東京都内で3人暮らし。趣味は茶道。



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