類似したものごとの相違点(1)「探す」と「選ぶ」はどう違う?
私はひごろ、「類似したものごとの相違点」を探ることこそが国語力の要であると主張しています。noteのなかで、その具体例を紹介していきます。
初回は、最近のテレビCMから。
ここ最近流れていた、乃木坂46によるバイトル(アルバイト情報アプリ)のCMです。まずはCMを見て、それから問いを考えてください。
問1)対比されているものは、何と何ですか。
問2)それらはどう違うのですか。
問1)
これは簡単ですね。
そう、「探す」と「選ぶ」です(授業では、ここからつまずく子もいましたが)。
「探すから選ぶへ」と、はっきり文字で出てくるので、注意力があればすぐ分かります(乃木坂のファンだという中学生男子生徒は内容には目が向かなかったそうですが笑)。
問2)
これが厄介です。
当塾では、「対比の観点の統一」という技術を教えており、それによって、テクスト(この場合はCM)に直接表現されていない「意味」を読み解くことが可能になります。
次のような文章を作ることができれば、ベストです。
★「探す」は、対象(バイト)を自ら見つけようとする能動的行為であるため、手間暇がかかる。一方、「選ぶ」は、対象(バイト)の選択肢が他者から与えられている受動的行為であるため、さほどの手間暇はかからない。
【ポイントは、
自己←→他者
能動←→受動 という対比関係です。】
★「探す」は、対象(バイト)が見つからない可能性が感じられるため、不安感が残る。一方、「選ぶ」は、対象(バイト)が見つかる可能性が高く感じられるため、安心感がある。
【ポイントは、
見つからない←→見つかる
不安←→安心 という対比関係です。】
★「バイト探し」は、使い古された表現である。しかし、「バイト選び」は、意外に新しい表現である。
【ポイントは、
古い←→新しい という対比関係です。】
こういった答えを書けるようにするために、どういったステップで授業していくのか。その詳細はこちらの動画の付録PDFで詳述しています。是非チェックを。
初回はここまで。今後も随時アップしていきます。ご期待ください。