実店舗とECのいいとこどり!中国のスーパー「フーマーフレッシュ」とは?
ノリに乗ってる中国の小売について書いてある
「新・小売革命」
特に、リテール革命を起こしたフーマーフレッシュ(中国のスーパーマーケット)は学ぶ点が多い。
▼大きなことを成し遂げるにはトップダウン設計が必須
アリババグループの「フーマーフレッシュ」はオンラインとオフラインをいいとこどり(融合)したスーパーである。
華泰証券の研究報告によると、2016年のフーマーフレッシュ上海金橋店の売場効率は同業他社の平均水準の3.7倍。
生鮮EC業界の課題を解決するビジネスモデルとは?
フーマーフレッシュで行われているトップダウン設計
①オンラインの収入は必ずオフラインの収入を上回ること。
②オンラインの注文数は必ず1日5000件を超えること。
③実店舗から半径3㎞以内のエリアへ30分以内の配送を実現すること。
④最終的にオフラインからオンラインへ人流量を誘導し、アプリはほかのトラフィックを必要とせずに独立できること。
多くの従来型スーパーが人気の出たフーマーフレッシュの手法を学びにきたが、力を尽くして数か月後に閉店してしまう。それは、ユーザー思考、製品思考は学んだがその奥のトップダウン設計を学ばなかったから。
トップダウン設計はビジネスにおいて非常に大事。
▼買ってその場で食べられる、究極のUX
ECサイトではどんな状態の商品が配送されるのかわからないので消費者は生鮮食品をネット上で購入することに対して信頼感を持てないでいる。
フーマーフレッシュの大胆な試み
・無条件で返品可能
・スーパーの中に魚介類を活きたままディスプレイ展示。イートインエリア設置
実際に買ってその場で食べてもらうことで、ユーザーに絶大な信頼と好感を持ってもらうのが狙い。
▼なぜアプリでしか決済できないのか
フーマーフレッシュでは、現金やクレジットカードは使えず、アリペイ(支付宝)やウィチャットペイ(微信支付)も使用できない。支払い方法はフーマーフレッシュアプリのみ。
アプリ決済を習慣化してもらうことで、実店舗で購入した消費者に引き続きオンラインで購入するような流れを生み出すのが狙い。
ユーザーをオフラインからオンラインへ誘導する
▼3km以内30分以内の配送スピード
現場での究極のUX、オフラインからオンラインへ人流量を誘導するアプリ、そして次のステップは物流スピードという問題点の解決である。
フーマーフレッシュでは3km以内なら30分以内で商品が届けられる。
この数字は厳密に計算されている。
30分:生活の中でランダムに過ごせる時間の限界
3km :常温配送で代替でき、物流コストを大幅に下げられる
30分以内の配送はオンラインユーザーにネット上での買い物は決して不便ではないと感じさせるため。ひいては実店舗に行くよりも便利だとさえ感じさせる。
▼まとめ
フーマーフレッシュは、最終目標である「ユーザーにオンラインで買い物をしてもらう」ために徹底したトップダウン設計を行っている。
アプリでの決済、毎日新鮮な商品を提供するモデル、究極のUX、30分以内の配送は全て、オンラインへ人流量を誘導するためである。
オフラインの実店舗の売場効率には限界がある。オンラインがオフラインを上回る売上を実現することで中国では売場効率革命が起きている。
これらを実行するのは容易ではない。当初からトップダウン設計を行ったから実行できたのだ。リテールに限ったことでなく、きちんと目標を決めてから目標に向かって動くことで成果が格段に変わることを学んだ。
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