見出し画像

大熊町で新しい発見と成長を大切に、心地よい環境や関係性をデザイン

「ふくしまおこしびとPlus」ではふくしまの地域づくりに関するキーパーソンや関係人口の方に、福島の魅力や想いをお話いただきます

◤谷田川 佐和さん(やたがわ さわ)さんプロフィール◢
 
1997年東京都生まれ。2015年から、東日本大震災をきっかけに発足した岩手県での子ども交流プログラム「僕らの夏休みProject」に参画。2018年から母体である一般社団法人ことばの理事を務める。
2021年から大熊町で「おおくまハチドリプロジェクト」に個人事業主として参画、その後2022年に大熊町に移住し、株式会社Oriaiに入社。若年層の自己実現と地方創生を掛け合わせたワークショップ・イベントを行っている。

株式会社Oriai
https://oriai.jp/
 
谷田川さんについては、こちらもご覧ください。
「転職なき移住なら、ふくしま」
https://www.fukushima-iju.jp/shiru/894.html

大熊町に移住したきっかけを教えてください

現在働いている株式会社Oriaiの代表とは、岩手県で津波の被害を受けた子どもたちを対象にした交流プロジェクト「僕らの夏休みProject」を運営していた頃から面識があり、前職でも先輩後輩の関係でした。代表が「地域×若者」をテーマに2019年に株式会社Oriaiを設立し、2020年9月に大熊町の「知の集結に資する学びの場の形成事業補助金」を取得したことがきっかけで、この補助金を活用した学生向けアイデアソン(※)を一緒に運営しないかと誘われたことで、大熊町を初めて訪れました。地域のためにできることを一つずつ行う姿勢で若者が取り組むことが重要と考え、「おおくまハチドリプロジェクト」を実行しました。
 
訪れた時から、町役場の皆さんや町内出身者、先輩移住者の方々の姿勢やサポートに感銘を受け、大熊町での仕事を楽しんでいましたが、2年間大熊町と東京を行き来する生活を送る中で、月ごとに変わる町の景色に「まさに今、町を作っている」瞬間を目の当たりにする貴重さを感じました。また、コロナ禍で自身のキャリアについても課題を感じ、これまで経験したことのない仕事に取り組んで成長したいという意欲が芽生えたため、大熊町に移住し、古いものと新しいものが融合する手触り感のあるまちづくりに関わりたいと思い、移住を決めました。
 
※アイデアソン:アイデアソン(Ideathon)は、「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた造語で、特定のテーマや課題に対して、短期間で集中的にアイデアを出し合い、問題解決や新しいビジネスモデルの創出を目指すワークショップ形式のイベント。

2024年5月、地域内外の同業者たちと企画した「集まれ!浜通りフレッシュマン合同研修」セミナー後交流会でのようす

若者の地域活性化を支援する活動の中で感じることは何ですか

この5年間で大熊町に6名の若者が1年以上の居住を決意し、それぞれの得意分野を活かして町で楽しんで過ごしており、町の魅力が1人でも多くの人に伝わっていることに大きな喜びを感じます。また、大熊インキュベーションセンターではコミュニティマネジャーを務めていますが、若くしてまちづくりに関わる人々の間には課題感や困りごともあり、そうしたリアルな声から企画を立案し実行する一連の業務は、自分たちで心地よい環境や関係性をデザインしていく楽しさがあり、大きな満足感につながっています。

2021年1月「第1回おおくまハチドリプロジェクト」でのワークショップのようす

今後取り組みたいことがあればおしえてください

2023年度から「学び舎ゆめの森(※)」で探究学習のサポート業務が始まりました。これまでは大学生たちに大熊町へ来てもらうことが主な業務内容でしたが、幼少期にどのような活動を行い、どのような人と出会うかが、人と町との関係性の入り口であると考えていたため、より若い世代と活動できることを嬉しく思っています。
 
「ゆめの森」の教育理念にあるように、子どもたちにとって学校が「『わたし』がはじまる場所」と感じてもらえるように、地域連携の観点から子どもたちと地域の方々との豊かな出会いをコーディネートできるようになりたいと考えています。
 
また、自分が大熊町に住みたいと感じた魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いがあります。幅広い方々と関わりながら、自分自身ももっと大熊町のことを深く理解し、一人でも多くの方にその魅力を伝えていきたいです。
 
※「学び舎ゆめの森」大熊町にある0歳から15歳までシームレスに混ざり合い、ともに遊び、学び、さらに地域の方々とも協創していく学び舎。

2023年度「学び舎ゆめの森」での起業体験プログラム授業のようす

谷田川 佐和さん
https://www.instagram.com/sawayatagawa/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?