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「盗めるアート展」で盗まれたもの #福ログ【Vol.348】

7月10日に「盗めるアート展」が開催され、多くの反響を呼んでいました。

「盗んでよいものとして作品が展示される時、アーティストはどのような作品を展示するのか?鑑賞者と作品の関係性はどうなるのか?芸術作品に常にまとわりつく、ギャラリーや美術館という守られた展示空間との既存の関係性が壊された空間で、現代における芸術作品のあり様を違った角度から捉え直す機会となったら幸いです」というコンセプトのもと企画・実行されました。

私も事前にこのイベントについては知っており、「ルパン三世みたい」「普通は盗めないものが盗めるなんてワクワクしそう」「どんな絵が展示されるんだろう」と、足を運べないことは忘れて妄想していました。

普通、”盗む”という行為は犯罪であるのに、それが許されるなんて、ワクワクが止まらないですよね。

注意書きにもユーモアがあり、「盗む作品は一組につき一点限りとさせていただきます。(例:キャッツアイ様の場合は3人で1点のみ泥棒可)」、どんな結果になるのだろうと楽しみにしていました。

事の顛末は、開場時間の30分前に人が流れ込み、一瞬で作品がなくなった。また、メルカリで転売されているものもあるとのこと。

なるほど、そういう結果になったのかと驚きを隠せませんでした。

アートを楽しむことよりもアートを盗むことに私の興味もありましたが、ルパン三世やキャッツアイ、怪盗キッドのようにこっそり慎ましく盗むのではなく、堂々と駆けつけて盗むことになるとは。そして一瞬でなくなるとは。

SNSにより一瞬で広まってしまうこと、珍しいものに人が飛びつくこと、プレミアはお金になると考えること、こういった要素が絡み、想定外の結果になってしまいました。

これが現代のアートの楽しみ方であると言えばそうなのかもしれませんが、どこか腑に落ちないところがあります。

終わってしまったことではありますが、私が望むような”こっそり慎ましく盗む”シチュエーションを作りだすとするならば、次のようなことが考えられます。

・泥棒数(組)は展示作品数と同じにする
・泥棒候補の事前抽選を実施する
・泥棒同士が対面した場合は盗んだ作品を没収する
・最後の作品を盗んだ者に特典を用意する

こんな感じに出来れば、泥棒同士が様子を伺いながら会場入りすることになるので、私の望む”こっそり慎ましく盗む”がある程度実現するのではないかと思います。

また機会を作っていただき、若干コンセプトと異なってしまうかもしれませんが、泥棒たちがお忍びで必死に盗む様子を後に動画で観れたらと思っています。

こうして振り返ってみて分かったのは、今回の泥棒たちは作品だけではなく、私の楽しみも奪っていったようです。

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