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身体に良い酒造りを目指し、自然栽培の米糀を使った商品づくり

「ふくしまおこしびとPlus」ではふくしまの地域づくりに関するキーパーソンや関係人口の方に、福島の魅力や想いをお話いただきます


◤仁井田真樹さん(にいだ まき)さんプロフィール◢

福島県郡山市にある創業1711年の酒蔵「仁井田本家」で女将を務める。広報、イベント企画や、「身体に良い酒造り」をテーマに、米糀を原料とした砂糖不使用 のスイーツなどのノンアルコールの商品開発にも力を注ぐ。蔵にこもって酒造りに専念したいタイプという蔵元と役割を分担しながら、全国の音楽フェスなどイベント出店にも積極的に出展。

お酒以外の商品を開発したきっかけを教えてください

もともと、料理などに砂糖をあまり使いたくありませんでした。そこで、代わりに甘酒を原料とした甘味料を作りたいと考えていました。
酒蔵では、お酒の原料として使用できるのは、粒が揃った高品質のお米のみです。それ以外の選別用の網で振るって落ちたお米は「くず米」と呼ばれ、価値が下がり、飼料やお煎餅の原料になります。
仁井田本家のお酒の原料はすべて自然栽培米です。米粒が小さくても、品質に影響はありません。そこで、そのお米に「エコ米」という名前を付け、それらを原料にして糀を作り、甘酒や塩麹などの発酵食品に展開しています。

県内外でのイベント出店も数多く行っていますね

東日本大震災や原発事故の影響で、直後はすべてが停滞しました。東京より西のお得意先からの取引が一斉に途絶えてしまいました。しかし、何もせずには何も変わらないと考え、自社でマルシェイベントを開始しました。来場してくださるお客様に、「福島は安全であり、安心であり、仁井田本家は興味深い活動を行っている」というメッセージを発信していただき、県外の方々に福島の現状を知ってもらうことを目指しています。
 
大雪の日や真夏でも毎月休むことなく続けた結果、メディアにも取り上げられ、大型バスで団体のお客さんも参加するイベントに成長しました。現在では、自社イベントだけでなく、県外や海外にも出向き、仁井田本家の「しぜんしゅ」をPRしています。若い世代にも飲んでもらいたいため、音楽フェスなどにも積極的に出展しています。
お客様に直接お酒や蔵の取り組みを説明し、一口飲んだ瞬間に「美味しい!!!」という声を聞くことが楽しみでなりません。私は「自分の直感を信じて行動する」というポリシーで活動しています。
 
仁井田本家のイベント情報


今後取り組みたいことがあればおしえてください

酒蔵見学だけでなく、仁井田本家の周辺には、自然栽培の自社田や木桶のための杉林、木桶の箍(たが)※になる竹林、梅林、白瓜(しろうり)や小豆を育てる畑があります。また、木桶の端材で作った日本蜜蜂(にほんみつばち)の養蜂箱もたくさん置かれています。これらをゆっくりと巡るツアーを計画しています。
 
※箍(たが)=竹を編んで輪にしたもので、桶などの外側にはめ、締め固めるもの。


仁井田本家
〒963-1151 福島県郡山市田村町金沢高屋敷139
Tel.024-955-2222
https://1711.jp/
Instagram  https://www.instagram.com/niidahonke/

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